第一話 勇者選定
どうも、初めまして!
泡夢小暮と申します。
過去に書いていたネタを引っ張ってきただけですので、流行とはまた違ったものかとは思いますが、暖かい目で見てくださいまし。
それではどうぞ、お楽しみください。
俺は今までモブ人生を送ってきた。
時には背景と同化し、時には攻撃だって喰らった。
そんなある意味量産型な俺は今、王宮のベランダにて勇者宣言をされた。
理由は本命の勇者ちょっと出かけてくる!とか言って父親について行商をしに行った。
しかも何が悔しいって、そいつの母親と俺の母親はかなりの仲良しさんであいつが出かけてる間俺が代わりにいろいろする羽目になり、たまたまあいつの家の煙突掃除をしている時に使者がきて、身長同じ、(煤をかぶっていたため)髪色が同じ、名前も一文字違いだったためだ。
しかも多少なり髪色が違っても情報の齟齬で通されてしまう。
…まださ、二人並んでて間違えて連れてこられたとかならいいよ?
何でまるで悟ったようにぴったり二日前にいつもならついて行きもしない行商についていくんだよ!
いいじゃん今回も無視で!何で学びに行った!
やだよー、俺戦闘苦手なんだよ〜
「みなのもの、よく覚えておけ!これが我らの世界を救う勇者、アレスだ!」
王様が言い終わるか終わらないかくらいで集まっていた王都民が歓声をあげる。
王様もさも満足そうに頷き、俺に何か言えとばかりに視線を横してきた。
俺はだるいし、こんな場所に立ったことのない恐怖で考えがまとまらず、
「ふ、不束者ですが、よろしくお願いしまぁす!」
謎の挨拶をして、大勢の見知らぬ人たちの前で赤っ恥をかいたのだった。
その後、パーティもほどほどに俺は切り上げさっさと用意された部屋で眠りについた。
次の日目が覚めると、外の光がこれでもかと言うほど部屋に差し込み、メイドさんが俺を起こそうと覗き込んでいた。
「えっと、どちら様で?」
「おはようございます、アトス様」
メイドさんは俺の質問に答えず、筋書き通りのセリフを言って、桶に水を用意し出した。
「あの?何をしてらっしゃるので?」
「申し遅れました、私、アトス様の身の回りのお世話を努めさせてもらいます、アリッサと申します。」
俺の声はやっとメイドさんもとい、アリッサさんに届いたらしい。
だけど質問には答えてもらえてねぇ。
「それで、アリッサさん。何をしてるんですか?」
「ご支度の準備です。」
「ご支度の」
何度も言うが、俺は背景と同化し、目の前でラブストーリーが展開されることもあるほどのモブだ。
こんな待遇受けたことがない。
「あ、俺自分でできm…」
「私の仕事ですので」
アリッサさんが有無を言わさぬ勢いで返してきた。
「この後ですが、パーティーメンバーの方々との顔合わせですので、お早めにご支度を」
何?そんなの聞いてないぞ。
「昨日のうちにお伝えするべきだったのですが、お早めに切り上げられておられましたので、お伝えすることができず、大変申し訳ありません。」
え?アリッサさん、俺の心読んだ?
まあいいや、とりあえず、着替えなきゃなのはわかった。
「アリッサさん、着替えるんで、一旦外に出ててもらってもいいですか?」
「お手伝いを…」
「一人でできます!」
「…かしこまりました。」
アリッサさんは少し不服そうにしながらも静かに部屋を出て行った。
流石に、いくら何でも着替えを見られながらするのは恥ずかしい。
あれ?俺いつの間にアリッサさんに名前名乗ったっけ?
国民に紹介されたのは、正式に選ばれた俺の幼馴染みのアレスだったはずだ。
俺はアトスで、名前がよく似ているため、ややこしいと文句をよくいただいていた。
何となく疑問に思いながらきにくい勇者装備を着て、鏡でにやっと確認してから、おそらく廊下にいるであろうアリッサさんに声をかけた。
「準備できました」
予想通り、アリッサさんは部屋のすぐそばにいたらしい
「それでは、朝食を済ませ次第、顔合わせに行きましょうか」
「はい」
慌ただしく、俺の偽りの勇者生活が始まった。
いかがだったでしょうか。
勇者に認定され、メイドのアリッサはなぜか心が読める。
よくある展開ですよね(((
ってことで次回予告です。
次回は様々なことが起こります。
第二話 出会い
それではまたお会いしましょう
お楽しみに!