ep.05 佐藤舞さんは凄い?
2024年4月10日 東京千代田区
*)佐藤舞さんは凄い?
時は入学式の終了直後へと巻き戻る。これぞまさしく「過去改変」と言うのだな。
カリキュラムの前に佐藤舞さんからアドバイスを頂いた。今年度の一期生の講義は奇跡だと言ってウルトラCを教えてくれたの。
「今年はね、奇跡が起きたわ。」
「はい、私が首席で入学ですよね、これ以上の奇跡は…?…違うのでしょうか。」
はい、いつものように私の脳内細胞に???の連打が起きた。
「それは貴女にとっての奇跡ね。間違ってはいないけれどもね。聞いて聞いて、」
「はい♡」
「癒衣ちゃん、その潤んだ瞳~……あ~痺れる~♡」
「嘘です、本題はなにかしら。」
「そ、そうだったね、土曜日は休みに出来そうなのね。必修科目が無し”……凄いと思わないの?」
「でも講義はたくさんあるのですよね?」
「そうよ。でもね、よ~く考えて。癒衣ちゃんがさ、講義に出なくても点数が取れる科目はあるかしら。」
「確実なのはドイツ語かしら。でもこれは必修科目でしょう?」
「癒衣ちゃん、出来るわよね。壇上で自論をドイツ語でぶちまけたでしょう?」
「あ、はい。とても恥ずかしいです、黒歴史になります。」
「だからドイツ語だけだからさ、他もなんだか楽な科目を選択しておきなさいよ。」
「はい?」
「だ~か~ら~……気が向いた時だけ土曜日は出て来て受講すればいいの……よ?」
舞さんが首を傾げて言う仕草が可愛いと思う。私も真似てみたいとは思ってもキャラ違い、逆に呆れた返事をしてしまった。
「……あ~はいはい、理解した。」
「理解したした……の?」
「はい、アハハ……なんだ佐藤さんって頭が良すぎよ。」
「ありがと、だから土曜日だけは楽な科目を選んでチョ!」
「はい、ありがとうございます。」
と言う訳で土曜日は自主休校といたしました。大学へ行く用事が出来たら序でに受講とか、アラフォーならぬアラワンみたいで素敵かも! 女の人に対して「アラ……」は酷いと思う。あくせくして働くのはアラサーまででいい、アラフォーからは悠々自適でいいじゃん?
「癒衣ちゃん、バカなの?」
「はい、自分でもそう思います。」
「頑張って!」
「いってきま~す。」
こうやって抜けた返事をするからバカみたいに思えるから、自分でも可笑しいと感じた。
【ププッ……ププッ……】
「あ、お姉ちゃん!!」
【代表挨拶したんだって? 偉いぞ癒衣!】
「もう、お姉ちゃん、何処で情報を得たのかしらね。」
【ふふ~ん凄いでしょう】
お姉ちゃんからメールが届いて嬉しい、いつものように返事は返しておいたよ。
【後日消去文章】
実はこのような手法で文字数を整えているの。だって入学式の日は五千文字を超過していましたからですね。
日付の後に書いていた「東京千代田区」は省略し、書くとすれば地域外の時だけといたします。
さて、次の物語に続けるにはエピローグを考えて書かなくてはならない。
2024年4月20日……自転車を購入した。
この大学は祝祭日に関係なしの講義がある。心穏やかに過ごせるのは日曜日だけだった。大型連休前に気が付いて良かったと胸をなで下ろしもしたが、五月の連休が休みではないだなんて胸が支えそうだ。
大学と自宅の往復の毎日にも慣れてきたが、途中に立ちはだかる防衛省に腹を立てる。遠回りの道しか通れないからで、片道の三キロは暑くて堪えるから自転車を購入した。良くも悪くも日傘が使えないのはちょっと苦しいかもしれない。
自転車は盗難防止の為に折り畳みが出来るタイプで小っこい自転車を選ぶ。これだと部屋に運び込む事が出来る。自転車を漕ぐ……脚が細くなっていたのが元にもどったか?
散歩の幅が増えたと少し遠乗りをすれば「神田川」の看板が目に付いた。自宅マンションの前は神田川ではなくて、新見附濠だというではないか。お城の外堀だよと教えて頂いた。
やはり東京は人が多いと実感できた日でもあった。医学部の勉強はとても手強い、缶ビールは大学よりも早く卒業してしまった。代用は……プリンよ!
自転車の理由……ど田舎の女の子に電車バス地下鉄なんて乗れっこないからだよ、もうバカにしてくれてもいいよ~だ……べ~!!
大体がバスで乗り過ごしておいてさ、「降り過ごした」なんて言うのかな?
【後日消去文章】
売り土地の坪単価が=1260万えん~? これで親が死んだとして¥300万の相続税が子に課せられたとしたら? 中学校の女の子が両親と死別したら……払えない税金に列車に身投げをしなくてはならない。こんな政策を続けていたら東京はマンションだらけになってしまい、将来は朽ちたマンションの再建も出来ない、老朽化マンションだらけが林立していく。売りに出されたマンションを買う中国の富裕層は賃貸に出すだろうから、もう「チャイナタウン化マンション」となってしまいそう。将来の東京は中国の富裕層の為にあるようになるのか? 幸いな事かもしれない、百五十年に一度の大地震で朽ちたマンションは潰れていくだろうか。それからの土地は誰が買いあさるのか……誰も分からない。地盤沈下が進んで行きそうな予感がする。もう次の震災が起きたら大火災が発生するかもしれないぞ。何故って東京の地下は日本でも有数の天然ガスが眠っているからね。
こんな事を書いても次の「異界」の案は浮かんでこなかった……という落ち。
思いついたからと必死になってキーを叩けばエディが「氷結?」次にエンターを押せばよ、諸共綺麗さっぱりと消えてなくなった。今月は二度目だぞ。だから……腐る私は……となる訳だ。癒衣が腐っているのではない。
2024年4月21日……デートのお誘い
腐る私を見つけて金色のレモンで刺激を与えてくれた佐藤舞さん、ありがたいとは思うものの、全大学内に聞こえるような呼び出しは止めて欲しいと願う。神田川の船の旅に誘って頂いた。またまたの女の子のデートに誘って頂いたぞ~♡
「学生のお呼び出しを致します、癒衣さま、本日中に学生課の受付まで起こし下さい。繰り返します、」x2
大学の設備を私用に使うとか慣れたものなのか?
「もう~佐藤舞さん、恥ずかしい呼び出しは止めて下さい。」
「良かったわ~癒衣ちゃん。あのね、」
「はい、」
「二十八日の日曜日だけども、予定は、」
「空いていますよね。」+「塞がっています!」=「え? なんて言いました?」x2
「クスクス……。」
私たちのやり取りを聞かされて思わず吹き出して笑う女性がいた。訊けばこの女性は、佐藤舞さんのこんなに砕けた表情は初めて見てつい可笑しくて笑ったと言う。この女性は佐藤舞さんとは仲がよろしいのよと言うではないか。
「うん、実はねコノ田所さんを誘ったけれども……断られた!」
「で、それって代役なんでしょうか、勉強していた方が幸せなんですが。」
「あら……えぇっと~癒衣ちゃん、強がりを言って~。本当は行きたいのでしょうが、素直になりさい。」
この時点で私はどうしたらいいの、佐藤舞さんは私を何処に誘おうとしているのやら判りません。もう一人の女性は田所さんという。
「あの~烏滸がましいようですが、私に豪華デナーのホテル付きですか?」
「田所さん、烏龍茶をお願いします。」
「え~水滸伝と引っかけているのね、却下よ。」
「ホテルのプール……行きます、行きたいです!」
「……、」x2
「違いました?」
「あら? 言わなかったのね、ごめんなさい。」
「早とちりのせっかち~。」
「フン、あんたが断るからでしょうが。でね癒衣ちゃん、神田川で船のクルーズよ、東京見物に連れて行ってあげるわよ。」
「わ~ありがとうございます。是非にお願いします。」
「佐藤ちゃん、押されていませんか?」
「アハハ……そうみたい。喜んで貰えそうで何よりよ。」
「と言うことで癒衣ちゃん、う~んとご馳走になってきなさい。」
「はい、喜んで。わ~何を着ていこうかな~♡」
帰宅してね、嬉しくてついお姉ちゃんへメールを送るも返事はなかった。すこし寂しいかな。
と言う事で、神田川クルーズ周遊90分コースのデートへ誘って頂いた。まだお友達をキャッチ出来ていない田舎娘には佐藤舞さんが唯一のお友達へと格上げされた。
日本橋の袂から船が出ると聞かされたからね、帰宅する前に脚を延ばしてみたんだ。結果、
「もう~私のドジ~迷うならば来なければ良かったな。」
通行人に訊いても聞いても聴いても行き着く事が出来なくてギブアップ! してしまった。都会の道は険しい、田舎の一本道の山道よりも険しく感じてしまった。デートの日はタクシーの周防さんに電話をしようっと。
2024年4月28日……神田川の船デート
スマホへ電話したらね……お休みでしたが自家用車でお迎えを頂いてさ、要らぬ意味で佐藤舞さんの目を開かせてしまいました。
「癒衣ちゃ~ん、ここよ。」
「あ~お待たせ~佐藤さん、」
「こんにちは。」
「ぅわ……?……お父さんなの?」
「あ、いえ、周防さんです。タクシーの運転手さんでここまで乗せてきて頂きました。」
「へ~……やるのね。」
「いえいえ勝手に出て来ただけですよ。では帰りますんで、また呼んで下さい。」
「すみません、ありがとうございました。」
「周防さんも乗りませんか?」
「佐藤さん、迷惑だと思いますよ?」
「いや~独り身です、よろしいでしょうか。」
「独身者は却下です。」+「はい、どうぞ!」=「なんて言いました?」x2
「アハハ……息がピッタリですね。」
「どこが、」x2
「ほらね。」
観光シーズンで席に空きはないはず、だがこの周防さんはチケットを買って来たではありませんか。
「買えましたよ、ご一緒させて頂きます。」
「嘘!」x2
「いえいえ、これは奥の手があります。秘密ですよ。」
ま~顔パスの類いなんだとは思うわよ、でも手口が判らない。誰かを神田川へ落としたりしていなければいいのですがね?
「そんな物騒な手札は持ち合わせていませんよ、年間パスポートですよね。結構な値段もしますが重宝もしています。」
すみませんが年間パスポートなんて嘘であります。
「どうしてでしょうか、分かりません。」
「観光タクシーも兼用していますから、客を急に船へと押し込む事もあります。」
それで詳しく聞いたのは船の上になってから。理由はお昼の食事と休息だそうだ。それに、お客様に合わせて高級レストランや料亭には行けないからと言われたが、これまた意味が解らない。
もしや目覚まし時計付きの九十分のお昼寝か~?
私の想像タイムを破るメールの着信音が聞こえた。【ププッ……ププッ……】とお姉ちゃんからのメールが届いた。画面を開いたら……【バレンタインジャンボ宝くじは当たったの?】素っ気ない文面に宝くじの事を思い出す。
「……ま~だだよっと……送信。」
少し離れていた佐藤さんが私のメール着信に気がついたらしく、近寄ってくる。
「癒衣ちゃん♫……誰から?」
「ふふ~ん、お姉ちゃんだよ♡」
「なんだ彼氏じゃないんだ。」
「がっかりさせてごめんなさい。見つかったら報告するよ、……いや秘密にしたいな。」
「ダメよ、私が観て判断してあげます。雑魚を掴んだら私が奪ってやるからね。」
「そうして捨てるの?」
「当たり前でしょう、癒衣ちゃんにふさわしい人じゃないと許せないわね。」
「イヤだ~佐藤さんの好みと被ったら大変ね、佐藤さんの好みは?」
「誰でもいいわよ、まだ彼氏いない歴、言わせないでよね。」
「聞きたいな~幾つなの?」
「な~いしょ、だよ?」
周防さんは夜勤明けだけあってか、ベンチに座って船を漕いでいる……え?
今日のデートで驚いたわね、神田川に架けられる橋は横断橋だと思っていたらよ、縦断する長い橋にお空が見えない~。青天の架橋は晴天と軋轢だとついつい考えてしまったわ。
戦前から在る石垣の隙間に青い手袋が見えていて、それで道路に手首が~って驚いた中学生の自分を思い出したな。
その手袋は直ぐに沈んだから不思議だったかも。
「見つけた……。」
始発兼終点の日本橋に到着してみればどうよ、目の前をキリントラックが走行しているのが見えた。東京ってはとバスだけじゃなかったの?
「嘘!」
「あら?……癒衣ちゃん、どうかした?」
「えぇ……キリンが走っていました……。」
「嘘!」
「ハハハ……佐藤さん、別に珍しい事でもないが、私も数回しか見ていませんね。」
「嘘よ!」x2
「白川さん、どうだいタクシーを借り切って都内観光は。」
「ありがとうございます。贅沢過ぎますのでチャリで散歩します。」
「あれ~嫌われた?」
「周防さん、もっとマシな口説き方がある……いえ、癒衣ちゃんには手を出さないように。」
「はいはい、二人とも……歩いて帰りなさい。ではこれで、」
「あ、あ、あ~~……(モヤモヤ)。」
「癒衣ちゃん、早いけど夕食を食べて帰るわよ。」
「え~……お願いします。」
「わぉ~それを言うか!」
「はい、苦学生が……お世話になります。」
「黒豚トンカツね、いいわよ。」
「ありがとうございます。」
「俺は~?」
「ダメ!」x2
私たちは周防さんと別れて近くのレストランへと行った。そこで最近の悩みを相談したのはいいが、当たって砕けろの玉砕覚悟が必要だと言われて落ち込んだ。私は悲観的な性格が強くて押しに弱いらしい。別な言い方だと内向的で表に出たがらない性格かしら。最悪でもないが中の下かしら。
「佐藤さん、女の子を掴まえたいのね、どうしたらいいの?」
「え?……癒衣ちゃんは女の子が好きなの?」
「違うわ、お友達が誰もいないの。少し寂しいかも。」
「どの子も素敵な学生だけだからね、誰かにぶつかればいいのよ。」
「……そうします。」
そうしますとは言うものの自信はない! 本当につまらない人間なんだろうか、ど田舎と何処が違うと言うのかしら。




