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夏生詩集3

望郷

作者: 夏生

あの日とあのときの

断片、切れ端が

路地裏の隅

商店街の脇に

積み重なって

崩れかけて


営みの化石

色あせた看板

人のいない

商店街


昨日のことのようだ

幻がおぼろげに

笑う


空っぽの生家

かび臭い部屋は

昼でも暗かった


蛇口から水が

音なく落ちて

テレビは

あの頃のまま


台所から

母の鼻歌が

聴こえては消え

はしゃぐ声は

あの頃の私

泣き声も


戻りたい

やり直したい

やさしい

あの頃を今

夢見ていた


夢は引いて

消えて

誰もいなくなった

街に

駐車場が住み着いて

いた


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