町ヘ
世界の記憶は話の内容とは関係ないです。
少年は生き続ける、そして置いていかれる。
~世界の記憶 第2025章 12節 1項~
「とりあえず、どっちに向かっていこうかなーっと、なになに?」
俺がどちらに進もうか迷っていると、またメッセージウィンドウが出てきた。
【LVUPによって習得したスキル・魔法の解析が終了しました。】
さっきのメッセージではスキルの習得は知らされてなかったと早速入手したスキルの確認をする。魔法も考えれば名前を確認しただけでどんなものか全く理解してなかったのを思い出す。
「便利なスキルだったら早めに役に立てたいからな。使いやすいのだといいな。」
レイジ・キシナミ 種族 人間・神
LV102 NEXT 23/366 HP 6720/6720 MP 28970/28970
名称・能力値・ランク
筋力 459 D 敏捷 337 E+ 耐久 702 C-
魔力 816 C 精神 677 C- 感性 389 D- 解放率0,00004%
魔法 名称/詳細 原初/貴方のみが使える唯一無二の魔法。
分類 全創造魔法
詳細 属性・範囲・効果など全ての物を一から創りだす魔法。
武器・防具・道具・武器にするための素材など様々な物質を創ることも可能。
使用可能一覧 名称/能力詳細・解説
第一段階解放/下級七属性魔法創造可能。通常の属性魔法も見よう見まねで習得可能。
制限:範囲が半径5メートルを超えるものは不可能。
形状は問わず、状態異常の効果は小さい。
七属性魔法/火・水・土・風・雷・光・闇の七種類。各属性の特徴は
火:物を焼き、炭化させる、または溶かす、爆発を起こすことも可能。
攻撃に使用した場合相手を【状態異常:燃焼】にする可能性がある。
水:水圧によって相手にダメージを与える。押し流すことも可能。
使い方によっては相手を溺死させることも可能。
土:地面などを操作し相手を吹きとばしたり、動けなくさせたりすることが可能。
物によっては相手を【状態異常:石化】にさせることがある。
風:相手を風の刃によって引き裂く。上空、その他さまざまな方向に
吹きとばすことも可能。
雷:上空から雷を落としたり、電気を地に走らせることも可能。
相手を【状態異常:麻痺】にすることもある。
光:強烈な閃光。相手の目をくらませたり、回復が可能。
ほかの魔法と組み合わせることで補助魔法になる。
闇:禍々しい力。相手を各種状態異常にすることが可能。
ほかの魔法と組み合わせることで弱体化の魔法になる。
第二段階解放/武器・防具創造可能。消費MP350
制限:火炎剣など武器や防具に属性、加護などを
持つ物を創ることは不可能。
第三段階解放/武器・防具創造時、属性持ちの物を創造可能。
第四段階解放/下級・思い描いた魔法創造可能。消費MP250
例:天空から隕石を降らせる、思考速度を加速する、
物を消滅させる、ステータスを詐称する、など
制限:効果範囲が半径10メートルに達する物は不可能。
第五段階解放/同時に3つまで下級魔法創造可能。MP消費250x
MP消費は2つ以上創造した時1つのMP消費が250となる
2種合成魔法創造可能。MP消費 創造した魔法の合計
魔法陣を2つ重ねることで強力な魔法を創ることができる。
第六段階解放/魔法の品創造可能。消費MP1200
魔法効果、加護など特殊効果を持ったものを創ることができる。
制限:1つのものにつき、付与効果は3つまで。
スキル 名称・ランク/効果・解説
不老不死・C/老いることも死ぬこともない肉体・魂。
維持する姿は人生内で最も美しい姿。
超越・E-/元々の能力が人間を大きく上回る。
獲得経験値が大きく上昇し、LVUPに必要な経験値が大きく減少する。
神の力・D/任意のMPを消費することでその消費MPに見合った
奇跡・事象を起こすことができる。
物理耐性・E/物理攻撃によるダメージを軽減する。
解析・E/相手の技、魔法、使っている物など様々の物の解析を行う。
ランクが低い場合失敗することがある。
行動予測・D/相手の行う行動を予測することができる。
一部のスキルによって無効果されることがある。
空間把握・D+/周りの地形、建物の場所、周辺の魔物などを
瞬時に把握することができる。
ランクが上がると把握できる範囲が広がる。
「…なるほど、使えそうなのは増えたな。でもランクを見るにまだ発展途上って言ったところかな。それよりも優先しないといけないのは早く町かなんか見つけてこの場所とかの情報収集だな。」
今のところ見えるところに町や村のようなものは見当たらない。もう一度自分のステータスを確認する。そして、
「この空間把握使えばこの近くにある町かなんか見つかるんじゃないかな。」
唐突にその考えに至った。まぁそうだろう。解説にすら建物の位置を把握すると書かれているのだから。そうして空間把握を使用する。すると視界の右上のほうに円が表示される。例えるなら食べ物大好きな蛇がダンボールに隠れて敵地に乗り込むようなゲームの、である。そんなことはどうでもいいとして、恐らく円上にちらほら映っている赤い点が魔物などの敵で中心から少し離れたところにある緑色の塊が町だろう。方角は東。どのくらいかかるだろうか。縮尺もわかれば良いのだが、そこはランクアップに期待しよう。
町の前まで着いた。見たところどうやら結構大きい町のようで門、さらには外壁までちゃんとしている。もしかしたら一つの国なのかもしれない。門の前には警備員のような人が中に入ろうとしている人を調べ、怪しい人物を中に入れないようにしているのが見て取れる。見たところ自分のように黒い髪の人も黒い眼の人も見当たらなかった。だが、俺には便利な魔法がある。これで見た目を変えてしまおう、という訳だ。早速実践、と思ったが普通の金髪ではつまらない。かといって赤い髪もなんかいやだ。紫っぽい黒でもいいがここは思い切って銀髪にしてしまおう。ついでに目の色も変えてみる。鏡を見ながら色々試してみること数十分。その結果少し、いやかなり厨二臭いが赤い目がしっくりと来た。これなら大丈夫だろうと、門の近くまで来てふとあることを失念していたことに気付く。
「中に入るために金とか必要だったらどうしよう…。」
そう、金だ。そもそも考えてみると色々な問題が出てくる。何処から来たのか、身分証明証も必要だろう。もしかしたらステータスから確認されるかもしれない。そうなればいろいろと面倒だ。さて、どうしたものか…。さすがに見たこともないものを創れと言われても無理難題である。ステータスについてはこちらの魔法で詐称することにして、問題は警備員、いや門番といったほうが正しいだろうか、をどうするかだ。色々と思考を巡らせてみるが何も思いつかない。
「よし、ここは思い切って…いや待てよ?さっきスライムを倒した時に出たこの赤い物体、これで何とかならないか?」
スライムを倒した時に出た赤い物体これを早速スキル「解析」で調べてみる。すると驚くべき結果が出てきたのだ。
名称・魔核 品質・B+
価値 約金貨250枚。
貨幣の価値について:貨幣は精霊貨、金貨、銀貨、銅貨の四種類に分けられており、
銅貨100=銀貨1枚 銀貨100枚=金貨1枚
金貨100枚で精霊貨一枚となっている。
結構な大金になるな、オイ!!俺すっげえテンションあがってきたぜ!!異世界来て貧乏だと思ったら一気に金持ちになった。何を言っているかわからないと思うが、っとそんなのはいい。これで金に関する問題はなくなりそうだ。
金という最大の問題はなくなったが、この町に入れるかは俺の言いくるめるだけの言語力があるかどうかによって決まる。だがいつまでも行動を起こさないわけにもいかない。ということで思い切って町に入ろうとしてみることにしたのだ。
「すみません、この門をくぐりたいのですが、よろしいですか?」
「ん、町に入るというならば、身分証の確認をする必要があるが、その様子だと持ってなさそうだな。ここで作ることもできるが、どうする?」
無難に話しかけたつもりだったのだが、向こうは随分な観察眼をお持ちのようで、身分証がないことをあっという間に見破られてしまった。
「できるのでしたら、お願いします。あの、お金のほうはどのくらいかかりますか?」
「そうだな、銅貨10枚程度で作ることができる。払えるか?」
俺は今、現金を持ち合わせてはいない。だが、
「今現金は持っていないので、この魔核を換金してもらえますか?」
「ん?どれどれ?…お前、一体どこでこれだけの品質の魔核を手に入れた?」
何か拙いことをしでかしてしまったのだろうか、そんな俺の気持ちとは裏腹に、
「これを換金したいと言ったな。そうだな、では身分証を作成し、その後金貨を300枚渡してやる。それでこの魔核を譲ってくれないか?」
「え、あ、はい。どうぞ。」
予想もしていなかった言葉についそんな気の抜けた返事をしてしまった。しかし、それじゃ本来の価値より高いぞ。
「じゃあ早速、身分証の作成に入る。この石板に手を置いてくれ。」
そう言って取り出されたのは、縦約40cm、横約25cm、厚さ8㎝程の青色に淡く光る石板だった。そして言われたとおりそのまま手を置く。うまく個人情報偽装できてるといいな、なんて思いつつ。手を置き始め、1分ほどでそれは終わった。手を離すと石板の中から出てくるように白いカードが出てきたのだ。書かれていた内容は次の通り。
キシナミ 種族 亜人(人間・?) 年齢 ?? 性別 無
職業 無 肌の色 白 髪の色 銀 目の色 紅
称号 謎多きもの
なんか一部おかしいところがある。絶対おかしい。性別が無いってどういうことだよ。有難うとお礼を言いつつ、とりあえず町の中には入れた。金も受け取った。焦っても仕方がない、まずは宿屋を探そう。