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伝説の剣を使い、腐った王国を立て直す!  作者: 焼納豆
王国への復讐と悪魔
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日常

 こんな状況になっても、未だに俺がこの場所から離れないのは二つ理由がある。


 一つ目は、あの魔族を差し向けた更なる上位魔族である悪魔がいるはずだ。そいつを滅する為にもこの場を離れるわけにはいかない。


 こちらから探すなんてほぼ不可能に近いから、向こうが来るのを待つしかないんだ。


 実際魔族がうようよしている場所はあるが、そこに突っ込んでも母さんに関連する魔族が見つかるとは限らない。


 それ以前に、正直あいつらの個別の見分けがつかないと思っている。


 二つ目は、当然あのクズ共に鉄槌を下すためだ。


 方法は色々考えているが、魔族襲来時に王城に魔族をそのまま送り込んでやるのも面白いかもしれない。


 だが、それじゃあ俺の手で復讐したことにはならないからな。


 もう少し自分のスキルを増やし、磨いて、直接罰を下してやるのがいいだろう。


 見下していた相手からの報復はさぞ堪えるだろうな。


 実はこの話をヨナにしたことがある。


 ヨナも母さんの最後の言葉は聞いていたが、決して俺の復讐に対して反対することはなかった。


 彼女もあいつらの行いには激怒しており、むしろ推奨派だったんだ。


 これだけでも母さんに対する想いが理解でき、とてもありがたい気持ちになる。


 そんな訳でギルドでは良い顔はされていないが、未だにこの場所でヨナと二人のパーティーで冒険者の活動をしている。


 冒険者活動をすると<スキル>や基礎能力を上げることができるので、一石二鳥だ。


 だが、本来俺の能力を一気に上げるには、配下となる<基礎属性>を持つ剣を持つことのできる仲間を増やすことだ。


 今現在は闇剣のヨナだけなので、俺自体には俺自身の強さと闇剣の強さしかない。闇剣の強さだけでも十分な強さなんだが、更なる強さを得られるのだから妥協はするべきではない。


 最強と言われている無剣自体の性能は確かに最強になり得るのだが、まだまだ修行が足りずに<基礎属性>の剣の機能を一部以外はまともに使えていない。


 最強すぎて俺の体がついてこないんだ。


 機能は、持っているスキルレベルを五倍で使用できること。


 またスキルレベル上昇率は十倍だがこちらも時々しか使えないのは、スキルレベルの急激な上昇に体がついていかないで寝込むことがしょっちゅうあった為だ。


 そして、今だ俺は認識していない機能があるようだ。何となく感覚で解る。


 剣側が、今の俺では制御しきれないか耐えきれないと判断して解放していないと思う。


 当然<基礎属性>の各剣は活動状態・・・つまり主が選定されていなくては力は得ることができないので、繰り返しになるが今の力はヨナの持つ闇剣の力だけになる。


 ヨナの配下を作っても良いのだが・・・あえて作るとしたら母さんの時に怒って暴動を起こした若手冒険者達か?と考えている。


 しかし、もし配下とする場合、ある程度闇剣などの<基礎属性>の剣についての話をしないと、いきなり能力が跳ね上がるのでおかしなことになってしまうだろう。

 

 もし部隊を組むにしても、いつ話すか、どう話すか、誰に話すか・・・考えなくてはいけないことがありすぎるので、とりあえず保留にしている。


 味方を増やすにも、まずは部隊を組むのではなくて大幅な力の強化が得られる<基礎属性>の剣の方が良いだろうな。


 そんな事を考えつつ、今日も日銭を稼ぐためにヨナと一緒に依頼をこなしている。


 今日は少々遠いダンジョンにいるダムロスと呼ばれる猛牛に似た魔獣から取れる素材を取る依頼だ。


 この魔獣、相当な強さがあるために素材の希少価値が高い。今回は角が指定の素材になっているが、当然その他の部位も良い値段で取引されている。


 冒険者ギルドによるランクによれば、Bランクと言われる冒険者が複数で討伐するのが推奨だ。


 このランクは、討伐実績を含む依頼達成状況に応じて上がっていくが、E、D、C、B、A、S、SSとランクが上がっていく。


 冒険者のランクと魔獣に指定されたランクも同じランク付けになってはいるのだが、必ずしも同じランクであれば討伐が楽だというと、決してそんなことはない。


 事実、このダムロスはBランク魔獣であり、討伐対象はBランク冒険者複数(・・)となっていたりする。


 正直ギルドや国に毛嫌いされている俺やヨナではあるが、魔獣討伐実績がありすぎるので、現在Aランクになっている。


 ランクが上がるたびに、ギルドの受付やその後ろにいるギルドの職員たちが嫌そうな顔をしているのが良く見えて、改めてクズっぷりを確認した。


 当然、既存?のAランク冒険者達も苦虫を噛みつぶした顔をしていたな。


 一方若手の冒険者は我が事のように俺達のランクアップを喜んでくれており、俺とヨナも嬉しい気持ちになった。


 と、そんな事を思いつつダンジョンに到着して早速目的であるダムロスを探し始める。


 基本的には浅い層には生息していないので、さっさと浅層を突き進んでいきつつも<スキル>のレベルを上げるべく精進している。


 闇剣から得られる特化スキルは<隠密>になっているので、俺とヨナは<隠密>を使用しつつ攻略を進めている。


 無剣の影響で、俺の<隠密>もとてつもない域に達している。

 魔獣が真横を通り過ぎても気が付かれない。


 当然人が俺を探知できるわけもなく、何の障害もなく目的のダムロスを討伐しヨナが<闇魔法>で獲物を収納する。


 俺も当然<闇魔法>も使うことができるが荷物持ちは譲れないと断られたことがある為、獲物はヨナが運ぶ暗黙のルールとなっている。


 いつもの通り何の問題もなく依頼をこなすことができたので、<隠密>を使用しつつスキルレベルを上げながら帰還することにした。


 そうそう、俺の<無限収納>の中にあるメモに記載されていた基礎属性の剣の特化スキルは、


 光   <浄化>

 闇   <隠密>

 炎   <探索>

 風   <防御>

 水   <回復>

 土   <重力>


 と書いてあった。


 炎は攻撃系の特化スキルかと思ったが、温度変化による<探索>らしい。ちょっと予想外だ。


 ゴースト系も、温度が下がるので探索できるという事みたいだ。

 

 もちろん、この特化スキルも一般人が努力などで得ることはできる可能性はあるが、剣を持つ者のレベルは隔絶している。


 そうすると、手っ取り早く欲しい特化スキルは・・・<回復>だろうな。


 母さんの時もそうだったが、今の俺達はAランクになった今でも<回復>スキルを持っていない。


 悔やみ続けているのは、あの時に<回復>スキルが使えていれば母さんは助かった可能性が高いという事だ。


 今の俺達は、ダメージを受けた場合はポーション頼みになっているので、この中では最初に欲しいところだ。


 該当する剣は水剣で、宝玉の色は青になる。


 まぁ、最近はケガをすることなんてないから問題ないが、いつ強い魔族が襲ってくるかわからない。


 例えばヨナがやられてしまうと、闇剣由来のスキルは既に俺が無剣の力で得た上でレベルアップしているから無くなることはないが多勢に無勢になる可能性が高いし、なにより仲間が消えていくのは見たくない。


 ダンジョン探索時にスキルがドロップすれば良いのだが、そんなに甘い物じゃないと思い知らされた。


 色々な考えを巡らせながら帰還する。


 行きと同じ道で帰還すると俺達が適当に討伐したせいで魔獣がほとんどいないので、違う道で帰ることにした。


 時間をおけば再度魔獣は現れるが、待つのは面倒なので大体ダンジョンに来た時は行きと帰りは異なる道を使用することが多い。


 <隠密>を使用しつつも適当に魔獣を討伐し、討伐したそばからヨナが収納する。


 俺は<体術>も持っているので、無剣をグローブに変えて両手にしている。


 こうすると、攻撃力も上がる上、手に負担が一切かからないんだ。流石は最強の無剣!


 実は俺、<剣術>スキル持ちのヨナから少し指導を受けたら、自力で<剣術>スキルを取ることができたんだ。時折剣を使用すればそのスキルアップにもなるし、丁度いいと思っている。でも、グロイ魔獣は少な目でお願いします。


 そんな流れ作業を行いながらテクテク歩いていると、既に気配を察知していた冒険者パーティーが視界に入った。


 <隠密>による気配察知はヨナから貰ったようなものだが、俺の無剣の効果により一気にスキルレベルが上がってしまい、オリジナルであるヨナよりも能力が上がってしまった時があった。


 それに気が付いたヨナが涙目になっていたので、無剣の持つふざけた機能であるスキルレベル上昇率10倍をヨナに出来るように願ったら、できてしまった。


 これは歴代の無剣所持者が書いたメモになかったため、初めて俺が記入しておいた。なんだかむず痒い気持ちになったが俺もこのメモで相当助かっているため、次に繋げられるように先人の遺志に従おう。


「ロイド様、どうやら五人組の冒険者がこの先で魔獣と遭遇して、戦闘を行おうとしているようですね。避けますか?」


「いや、わざわざ避けずとも、<隠密>を使用したままで通過すればいいだろう」


 いつも通りに通過する事を提案して、冒険者と近接していく。


 しかし、近接するにつれて俺達が察知していた気配が通常の冒険者の動きではないことに気が付いた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大筋では面白いけど、、 [気になる点] ああでも無い、こうでもないと 考察の文章が長過ぎ、それに 加えて説明文も一気に出し過ぎ でテンポが悪い処では無い。 まるで設定集を読んでいるよう 描…
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