目覚め
人は人である限り、信じ続けることは難しい。
~世界の記憶 第2024章 第7節 14項~
「キシナミさん!」
「あ、おはようございます。」
「良かった…。いきなり倒れたから、私、もう…。」
「ハハハ…、大袈裟ですね。」
「む、目が覚めたのか。」
「すみません。ご迷惑かけました。」
「いや、無事で何よりだ。それで体のほうに異常はないか?」
「と、言うと?」
「君の体は異常な熱を持っていたのでな。」
「そうでしたか。不思議なこともあるものですね。」
「君はこのあとどうするつもりだ?」
「少しやることがあるので。」
「そうか、では俺はこれでお暇させてもらう。」
「はい。有難うございました。」
そして、兵士が部屋を出るのを確認すると、ベッドから出て、ステータスを確認する。
レイジ・キシナミ 種族 人間・神 ★
LV1 NEXT 0/25 HP 24500/24500 MP 64380/64380 解放率 2,445%
技能 数値 ランク
筋力 5077 F+ 敏捷 6239 E 耐久 7814 E+
魔力 10024 D- 精神 8017 E+ 感性 3016 F
魔法 名称 創造者
分類 超魔法
詳細 属性・範囲・効果など全てのものを一から創りだす魔法。
物質・道具・武器などの作成も可能。
使用可能一覧 名称/能力詳細・解説
第一段階解放/下級に属する魔法を創造する
七属性 MP120
その他 MP300
第二段階解放/思い描いた通りの物質を創る
実在する物質 MP350
架空の物質 MP700
第三段階解放/複数の魔法・物質を創造可能。
魔法 MP400x
物質 MP1000x
上限 8つ
スキル 名称/効果・解説
不老不死/老いることも死ぬこともない肉体、魂。
維持する姿は人生内で最も美しい姿のみ。
超越/元々の能力が人間を大きく上回る。また成長が早く、
獲得経験値が大きく上昇し、必要経験が大きく減少する。
神の力★/あらゆる物事を創ることができる。3か月に一回のみ。
先導者/人を引き付ける効果を持つ。常時発動。
観察眼/相手の行動を見きったり、相手の細かいところを見ることで相手の心を読み取る。
色々酷いな、これは。ステータスの上昇がちょっと酷いことになっている。もう敵居ないんじゃないかな。あと、これまでに解放されていた項目がいくつかまとまって一つのものいなっているから見やすくなっているのは助かる。それと、以前には見られなかった星マークが付いている。心辺りはないな。少し聞いてみるか。
「アーネさん。」
「は、はい!何ですか!」
「ステータスの所々に星マークが付いているんですが、何か分かりますか?」
「ステータスに星マークが付いているんですか?それはですね・・・」
聞いたところ、この星マークはスキルや魔法の熟練度のようなものらしい。使えば使うほど数値では見ることはできないが熟練度が上がっていき、ある程度を過ぎると星マークがついて効率とかが上がるらしい。不老不死に星が付いたらどうなるのだろう。
「あ、そうだ。」
そういえばさっきの場所で精霊みたいなのに体創るって言ってあったんだった。でも何も言ってこないから、要らないのかな。
「いや、欲しいよ、体。」
「キャッ、えっ、な、何ですか!?」
「何だ、喋れるのか。」
「え、あ、あの、キシナミさん?」
「どうしましたか?」
「い、今喋ったの、誰、というか何処に居るんですか?」
「ああ、それはですね…」
「私はさっきの進化の秘宝、正しくはこの町の中央にある木、恵みの木の種に宿っている精霊だよ。」
「そ、そうですか、でさっきの体って何ですか?」
「それはね…」
「この精霊が私と一緒に来たいって言っているので、この精霊の体を創ってしまおうってことですよ。」
「体を、創る?何言ってるんですか、そんなの、世界最古の錬金術師、アル・ミストニックにだって…」
「まあ、早いとこ頼むよ。」
「そんなに急かさないで欲しいな。」
よっこらせと体を起して準備に入る、と言ってもスキルを使うだけなんだけどね。
ステータスウィンドウを久々に視界の隅っこから引っ張り出す。次にスキルの使用を選択。本当は念じるだけでもできるらしい。それはそれとして、なにやら、ヘルプのようなものが出てきた。これに従えば良いらしい。創るものを思い浮かべる。すると、魔法陣が浮き出てきた。次の工程は、その時々によって変わるらしいが今回は床に押し付けるらしい。そのまま魔法陣の形に床に焼き印が刻まれる。これに魔力を流し込むようだ。試しに少し流し込んでみるが、全く変化がない。
「だから言ったじゃないですか。最古にして最高の錬金術師でもできないのに、私たちみたいな人にできる訳ないですよ。」
「別にそこまで言わなくても良いじゃないですか…。」
「あ、ご、ごめんなさい!」
「気にしてないけどね。しょうがない、魔力全部使う勢いで流し込んでみるか。」
「え!?今ので全部じゃないんですか!?」
「そうですけど…。」
「これだけ使えるだけでも魔法使い中級者辺りなんですけど…。」
「良いじゃないですか、できるんだから。」
「本当に何者何ですか?」
俺が何者かに関しては無視して今度は全力で魔力を流す。すると魔法陣が光って、次の作業は詠唱か。なんて唱えればいいんだろう。何々…
「ねぇ、もう少しなんでしょ?早くしてよー。」
「どうしたんですか?キシナミさん。なんか顔が険しいですよ?」
「あ、い、いや、ななな、何でもない。」
「そ、そうですか。」
こ、こんな恥ずかしいこと言えるかー!!
なんで詠唱がこんなに中二要素満載なんだよ!!軽いいじめだろ、これ!
「なぁ…」
「どうしたの?」
「やめていい?」
「なんで?」
「そ、それは…。」
「…」
沈黙が痛い。い、言うしかないのか、確かに、この世界の人たちからすればこの程度なんかあるわけでもないかもしれないが、魔法と無縁の世界から来た俺からすれば恥ずかしいことこの上ない。
「私は、今ここに神の名と力を持って―――」
もうやるしかない。詠唱に合わせて魔法陣の光が増す。
「無垢なる願いを聞き届け――」
光の粒子が俺を中心に集まりだす。
「心の宿る器を創らん――」
その光の粒子は収束し、
「私の力の一端を見るがいい――」
魔法陣に吸い込まれ、爆発的な魔力を解放する。
「《アンスティント・クリエイト》――」
部屋には光が溢れ、光が収まるとそこには一人の少女が立っていた。
「…はぁ。」
すごい倦怠感に襲われその場に尻もちをついて座り込む。少女は自分の体を確認しているようだ。さっきまで無理だ無理だと言っていたアーネさんは…
「………」
口をあけたまま放心している。少しすると少女が口を開く。
「ありがとう、キシナミ。でも服も創って欲しかったなー。」
そういえば何も着てないな。俺はほとんど力の入らない体で簡単な服を創る。疲れているせいかやけに時間がかかる。俺の創った服をきて少女は、
「んー、イマイチ。」
どこか不満げだった。せっかく体を創ってやったというのに、わがままな奴だ。
「これ以上は何を言われても無理だよ。もう疲れたしね。」
「えー、これからクエストとか行くんじゃないのー?」
「ギルドカード持ってないだろう。」
「今から作りに行けば良いじゃん。」
「先に名前を決めないか?呼び名がないんじゃ少し不便だろう。」
「じゃあ私が決めさせてもらうよ。んー…」
腕を組んで考え始める精霊。そう、見た目が少女だといっても中身は精霊だ。よってロリBB…これ以上は殴られそうなのでやめておこう。
「じゃあ、私のことは、ウルって呼んでよ。」
「名前の由来は?」
「あの木の名前からとったんだよ。今はもう木の名前を覚えている人もいないだろうから、問題ないと思うよ。」
「そうか、じゃあ行こうか。」
「うん。でもその人置いていって良いの?」
「あ、すっかり忘れてたよ。アーネさん、アーネさん?」
「…ッハ!?一体何が起こったんです?」
「細かいことは気にしなくていいよ、早くカード欲しいからね。」
「あ、はい。分かりました。で、あなたは?」
「私はウル。気軽に話しかけてくれていいよ。」
「よろしくお願いします。ウルさん。」
「じゃあ悪いんだけど、私は疲れてるから、ウルのギルドカードを作りに行くのに連れて行ってやってくれ。」
「あ、はい。」
そして、クエストに行くとか言っておきながらギルドカードを作って帰ってきたのは、もう日が落ちた後のことだった。
お気に入り登録有難うございます。
皆様のコメント、お気に入りで私のテンションがマッハ。