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アドバンスーAdvanceー  作者: Star Seed
第一章「脚本書きのプロローグ」
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狙撃ーーThe Lost heartーー

 最近忙しいので全然更新ができていないような気がします。

 というか、構成がおかしい気がします。次からは衝動書きするのやめます。


「おはよう、柊人君」


 そう声をかけられ、俺は振り返った。


 10月29日火曜日、8時15分。ここは下駄箱であり、何故か、全学年同じ建物に集約しているので、他学年の生徒が他学年の生徒に声をかけやすい。


 俺の同級生の男子が、このシステムのお陰で先輩から大胆にも告白されたらしいが、俺はこのシステムが嫌いだ。いや、正確には、「嫌いになった」か。


 俺は先日、この学校の二年生を喧嘩で叩きのめした。怪我は恐らく、自転車事故並みのものであるから、彼が復帰するのはもっと後のことになりそうだが、その時、俺がどういう対応をされるのかは不明である。いや、不明であるなんて甘い考えか。普通に考えて鉄拳制裁を受けるだろう。


 下手をすれば、この腕の傷よりも酷いダメージを受けるかもしれない。


 俺は不良との喧嘩で確かに腕を貫かれた。だが、俺は現在、貫かれた方の腕を外気に晒してもピンピンしている。


 俺はあの後、しっかりと処置をしようとしたのだ。家に帰り着くと、家族の誰一人として活用したことのない救急箱を漁り、包帯と消毒を取り出して。


 しかし、処置を開始した瞬間、俺は気付いたのだ。


 傷が塞がりかけていたことに。本来、充分な処置をしていなければ血が止まるどころか、下手すれば破傷風や大量失血で死ぬかもしれない。だが、俺の体はそんな生物学を無視して傷を再生してしまった。


 後々「翼」に聞いたところによると、これは「却逆の翼」の能力で、「翼」の装着者が傷を負った時、その傷は自動的に却逆されるらしい。最も、その治癒方法は自然治癒をブーストするというもので、少し時間がかかるうえに、その能力は「却逆の翼」を顕現していない時にしか効力を発揮しないらしいが。


 ーーという記憶が迸った瞬間、俺は誰かから声をかけられていたことを思い出した。


 振り返ってみると、そこには、佳苗先輩が立っていた。まだ10月の下旬だというのにいやに気温が低いので、うちの学校指定の冬服を着込んでいる。


「おはようございます」


 取り敢えず咄嗟に言う言葉が見つからないのでそう答えると、「今日も寒いねぇ」 と向こうから会話を切り出してきた。


(先輩から切り出された他愛もない会話かー。いいねぇ、和むねぇ。恋愛フラグが立ちそうな予感がするよ)


(恋愛脳(スイーツ)か。ギャルゲと現実は違うんだよ)


 そう心中で返してから、


「そうっすね。俺、寒がりなので辛いんですよ。こういう季節。冬ならガチガチに着込んでこれるんすけど、こういう気候だと着込むに着込めなくて」


 と現実に対しても返す。


「分かる分かる、寒がりって辛いよなぁ」


 そう言った瞬間、後ろから声をかけられ、どきりとして振り返る。


「七道君、その子困ってるでしょ?」


 見ると、それは文化委員会副会長の七道(ななみち) 睦月(むつき)先輩だった。いつも通りの癖毛を惜しげもなく晒している。


「え、えーと...」


 俺が言葉に困っていると、ふと、「翼」の切迫した声が聞こえてきた。


(お前の左側から弾が来るぞッ!)


 その言葉に押されるようにして体が半回転するので、その状態から翼を展開し、その「弾」の着弾を待った。


 その0.3秒後、「却逆の翼」に何かが突き刺さり、俺はそれが地面に落ちるのを確認してから翼を閉じる。


 み、見られてない、よなーー?


「い、今のは何だ!?」


 最初にそれを言ったのは七道先輩だった。切迫しており、動揺しているが、声のボリュームはそこまで大きくない。取り乱してはいないのだろう。とても一歳差とは思えない精神力だ、なんて俯瞰したような考えが迸ると同時に、俺は飛来してきたものの正体を理解した。


 ナイフだ。俺を、いや、俺の周りの三人を狙って撃ち込まれたのであろうものは家庭用の果物ナイフだった。家で使っているから分かる。


 しかし、どうしてそんなものが?


 俺は顔を上げると、ナイフが飛んできた方向を見据えた。しかし、俺は両目とも視力が1.6ほど。向こうにある南校舎がくっきり見えるくらいで、誰が投げたかまでは見えない。


 いや、見えたとしても、恐らく相手を捕捉することは不可能だろう。俺がナイフ投擲での狙撃をするとしたら、撃って、防がれたか当たったか分からなくても、取り敢えず狙撃地点から動く。


(「翼」、相手を捕捉できたりしないのか?)


(無理。この距離じゃお手上げ)


 「翼」で捕捉することが不可能となるとーー万事休すじゃないか、畜生、と胸中で唸りつつ、恨めしそうに再び南校舎を見据えた。


 今回も内容薄い...

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