談義ーーThe Talkーー
起きてみたら何故か執筆意欲が溜まっていたので素早く書きました。
今回は話がメインの話です。
「なあ、「翼」」
夜中。晩御飯を食い終えた俺は、ふと、「翼」に話しかけた。
「夕方のあの女、どうして俺を襲ったと思う?」
その素朴な疑問の「解」を手に入れるために。
夕方、襲ってきた女。彼女は大振りな日本刀を剣道の構えで扱い、俺を追い詰めた。あの剣さばきは中学生離れしており、もう一度相対したら確実に敗北する。それが、今分かっている情報だが、
彼女がどうして俺を襲ったのか、という、最も重要な謎が解明できていない。
(うむむ) 「翼」は小さく唸った。
「もしかして、「却逆の翼」のことがバレたとか?」
(いや、それはないと見て良いだろう。お前は「却逆の翼」をひけらかしていない)
そう言うと、「翼」は少し声の調子を落として言った。
(ーーだが、最近、何かひっかかる。なあ、こう思わないか?
お前の妹が操られた事件と、突然の強襲。そして、今回の女武者。これらの出来事は、無関係ではない、と)
「つまり?」
(お前が、ーーあくまでオレの推測だがーー私怨から、他人を操作する能力者に狙われている、ということは考えられないか?)
「翼」の言葉に、俺は一瞬どきりとした。「翼」の提唱した説は筋が通っている。俺はそこまで、誰かから恨みを買うようなことはしていないーーつもりだが、それでも、一人二人から恨みを買うことはあるだろう。
そんな相手が、俺の周囲に居る人たちを操作する。これは、今までの襲撃者全員から俺が恨みを買っていると考えるよりもスッキリするし、分かりやすい。
ーーしかし、そうなると、俺を恨んでいる他人操作の能力者は、どうして俺を恨んでいるのだろうか。
(しかし、相手の能力が分からないな)
ふと、「翼」が言った。
「というと?」
(お前は何度か、殺されかけたよな? それが妙なんだよ。お前を殺したいなら、お前を操作して自殺させればいい。だが、にも関わらず、相手はそれをしない。何でだろうな?)
「発動条件がある、とかじゃないのか?」
(それでも、お前と、お前の妹は条件が殆ど変わらない筈だ。お前に能力をかけないのはおかしい)
確かに、同じ家に住み、同じくらいの時間に帰宅するという条件で、俺が対象にできず、妹を対象にできるというのはどこか不自然だ。いや、むしろ、能力者が居る中学校に通っている俺の方がーー犯人が俺の通っている学校に居ればの話だがーー能力をかけやすいだろう。
「ーーうーん」
俺は唸ってから、ベットに寝転んだ。答えは出ない。今日のところはもう休みたい。
「取り敢えず今日は寝る。おやすみ、「翼」」
(おやすみ。オレはもう少し考えとくぞ)
俺はその言葉を聞いてから電気を消し、ゆっくりと目を閉じた。
ちょっと内容が薄かったですかね?




