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妄想税

作者: 土独歩 八音

とある国の博士が、とんでもない大発明をしたのだ。それは『妄想検知器』というものであった。この装置を使えば、今妄想をしているか、またはどんな妄想をしているかが分かってしまう。とんでもない発明品である。


そのことを知った大臣は味をしめ、国民に妄想税というものを課した。

妄想税とは妄想に税金を課すことで、妄想検知器が検出した妄想の大きさで税率が変わってくる。


そして今日は、ついに妄想税施行の当日だ。

大臣は満を辞して妄想検知器のスイッチを入れた。


ガチャッ。


その日から世の中は大きく変わった。

毎日のようにニュース番組では妄想脱税についての討論が行われている。

作家やイラストデザイナーなどのクリエイティブな職業の人は、政府相手に妄想権の確保を求めて訴訟している。

道徳や倫理も大きく変わり、人は皆、今のこの一瞬一瞬を生きるようになった。

妄想税に対して最初は批判的だった国民も、妄想をしなくなったことで仕事の生産性が上がったり、殺人などの計画の妄想も妄想検知器は感知するので、犯罪率も大幅に減少したため、段々と受け入れられてきている。

これも全て、妄想税という概念を生み出した大臣のおかげだと、メディアや人々は大臣を褒め称えるようになった。


「…というような妄想をしていたため、大臣には3億2480万円の妄想税がかかっています。」

今日は妄想税施行の当日。大臣が妄想検知器のスイッチを入れると同時に、妄想検知器かる警報が鳴った。それと同時にやってきた税務官達。そして今の状況に至る。


結局のところ妄想税は、税務官の人員の確保の問題や、自由権の侵害や妄想権などの訴訟に負け、一般の職業の人との扱いの違いから不満が募り、すぐに廃止となった。


大臣の妄想から始まった妄想税は、妄想に終わることとなった…。

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