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厄介ごとに巻き込まれ
「……深夜2時17分、チーム【頭】全チーム。目標地点である怪獣トードディナの焼死体現場に到着」
トードディナの焼死体。
その近くに防護服とガスマスクを着用した集団があった。
体形的には人だが、異世界においてそれは役に立たない。
「簡易確認。我々αは怪獣の細胞を採取、βは例の異世界竜人の捜索。以上、それぞれ作戦に移行せよ」
「「「了解」」」
短い説明の後、彼らは粛々(しゅくしゅく)と与えられた任務をこなしていく。
怪獣トードディナの皮膚、管、眼球、舌、内臓や肛門周りの細胞まで至る所を余すことなく、可能な限り収集していく。焼けただれていようと、問答無用にだ。
「こちらβ、異世界竜人発見」
「状態は?」
「呼吸はしています。例の少女も近くにいます」
「そうか。であれば第二段階に移行されたし」
「了解」