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出会い

俺はビルの窓から、奴が出てくるのを待っていた。

もう、一時間は待っている。

狙撃の基本は敵が現れるまで身動きせず銃を構えていられるかが大事だからだ。

三時間後、ターゲットが出てきた。

俺はワルサーWA2000の標準をターゲットの頭に合わせる。

パンッという音とともに弾丸が奴の頭に向かっていく。

狙い通り奴の頭を打ち抜いた。これで依頼完了だ。

俺の名前は五十嵐琉斗 (いがらしりゅうと)殺し屋だ。



1ヶ月後。

「ここは保育園じゃねぇんだよ!」

俺は笹木に怒鳴った。

笹木は俺の数少ない友人であり、凄腕の情報屋だ。

「そこを何とか、なぁ頼むよ。」

笹木は頭を下げて言う。

俺達が何故こんな話しをしているかというと、この男自分の娘を俺に預けようとしているからだ。

笹木には9歳の娘がいるのだがそれを一週間預かって欲しいと頼んできたのだ。

「お願い、おまえしか頼れる奴がいないんだよ。」

「そんなこと言ったって依頼はどうするんだよ、後二件残ってるんだぜ。」

俺がそう言うと笹木は申し訳なさそうな顔をした。

「でも、もう連れてきちゃったんだよ。」

そう言うと、笹木はおいでと言い娘を部屋に入れた。

「だから、連れてきたって俺は預からない・・・」

俺は途中で言葉を止めた。

目の前で少女が泣いているのだ。体も震えている。

「・・・分かったよ、一週間だけだぞ、それ以上は面倒見ないからな!」

こうして俺は笹木の娘を預かることとなった。


「おい、おまえ名前は?」

笹木が出て行った後、俺は目の前の泣いている少女に話しかけているが少女は泣いてばかりで話してくれない。

「はぁ、参ったな・・・。ほら、もう怒鳴らないから。」

・・・。なにも反応がない。

仕方ないのでソファに座りテレビを見る。

「・・・ナオ。」

「はぁ?」

「笹木奈央 (ささきなお)。」

初めて少女がしゃべった。

「あぁそうか、これからよろしくな。」

「・・・。」

また反応がない。

仕方ないのでまたテレビを見る。


十分たったがまだ奈央は立っていた。

「なぁ、座ったらどうだ?」

・・・。また反応がない。

しばらくすると俺の隣に座った。

「うっ、うぐ、うわぁぁぁん」

突然奈央が泣き出した。

「どうしたんだよ?」

訳がわからない。だから子供は嫌なんだ。

「なぁ、何で泣いてるんだよ。」

俺が聞いても奈央は泣いてばかりで答えてくれない。

ほかっておこうと思った時だった。

「おじさん。お父さんを助けて。」

奈央は泣きながらはっきりと言った。

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