序
父と母に捧ぐ
神に似たものたちよ
と く ん
知覚せよ
とく
その肉は受けたる光を感応し
と く ん
世界は確たる形を取り戻し
とく
記憶はよみがえる
と く ん
沈黙せよ
とく
記憶は我が肉にあり
と く ん
世界はこの肉の遺物にあり
とく
神をつなぐ経を焼き切りたまえ
と く ん
神に似た子供たちよ
とく
再生を迎えよ
と く ん
運命を迎えよ
とく
覚醒せよ
ど く ん
――二〇〇二年の記憶。
天使とは、天より遣わされたもの、という意味があるのだろう。
空から来るのだから、翼がなくてはならないと考えたに違いない。キリスト教の経典では、旧約聖書「イザヤ記」にて、その羽は六枚あると記載されてしまっている。有名な天使といえば、ガブリエルだろうか。処女懐胎を聖母に告げた使者である。
彼らは空から地上へ、何を伝えるために来るのだろうか。
神は……この世に何のために存在し、この世界をどこへ向かわせようとしているのか。
人間の存在理由を彼は語るだろう。だからこそ、人間は彼を求める。不安定な存在ゆえ、より確固とした証が欲しい。己の存在する証を求め、その存在を信じ続ける。人間の存在には何の意味が与えられているのか。
だが、誰もこんな答は求めていない……この世界に、お前なんていなくても構わないのだ、と。
神を信じるものは、自分が神に唯一絶対に愛されているという証が欲しいのだ。世界のあるがままの姿なんてどうでもよい。
――お前が必要だ。
ただ、その声を待ち望んでいるのである。