異世界への入り口
学校からの帰り道、ふと気が付くと僕は草原にいた。
このままぼんやりしていても仕方がない。
僕は2つある太陽のうち、大きい方に腕時計の短針を合わせ、南へ向けて歩き出した。
* * *
異世界への移動にはいくつかのパターンが有ります。
もちろん例外もありますが、多くの場合は以下のいずれかに該当するでしょう。
1.召喚
最もオーソドックスなパターンです。
何処かの誰かが世界や自国や自分自身を救うために、あるいは利益のために、強制的に呼び出されます。
特殊能力や特殊な知識などを当てにして呼び出すのでしょうが、そういったものを何も持っていないことも多く、そういった場合は追い出されたり、酷い場合は消されそうになったりします。異世界酷いですね。
最も制約が多く、状況も追い詰められている場合が多いので最もキツいパターンとも言えるでしょう。
2.転移
神隠し的な現象で、異世界に迷い込んでしまうパターンです。
自由なのはいいのですが、召喚と違って誰にも守ってもらえず身元の保証もしてもらえないため、かなり上手く立ち回らないとあっという間に野垂れ死にしてしまいます。
転移時に親切な神様的なものに何か貰えれば楽しい異世界ライフかもしれませんが、ふらっと迷い込んだだけで何の力もない場合、生き残るのは相当難しいでしょう。
3.転生
残念ながらあなたは死んでしまった。
でもご安心下さい。輪廻転生という概念がございます。
そういった感じで赤ん坊から再スタートです。
前世の知識を持ったままの場合が多く、何の才能がなくとも頑張れば結構なんとかなります。
頑張らなければ落ちぶれます。この辺はリアルでも一緒ですね。
特殊能力が色々もらえることが一番多いパターンでもあります。神様ありがとう!
4.憑依
残念ながらあなたは死んでしまった!(2回目)
でもご安心下さい! なんとココに死にたてほやほやのぴっちぴちの死体がございます!
というわけでちょっと特殊なケース、憑依です。
乗り移った体次第ではいきなり大英雄ということもあるかも?
最終的には元の人格と同化したり、体を返して自分は消えてしまうという悲しいケースも。