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動かないロボット

作者: 無息吹

ある日、博士は頭を悩ませていた。完成したはずのロボットが何故か作動しないのだ。提示された設計図に間違いは見当たらず、ならば製作過程で問題があったのかと思って、ばらしてみたがどこにもおかしいところはなかった。

 途方に暮れているとピンポンとチャイムが鳴った。出てみると

 「やあ、博士。依頼したものはできているかね」

 そこには、ロボットを依頼してきたワイ氏がいた。

 「あぁワイ氏、来てくれた手前申し訳ないが、まだ完成してないんだ。もうしばらく待ってくれ」

 「なんだと!博士、話が違うじゃないか。期限を設けたのはあなたですぞ」

 怒り狂うワイ氏に博士はどうしていいか分からず、とりあえず家の中に通すことにした。

 紅茶を用意していると、

 「博士!しっかりと完成しているじゃないですか」

 とワイ氏が声を上げた。恐らく、家の隅で佇んでいる外見だけは完成したロボットを見て勘違いしてしまったのだろう。

 「それが電源を入れても動かないんだ」

 申し訳なくなりながらも訂正すると、ワイ氏がいやいやと手を横に振る。

 「これでいいんです、博士。このロボットは完成している」

 それでは確かに貰い受けましたと言って、ロボットを担いだまま出ていこうとするワイ氏に博士は慌てて声をかける。

 「そういえば聞いていなかった。そのロボットは何をするんだ」

 ワイ氏は振り向いて言った。

 「なにもしません。今の社会、誰もが他より上を目指しています。このロボットは簡単にその願いを叶えてくれるんですよ」


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