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伝説の剣を使い、腐った王国を立て直す!  作者: 焼納豆
神と魔神
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新生フロキル王国

 悪魔……と言うよりも、ただ一人の悪魔であるソレントスによって引き起こされたいざこざも終わり、その流れで国内に巣食っていたクズも完全に排除する事が出来たフロキル王国。


 元王族であったロイドは、ただの冒険者ロイドとして生活している。


 今の国王は、以前の国家の中では唯一の良心ともいえる元辺境伯であるキュロス国王だ。


 そんな新生フロキル王国の王城内部にある、豪華な部屋にいるロイド達。

 国家再建の最大の功労者と言う位置付けらしく、キュロス国王に無理やり押し付けられてしまった。


 その一室には、伝説と言われている神の化身である<六剣>と<無剣>所持者が集合している。


 同じ場所に住んでいるので集合と言うと大げさかもしれないが、もちろん<六剣>所持者ではない身内もこの場にいる。


「かなり落ち着いてきたな。ここまでくれば俺達の力はいらねーんじゃねーか?」


 少々乱雑な言葉を使っているのは<炎剣>所持者のヘイロン。


 <六剣>の中で最強の攻撃力を持つ剣とされており、熱の変動による<探索>を最も得意とする<炎>属性を司る剣の所持者だ。


 ヘイロン曰く、国家復興のために<六剣>の力を存分に活用してきたのだが、そろそろ問題ないだろうと言う事だ。


「確かにここまでくれば、我らの力は特に必要ないでしょう」


 落ち着いた雰囲気の執事。


 見かけ通りに執事のような事をしてくれているのだが、実は悪魔であったりする。

 そんな彼もれっきとした<六剣>所持者。


 他の<六剣>所持者を鍛え上げたほどの実力・実績を持ち、何と初代<無剣>所持者の時にも<風剣>をその手にしていたテスラム。


「確かに過剰な助力は成長の妨げにもなる。騎士道精神に反する行為だな。この辺りが良い引き際なのかもしれない」


 彼女は殊の外騎士としての行動を重んじる、ロイドの母であるユリナスから継続してロイドにも仕えてくれているアルフォナ。


 気高い精神を持ち、騎士としての本懐、主のためにその身を犠牲にする事を一切厭わないと自他共に認めている程の女性。


 その実力も折り紙付きで、<土剣>の所持者だ。


「平和なのは良い事」


 それほど多くを語らないのは、<無剣>所持者であるロイドの一族に常に付き従ってくれている<闇剣>所持者のヨナ。


「本当に一時はどうなるかと思っちゃったけれど、何とかなるものね?」


 少々のんびりしている雰囲気を出しているのは、ロイドの母親であり先代の<無剣>所持者であるユリナス。


 一時期悪魔によってその命を落とし、その復讐のために<無剣>所持者のロイドと<六剣>所持者達が魔王領まで攻め込んだのだが、実は魔王は操られただけであり、その魔王の力によって蘇生された過去を持つ。


「民の為を思えば、皆さんの言う通りにそろそろ手を出すのは止めた方が良いのでしょうね」


 隣国であるリスド王国の元王女であるナユラ。

 王族から離脱して、<光剣>所持者としてロイドの復讐を手伝った経緯を持つ。


 フロキル王国が復興した今でもリスド王国に戻らず、一介の冒険者としてロイド達と行動を共にしている。


「お姉ちゃんたちと同じです!」


 相変わらず自分の意見がなさそうな感じの女性はスミカ。

 ロイドの復讐を手助けしていた時に意見を求められた際にも、同じような事を常に発言していた。


 元王族であるナユラと共にヨナを姉と慕い、ナユラの事も姉と慕っている若干天然で食いしん坊。


 日頃<炎剣>所持者のヘイロンと行動を共にする事が多く、テスラムによる修行に若干のトラウマを持っているのだが、れっきとした<水剣>所持者だ。


 その性格は純真で、常に明るく周囲を和やかな雰囲気にしてくれる。


「フフフ、私も祖国に無事に戻ってこられるとは思っていませんでした」


 最後は、ロイドと同じくフロキル国王の血を引き継ぐ者であるリアナ。


 彼女は<六剣>を所持しているわけではないのだが、アルフォナの持っている<土剣>の配下となっており、人としては隔絶した力を持っていたりする。


 そんな彼女は王位や王族には興味を示していないのだが、その知識を活かして日々キュロス国王の手助けをしている。


「俺もそう思うな。じゃあ全会一致という事で、今を持って<六剣>として積極的な助力は止める事にしよう」


 最後は、<六剣>を従えている<無剣>所持者であるロイド。


 母であるユリナスを間接的に殺害した元フロキル王国の一団と、一部の悪魔達に完全なる復讐を遂げた上、結果的に母親も復活して楽しい生活を送る事が出来ている。


「それじゃあ俺は少し他の国々を見てみようと思う。少しだけアントラ帝国の状況も気になる所だしよ。ついでに昔ギルドにいたサフィの状況でも確認してくるぜ。まっ、テスラムさんの情報によれば問題なさそうだが、実際にこの目で見た方が経験にもなるしな。それに最近は紛争もないし復興に力を入れていたから、あまり積極的に情報収取してねーだろ?丁度良い機会なんじゃねーかと思ってな」


「ヘイロンさん!なんだかんだそれらしい事を言って、修行から逃げようとしているんじゃないですか?そうはさせませんよ!私も一緒に行きます!!」


 サフィとはフロキル王国のギルドの受付をしていた者であり、ロイドやヘイロンの持ち込む素材を強制的に有り得ない程ピンハネしていた人物だ。


 更には、偶然フロキル王国滅亡前にリスド王国に脱出し、リスド王国でギルドの受付として再出発していたのだが……復讐対象に含まれていたために、結果的にギルドを首になった。


 その後は勝手にリスド王国から逃げたのだが、その行先は情勢が不安定極まりない国家であるアントラ帝国であり、テスラムの眷属であるスライムから得た情報では即奴隷となって最悪な暮らしをしているところまでは掴んでいた。


「じゃあ俺もこの世界を少し旅するかな?連絡はテスラムさんから貰っているスライムでいつでもできるし……」


 ヘイロンとスミカに触発されたのか、ロイドもこのフロキル王国から出国すると言い出した。


 その流れで、一旦この場の全員が各々の好きに行動するという事になったのだ。


 悪魔との戦闘が終わってから約二年、復興に助力した<六剣>達は、自分の時間を持つ事を決めた。


 再び合流するのは二年後……という事だけを決めて。

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