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みたまおと  作者: tomoya
第8話 停止
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 完全に時が止まるのは、十年後だ。南アメリカにある大陸まで順番に衝撃が来るだろう。地球の皮膜がすべて入れ替わる。人の細胞が百二十日ですべて入れ替わるのと同じように。

 コアは動き続け、皮膜はブレーキがかかる。


――再生する。幾度も繰り返したプロセス。細胞は分裂を再開し、星は分裂を再開する。生き続けよ。この星の循環を止めることなく、動かし続けるのだ。生産し、繁殖し、変化させ、この星の中に動きを生み続け、絶えることなく脈々と繰り返すのだ。


 君が動き続けることで、この星に生命があり続けることができる。神々は存在を維持して、その思考の中に永遠でいられる。


――伝えよ。生きることを、存在し続けることを、恐れることなく幾度も繰り返し、この星を止めることなかれ。死に絶えた星に我らは存在しえぬ。動き続けよ、変化し続けよ、繁殖し続けよ、生き続けよ、死を迎えよ、再生せよ。


――君が生き、君が死に、君が子を産み、君が食事をし、君が何かをなすことで風が起きるのだ。恐れるな、愛せよ、この星を、この時間を、この空間を、君自身を。


 認識。と感覚。と記憶。と感情。と自我。

 空間に神経線維が張り巡らされていく。白いクモの巣の中にとらわれ、羽毛が薄暗い空の上から舞い降りる。

 天狗は彼女をさらっていった。



――覚醒せよ。この星の上で幾度も目覚めよ。





 

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