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東雲草の花言葉  作者: 水無月旬
第二章
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ぼくのなつやすみ16

昨日の出来事があった次の日、夏休み前日にして絶望を味わうかのごとくの主人公悠介。


 七月二十二日

 

「えー、夏休みでは、桐原(きりはら)校生として、部活でも勉強面でも明確な目標を持って有意義な生活を心がけ、また地域の自治活動にも…」


(長い!!)


 心躍らせる夏まであと少し!ってところで俺は校長の長話に心を悩ませていた。


 俺は耳から校長の話を受け流し、流しに流したところで、ふと一つの単語に引っかかった。


『有意義!?』


 引っかかるというより明らかに俺の心をそそってきた。


 有意義――価値のあるとか、文字通り意義のある。という意味だ。


 すなわち今校長が発した。『有意義な生活』つまり価値のある、充実した生活という事だ。


 高校生にとって充実した生活とは、もちろんあれなんじゃないか?



 そうだ。『リア充』だ。


 この校長はどこにでもいるわけでもないモテ男、または美少女だから成せる事項を一般男子(俺!)を含めた全桐原生に求めたのだ。


 あー忌々しい。


 ちょっと気になって二クラス隣のジュンを覗いてみる。


(あーあ)


 ビンゴだ。見事に寝てやがる。此処からでもスー、スー、と寝息が聞こえてきそうだ。




「ジージー」



 一学期最後の日。


 この忌々しさは気だけじゃないんだとささやかでなく豪快に告げる蝉と夏の暑さ。そして有意義さを求めんとする冷めた男が一人。要らない期待と叶わぬ希望の交差。周りから見ても一般性の象徴たる光景となっていた。





どーも水無月旬です。


短いですが、ここが第二章のプロローグ的なものだと思っていただきたいです。


それでは~

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