武器なんて一般人に買えるわけがない
「ここってどう見ても武器屋じゃないのですが・・・」
棚にあるのは肥料や種、苗、球根、各種農具などなど。
どう見てもホームセンターです。本当にありがとうございました。
「そりゃ傭兵ギルドにでも所属してなきゃ武器は買えないからな。護身用の武器はこういうところで揃えるんだよ」
そう言って彼が差し出したのは、1挺の鎌だった。
* * *
ふらっと街に立ち寄った旅人が何の制限もなく剣とか槍とか買えるわけないよね。
そんなの認めちゃったら衛兵さん大忙しだわ。
スタアアアアアアアアアアップ!!
大鎌(サイズ) 種別:農具、ポールウェポン
斬:○ 打:× 刺:×
攻撃:△ 防御:× 耐久:× 間合:○
(草の)命を刈り取る形をしている。
元々は広範囲の草(特に麦や牧草)を刈るための農具。
刃の部分を真っ直ぐにし、攻撃に使えるようにしている。
内側を向いたままでは攻撃なんて出来ないので当たり前ではある。
まともな武器を用意できない農兵が主に扱う。
金属鎧どころか皮鎧にさえ歯がたたない。
形状の問題で隙間を狙うことさえ出来ない。
相手が裸だったとしても切れ味はあっという間に落ちる。
あまり乱暴に扱うと刃の付け根の部分が折れる。
まともな武器が用意できるならあえて使うべき武器ではないだろう。
薙鎌 種別:ポールウェポン
斬:○ 打:× 刺:○
攻撃:○ 防御:× 耐久:△ 間合:○
戦闘用の大鎌。
刃はイメージのとおりに内側を向いているが、刃自体は短めの直刀なので鎌という雰囲気はあまりない。
というか見た目が鎌っぽいだけでぶっちゃけ全く鎌ではない。
日本では薙刀や槍と同じように、武士の武器として活躍していた。
だが現在知名度は殆ど皆無という悲しい武器。
薙ぐ、突く、切る、脚に引っ掛けて転倒させる等、様々な使い方ができる。
うまくすれば首に引っ掛けて切り落とすなんていう芸当も可能だったそうだ。
鎌(シックル) 種別:農具、短刀
斬:○ 打:× 刺:×
攻撃:○ 防御:× 耐久:× 間合:×
農具の鎌である。
そもそも武器ではない。
草刈、柴刈、木刈等、用途で形状が違う。
沖縄あたりではこれで闘う武術もあるそうだが、他に武器があるならそっちを使ったほうがいいだろう。
鎌剣(ハルパー、ハルペー) 種別:短剣
斬:◎ 打× 刺:×
攻撃:◎ 防御:× 耐久:◎ 間合:×
ギリシア神話に登場する、ヘパイストスが鍛造した伝説の武器。
主な使用者はクロノス、ヘルメス、ペルセウス等。
曲刀の一種で、鎌剣の名の通り刃が湾曲の内側にある。
「切り落とす」ことに特化した武器で、基本的に直接攻撃するのではなく、暗殺等に使用される。
鎖鎌 種別:特殊
斬:○ 打:○ 刺:×
攻撃:○ 防御:× 耐久:× 間合:◎
農具の鎌に鎖分銅をつけた武器。
主な形状は鎌の頭端部に鎖分銅を取付けたものと、柄尻に鎖分銅を取付けたものの二種類。
一般的なイメージは柄尻に鎖分銅を取付けたもの。
鎌の頭端部に鎖分銅を取付けたものはフレイルの柄頭に鎌の刃が付いているものをイメージすると近い。
フィクションでは主に忍者等が使う暗器として登場するが、実際は帯刀の許されない農民、職人、商人等が護身用に使用していた一般的な武器。
鎖鎌術は武芸十八般の一つにも数えられ、様々な流派でその使い方が研究されていた。
最初は扱いにくいが、熟練者が使用すると手に負えない、非常に厄介な武器。