恐ろしい娘…
「ここがエルフの里がある森か…」
大きな森の前で感嘆をあげる
「早く行きましょう?私なら迷わないしね」
キャリルがサクサク入っていく
俺が無意識に索敵を広げると複数ヒットした
「そこの人間!姫様から離れろ‼」
一人のエルフがいい、数十名のエルフが弓を構える
「放て‼」
少しキャリルと離れていたのもあってか一気に矢の雨が降ってくる
視れば、魔力でコーティングされていた
「半径3mを我が領地とす。許可されず侵すもの、直ちに灰となれ《灰燼領地》」
俺を中心に下級結界をはる
結界に触れた途端、矢が全て灰となる
「我に敵なす者。我に危害を加えることを許さず」
攻撃認証で攻撃しようとするエルフは全て金縛りをうけた
「キャリル、これなんだ?」
アワアワと慌てているキャリルに聞く
「あぁぁぁ…ご、ごめん…なさい…皆聞き分けなくて…」
とても申し訳なさそうに頭を下げている
「姫様っ⁉薄汚いヒューマンにそのようなっ⁉」
エルフの一人が叫ぶ
「はっはっはぁ〜!イケメンは死ねぇい‼」
笑いながら雷針を飛ばして標本一歩手前まで追い込む
「えっ……ねえ…エルリガ…ソーシも………よね?」
「えぇ…それは…あれよ…気後れされて……だったらしいから……ね……」
「あぁ…なるほど…」
向こうでエルリガとキャリルがコソコソ内緒話をしている
俺の名前が聞こえたが気の所為だろう
「フン!貴様などの攻撃など喰らわぬわ‼」
すごい傷だらけでよく言えるななんて思っていたらキャリルが怖いくらいの笑顔で
「ねえソーシ?皆とO☆HA☆NA☆SI☆したいから少し借りるね?」
と言い広範囲殲滅系魔法《闇海》で包んでお話を3分ほどしてきた
3分後…
「も…申し訳…ありません…でした…」
生気の無い顔で土下座してきた
「え…キャリル…何してんの…?」
ガチで気になるな…キャリル…恐ろし娘…
「うーん?ただお話しただけだよ?」
可愛く首を傾げるキャリル
「まあいいや…あの?頭あげてください…自分ならもういいですから…」
地を頭につけるエルフに声をかける
「そうか……すまない…」
可哀想すぎる…もう、ほっといてあげようか…
キャリルは怖いと知ったある日のことでした