危険と焼きそば
何かをするために少し秋桜のそばを離れた悠介
しかし戻ってきたときには…
俺は戻ってきた。予定通りに二、三分で。
しかし秋桜の姿は、来た場所で見られなかった。いや、近くに来ると見えたには見えた。見え辛かった。
秋桜は大学生みたいな恰好の男性五人に囲まれていた。
「ねぇ、きみ歳いくつ?」
「十五です…」
「一人?一人だよね。ちょっと来てよ」
「い、いや」
やばい。これはやばい。明らかにベタなやり方ではあるが、秋桜さんがナンパされている。
畜生。こんなところで待たせてしまったからだ。秋桜くらいの可愛さじゃあ一人になった瞬間から男どもが絡みに来てもおかしくないのに。
俺が悪い。そんなのは明らかだ。
俺が何とかしないと…
正直怖かった。たぶん足が震えているだろう。けど今、秋桜はもっと怖い思いをしているのだ。そう思い俺は決意して手を力強く握り締めた。
行間
俺たちが今、危機に陥っているのにも関わらず、ジュンたちは?と言えば、祭りをそれなりに楽しんでいるようだった。
「秋桜っち行っちゃったね」
「ん?そうだね」
……………
「ちょっとは何か喋りなさいよ」
「お腹減った」
「ん?」
「お腹減った」
「………」
言っておくが、初対面でジュンと会話を成立させるなんて至難の業だという事だ。奴はボケている訳じゃない。これがジュンの普通なのだ。慣れるには結構な時間がかかる。
それでも東雲かんなは話を繋ごうとする。
「拓磨さん、何が食べたいですか?」
「焼きそば」
「それじゃあ行きましょう」
これはこれで、こいつらも割かし楽しんでいるようだった。
どーも水無月旬です
短くてすみません!
本当は繋げたかったのですが、ここでジュンたちの行方を書かせていただきました。
ナンパの書き方が少しベタ過ぎたのかもしれません。
水無月旬でした。