ep.03 入学式
二話分です。
2024年4月5日 東京千代田区
*)これぞ青天の霹靂?……入学式の数日前とか可笑しいような? 依頼を受ける
田舎から越してきて忙しい毎日を送り出した白川癒衣が主人公だ。大学へ進んでも英語は常に勉強あるのみだから楽は出来ない。付近の買い物情報は調べなくてはならいものの、徒歩で歩いて探すのには骨が折れた。
併せて田舎から沢山でもない荷物も送っていた訳だし、これらの梱包した段ボールも順次開けて部屋や納戸へと収めていく。元々が独り暮らしという事もあってか、別段不足するものはあったが欲を出せない。
私の気分は東京ガールの華の気分だ、そこに抜け作が居ただなんて思いもしなかった。それもこれもお姉ちゃんが教えてくれないから悪いんだよ。……きっとそうよ、そうに違いないわ。
五月の中旬には、お陰で大学を休んで家も無い故郷へと帰省する必要が出来てしまった。
そんなこんなの時に大学から電話が掛かってきたんだよ、内容を聞いて二言目と同時に頭から角が生えた! 今は電話の入る少し前の時間、それは大学の事務所の風景から始まった。
❖ ❖
事務局長が今年度の首席の人物に新入生代表の挨拶を依頼した訳。毎年の恒例だから過去において躓いた事がなくて、今年もか~と軽いノリで首席に連絡した。ま~それは別段不思議ではないが、玉砕されたの。要はイヤよの一点張りで電話さえも切られてしまい、以後、電話するも出て貰えなくて案件が佐藤舞へと下ろされた。
それから数日が過ぎている。案件が案件だけに佐藤舞も慌てる事はなくても、とても気が重くて尻も重くなって動きたがらない。
「早く連絡した方がいいと思うよ。」
「う~ん、この子よね~気が重いわ。」
「佐藤舞。あんたにはさ、本当に同情すら覚えてきたわ。」
「フン! 人の苦労を面白可笑しく笑える身分は、はぁ……素晴らしいわね!」
「アハハ……首席からは見事に玉砕されて……アハハ……、」
「笑うな、煩い黙れ。玉砕されたのは事務局長よ、私じゃないわ。」
「そうだね、調子のいい男だからさ、嫌われたのかな。可哀想にね。」
「何が可哀想よ。私の今は尻拭いを押しつけられている訳……分かる? 分かるわよね!」
「うんうん頑張れ~可哀想な舞ちゃん。で、今から電話するんだ。」
「そう、とても気が重いわ。アレの不徳とする事で第三者が迷惑するのよ?」
「穴埋めの方法なら一緒になって考えていいよ?」
「うん、頼りにしている。」
「癒衣ちゃんには、神田川の船の旅なんてどうかな!」
「そうね~考えてみるわ……学食ね。」
「安すぎない?」
「いいのよ、社会のワルを身を以て体験出来るのよ?」
「あ、あの子の印象から見てね……泣き落としに弱いと見た!」
「?……そりゃどうも。」
佐藤舞の心中としては本当に心苦しいという感情が渦巻いている。田所さんが言う処の「泣き落とし」だが、田所さんと白川癒衣さんと面識があったのかしら?
「ねぇ、どうしてあの子が泣き落としに弱いのよ。」
「入学金の納付で相談に来たじゃない、あの時は少しシュンとしていたからね、そう感じただけだよ。」
「あ、そうだったわね。その手で行くかな。」
「癒衣ちゃん。可愛そうだと思うけれどもね、貴女が二番手に付けるから悪いのよ。お姉ちゃんを悪く思わないでね。」
❖ ❖
別に面倒でもない用件は二つ返事で応じているが、姉の依頼はいつも唐突だった。特に面倒事は私がイヤだと言えば、縋り付くように私へ用件を押しつけてくる。お願いよ~癒衣ちゃん! 私はイヤだ! と言って突っぱねるも最後は大好きな姉貴だからさ、姉の泣き落としには弱い訳よ。
そんな事が、今、まさに、私へと、向かってきていた。
事を重く受け止めたら入学式の数日前とかおかしいような? 依頼を私は受ける。
入学式の数日前になって学生課からありがた~いお電話を頂く。授業料の不足はないからね、きっとあれだ! 優等生だからと半分を返してくれるとか、イヤ~ン想像力が過ぎたようね。でも電話の理由がよ、聞けば二言目でお断りを入れた。だが、受付の女性は上から命じられている事から、私の意見や都合は受け付けられない、と言いながら泣き出してしまう。
「そこを……クシュン……お願いします。」
「ですが、私だって嫌なんですよ。学生の自主性は認めて頂けるのですよね。」
「はい……グシュン、私としましてはどうしても……クシュン……。」
私は大学の申し出を頑なにお断りをした。対する受付の女性だって譲れないから最後は涙声になってしまう。
所謂、私が年上のお姉さまを泣かせてしまった。
「申し訳ありません。」
釣れたぞ……by佐藤舞。
「申し訳ありませんと言われた、とにかく出てきて頂きます。がくちょう~の~命令なんですよ~お願い~。美味しくないお昼をご馳走いたします!」
……美味しくないとは頂けないな~♪
「泣かないで下さい……わ、分かりましたわ。貴女には決定権が持たされていませんものね。」
「はい、新入生代表の挨拶文は生徒に書かせて用意させます!!」
「え?……それでいいのですか? 確かに書き上げる才能は田舎の根雪に敷き込んで来ましたが……。」
思わず釣られてしまったか……by白川癒衣。
「では、原稿も書いて頂ける……ありがと~……。」
「は……いえ、私はその……それが嫌で……、」
「ございましょうが、明日は学生課まで。お待ち申し上げます。」
「はぁ……。」
と電話を切れば私は、とてもはしたない言葉が口をついて出る。
「ざけんな、何がお待ち申し上げますだ、う~誘導に引っかかったよ~クシュン。」
こんな泣き落とし作戦に見事引っかかった訳だが、何処かしら姉貴の手口に似ていると思った。偶々だと思ったから深くは考えもしなかった。
今度は自分の方が泣きたい心境になったよ、私は他人の押しにも弱いんだと理解した。高校生だった時は女友達だしカラオケに行こうと誘われても、医学部受験という魔法の言葉が利いていたんだね。
大体がさ、カラオケに行くとしても汽車に乗って隣街まで出て行かなくてはならなかったの、おいそれと行けるかっつ~の!
お陰で入学式に着ていく服がない、これが一番の困りようだわ。もう学生課へ行って辞退するしかない。でなければ服を買って頂きたいわ。
でも私の脳内細胞はお花畑……花が咲いている。
新入生代表だったら……素敵な先輩が私を見初めてくれて……温泉旅行なんて行けたら最高だろうか、恋人と婚前旅行!! いいかもしれないな。もう百合の花気分に浸れて幸せ!
以後、東京都千代田区が自宅で本拠地となる。
❖ ❖
翌日になり学生課を訪ねた。はい、決定である。学生課の受付さんは私を学食へと誘ってくれて定食をご馳走してくれた。
「これ……意外と美味しい♪」
「でしょう? こちらも女の子を相手にしていますから、最低の味は保証しているのですわ。」
「餌で釣れるのでしょうね、メニューも豊富にありますし素敵です。」
でだ、「学内散歩へと毎日のように通ってですね」と熱弁をも振る舞われ、「学食を食べて毎日の食費をお安く抑える」ようにと知恵を授けられた。
「癒衣ちゃんに合う馬もいますわよ?」
「当て馬……?」
「いいえ馬術部です。珍しいものはESPでしょうか?」
「まぁ超能力!」
「残念だわ、エレキギターでした。外れですからお支払いはお願い。」
「うそ~……。」
「うふふ……。初心ですわね?」
「もうイヤ!」
部活なんて出来ない、帰宅部で勉強するのみ。
「今日から頑張るぞ~♫」
またまた翌日に私は佐藤さんに泣きついた。
「佐藤さん、辞退させて下さい。着ていく服が見当たりません。」
「んまぁ大変だわ!……そうね~今日の帰りに付き合います。上司に文句を言わせて頂いて癒衣ちゃんを無事にエスコートいたしましょう。」
「……お金も?」
「あ、……いいわよ。私が用意します。」
「わ~ありがとうございます。」
私が学生課を離れれば、
「ねぇ田所さん、この前の九百万から二十万を返してくれないかな。」
「もう……自分で用意するよね、そう言ったよね。」
これはもの凄い越権行為である。佐藤さんは先にATMへと走ったらしい。
「クソが~ここは絶対に削除させてやるのだからね……フン!」
佐藤さんとデートした。
今日は帰りが遅くなったが無事に素敵なスリーピーの服を買って頂いた。服のお礼はハンバーガーをご馳走して適当に口を濁しておいたが、帰る途中で赤面してしまった。
「口を濁すって間違いだわ、言葉を濁すだったな。お口汚しと言えばよかったな。」
ここいらは後日の削除対象に値しようか。
2024年4月7日……怪奇現象が確定した日。
……ピンポーン……と呼び鈴が鳴らされて、すわお姉ちゃん!! と喜べば? 今回も同じだった。だから文章も同じよ、悪いかしら?
呼び鈴が鳴らされるのは決まって夕方の日没後だ、勉強部屋にいたら鳴らないとか見張られて居るようで気持ちが悪い。
2024年4月10日……入学式
私は捻くれていたのだろう、代表の挨拶は全部をドイツ語で話してやった。日本語で述べるよりもさ、内容の手抜きが実に良かったんだ♪ 聞いている連中はほぼ全部よね、意味が解らなかったはずよ♪
無事に終えた。頭は真っ白になって自分がどういう姿勢で立っていたのかさえも思い出せない。でも良かった沢山の拍手を頂いた。私は悪目立ちをしてしまったの? その後は、誰からも声を掛けて貰えないのよね、どうして?
「今日はご苦労様でした。」
「は~い緊張してしまって何を言っていたのかが分かりません。」
そこは原稿通りでしたわ、と言われないだけマシかな。
「いいえ、とても立派でございました。」
「わたくしとしましても服の買いだしに、今朝は早くからお化粧までもお願いしてしまい、女の子失格です。」
「ご実家が医療関係ではありませもの、お支払いも大変でしたでしょう。」
ま~受付さんとのデートも普段着で冴えていなかったのは大きな減点だった。如何にもお金はありませ~ん……みたいな? 作戦だったわね。
「はい♡、全部が姉頼りでした。」
「まぁ……奨学金制度もあります、その時は相談にみえて下さい。」
「はい、是非卒業だけはいたします。あ、あ、あ結婚も予定に入れていません。」
「未来は確定でもありませんわ、パパが見つかれば……いえ、おふざけが過ぎました。申し訳ありません。」
「クスッ……いいえ、その時も相談に参ります。」
「いいお友達になりそう、今後もよろしくお願いします。」
「あ、はい。こちらこそ。」
私にもパパが付いてくれる程の美貌がある、と言いたいのだろうか。自惚れも烏滸がましい……。
それはあり得ない、田舎娘に投資はしない。ならば買う代金なのかと勘ぐってしまった。どこかの大っきな病院の息子の嫁に……これだと投資になるらしく、嫁への給与は無きに等しい世界だそうだ。入学早々にいい勉強になりました。
「教科書は膨大ですから分割して購入されて下さい。一度に買われても私はお手伝いが出来ません。」
「あ、そうですよね、アドバイスをありがと~……。」
この時は他にも有益なアドバイスを頂いていて、それが功を奏して利益を享受できる事ができた。
入学式が終わればカリキュラム、選択科目の決め方となる。クラス分けは掲示板にあるので大きな教室へと銘々が歩いて行く。
以下の一般教養を履修するとは全てが嘘です、他の大学だったら可能ですよ~みたいな意味で書いています。
必修科目とは別に息抜きと言ったら失礼だろうか、一般教養も履修しなくてはならない。大変だ、どうして医大生がお酒のコンパとかに行ける不思議さが分からない。私に「寄付金」という文字は存在しない、遊ぶという行いは……落第も出来ないというプレッシャーにしかならない。
大学の構内から自動車が出ていく出て行く……いいご身分の人は多いのだと感心した。私はタクシー代も視野に入れての節約モードの全開よ。
「重いよ~。」
紙袋を二つも提げて帰宅していく……重たいぞ。高校生だった時は自転車通学だった、冬で雪が積もった日は歩きだったが、それ以外で身体を動かすのは体育の時間だけだ。身体が鈍っていて鉛のように重たい。
誰ですか、食べ過ぎ~はって。……本当でも太っていませんよ~だ!
*)不可解な尋ね人
九段のマンションに着いた。
「あ~重たかったな、距離があると持てないと理解できたわね。」
「あの~白川さん……でしょうか。」
「ウキャ、……はい?」
「ですから白川……さん?」
「え、まぁそうですが……人違いでしょう。私は越してきて五日くらいです。」
「いえ、何時もいらっしゃる訳ではありませんでしたが、やはり白川遙子さんに間違いありません。」
「遙子?……いいえ、違います。重たいのでこれで失礼いたします。」
「気がつきませんでいた、二つとも持ちますので1212号室まで運んであげます。」
「1212号室とか違います。本当に……もう許して下さい。帰らせて下さい。」
「も、申し訳ありません。また日を改めて出て来ます。」
「ストーカー行為は通報しますよ、フン。」
腰の低い、老人まではないか、壮年だというくらいの男性から声を掛けられた。ラブ……ロマンス・グレーに趣味はないからね。
あ……逆投資先? を逃したとしたら失敗だったかも。
今日のお天気は曇天模様で、夕方にはまだ早いが辺りは暗くなりかけている。東京のお天気は晴れが多いと聞いてはいたが、曇天が多いのは季節の変わり目なんだろうね。
「ただいま~。」
……
当然だ、部屋から返事はない。まだ慣れない家の雰囲気に思わず構えているようで、寂しい時はテレビを点けるに限るわ。
どなたか、「ただいま~」と言えば「お帰り~」と言ってくれる人形でもオモチャでもいいから創ってくれないかしらね。直ぐに買い求めますからお願いします。
「みなさま今晩は、今日のニュースです。まず初めに……、」
「ヤなニュースはお断りね。あ~新聞を買って来ればって、夕食もまだだからスーパーへ行かなくちゃ。」
「今日もキラキラ、プリティユイが……はっじまるよ~♡」
「へぇ~東京のアニメ放送は……可愛いな~……。」
……ピンポーン…… ……ピンポーン……
「うわ~~さっきの人かしら、嫌だな~。声を出したらお部屋の番号がバレて終うわよね。」
モニターを見ても誰も居なかった。これでは怖くて出ても行けないな。それに私の部屋が1212号室だと何故知っていたのかも疑問だ。……もしかして引っ越しの人がポーチで話していたのを聞きつけたのかしら。
「煩いバカやろもうくんな!」
あ~私にも言えるのかと考えたら今日の代表挨拶は無駄ではなかった。応答ボタンなんて押すわけがないでしょうが、今宵は非常食に切り替えて自室へと向かう。
もう……近くで自由に買えるからとポテチーやらを買い込んでいる。嵩張るけど軽いし健康に悪いけれどもいいんだ! 高校生の間に素敵なボディを作っておいたから……いいんだ~♫
広いマンションだからね移動だって大変なのよね。部屋のドアを開放しておけばインターホンの音は聞こえる筈だ、やはり鳴らない。
勉強も、なろうのep.03も途中だがもう風呂入って寝る。お湯を張りに行って玄関の鍵を確認して自室へ。面白インターネットを見ていたらお湯は氾濫していて、ガス代に水道代を損した気分で湯船に身体を沈める。
インターネットは恐ろしい、ほんの数分のつもりが二十分・三十分だったりするからだ。これは文明の利器、勉学の邪魔でしかない。
スマホを手に取って仲の良かった友人へと馬鹿話を持ちかけて怒られた。んも~Hの最中って私には刺激が強すぎよ、でもいつもの声に断りの文言は嘘だと思った。シャイな自分ならば騙せるとか一年早いわよ。
あとで冷静になって考えたらよ、やっぱ……Hしかない?
*)何もない部屋……空っぽの心
お風呂から上がって髪を拭き上げている。暖房もかけて風に当てて乾かすには、それこそ風邪に要注意だろう。
「あ~ぁ、これが憧れた大学生なんだな~。いったい何処が違うのかな~。」
まだキャンパスライフは未経験だからこれから勉学と面白い事を見つければいいんだと自分に言い聞かせる。言う事を聞かないのも自分だから。これはホントよ、どうしたらいいんだろう。
まだ小さな目標が定まらないのが問題だろうか。
「早く右手を繋ぐ仲の良いお友達を作るのが最優先事項かな。」
あれ~右手に握った仲のいい冷たい飲み物はなにかな~。プシュッという音を立ててタブが破られる。タブーが破られた記念すべき日となった訳だ。
「これ、ビールじゃないし~発泡酒だし~。ま、いっか!」
「ふふ~ん、美味しいな、お姉ちゃん……乾杯よ!」
【ププッ……ププッ……】
「わぉ、お姉ちゃんからだ。なになに……乾杯しているのよって、旦那と仲良しってか。」
私に合わせたようにして短いメールが届いて驚いた。この可愛いスマホは高校の二年生の時にお姉ちゃんから買って貰ったの、ふふ~ん……いいでしょう。
ここは後日になって驚いたんだが、靖国神社と皇居にほぼ隣接しているのだと知った。ならばマンションは億ションなんだ!
気が向いたら散歩してもいいかな、神田川にも遊歩道が整備されているし、川の底に地下鉄が沈んでいただなんて、それこそ水漏れはないのかと心配してみた。
「実技学科で落とされたら大変よ。追加で補習があればいいんだけども、絶対に次年度で再履修よね。」
病名に薬品の名前に効能に……オールマイティな先生は居ないのだと、その理由が分かったぞ。誰がこんな沢山の情報を覚えられるものか!
組んだ授業の時間割を見てため息を吐いた。
「ゲッ…プ!」
胡座を組んでベッドに座る、誰もいないとなれば女の子は卒業したようなものか。お化粧道具も買い揃えておかないといけないし、お化粧のやり方も勉強か~あ~女子大生ってつくづく大変な生き物だと理解した。
顔はコロナ禍だからマスクしておけばいい、学内は白衣を着ておけばいい。要は顔やツクリではない、勉強と脳みその問題よ。
明日から重たい教科書を持って歩くのか~大変……だ……zzzzz。気が楽になって良く眠れた。
❖ ❖
翌日は学生課に呼ばれて行ったら?
「白川癒衣さま、登校されてありましたら至急学生課までお越し下さい。」x2
呼ばれて行けば学生課の受付さんは私に更なるアドバイスをくれた。
「癒衣ちゃん……やっぱりか~。」
「はい?」
「女の子はね、この医大生と分かるような服装は禁止よ。立派なOL風の洋服とね、小さなキャリーカーを買いなさい。田舎者だと知れたら……いい? 悪徳医院のボンにね、いいカモにされるから。宗教は百パー禁止よ、特に法政のイケメン男は要注意ね。」
イケメン男は要注意ね……この続きを補足したら「あんたはおっちょこちょいだから簡単に騙されてしまうカモ」という意味なんだ、なんだか惨めすぎないか?
「ここにも素敵な男性はいますよね。」
「入学しておいて今更それを言うの?」
「あ?……はい。鋭意努力いたします。」
そうなんだ、ここは女子医大だから教授や助教授の男の先生以外はいないのかと残念に思った。女子医大に男の子は存在しない、気がつかなかったぞ。
今の私こそが「いいカモ」扱いにされてはいませんか? この人は何者なの? 田舎から出て来た乙女の頭は????だけが渦巻いている。
自宅近くの大学の話題が続き、
「授業は黙っていても受けられて……いいかもよ?」
「お隣の大学に潜り込んで授業? ですか?」
「女の子だもの、そこは役得でいいわよ、ウフッ?」
「はい。」
マスクはいいとしても、ノーメイクは絶対にダメだと言われた。お隣の大学に潜り込んで男漁りはいいのよ? みたいな事だろうか。う~んこの私にそのような大それた事が出来るものだろうかと考えてしまう。
「自己防衛よ、ここでは誰も貴女を守ってくれる人は居ないのよ。」
「はい、肝に銘じます。」
「お化粧よね、今度のお休みに付き合ってあげるわよ?」
「わ~ありがと~……。」
「それとね、いくら地下鉄に乗らないからと油断したらダメ。痴漢は何処にでもいるの、いくら注意しても足りないくらいだからね早く帰宅しなさい。」
ど田舎の山奥で育った乙女に痴漢という文字はない、そこは痴漢熊男と言われた方がより親身だと考えたぞ。
この受付の女性は「佐藤舞」と言って美人で可愛い。だがけっこうなワルの様子だ、毒されてなるものか。それと悪いと思いながらも入学式に着ていった服の代金は払っていなくてね、これくらいの腹いせはいいよね♪
私は東京の闇に片足を突っ込むのか? 注意しておかないといけない。
登校日の初日がこれで終わった、やはり長い一日だったと感じる。私に医大の学科に知識なんてありません、授業内容はお許し下さいね。by癒衣。
この章も後日消去文章が満載になっているから後日消去が大変だな。
次回は二十二日に投稿しまして第一部が終わります。第二部は三章だけと短いですがようやく下書きが出来上がりました。まだまだ試行錯誤の最中です。
それとですね、大学入試などは大きく間違っているでしょうが、そこはお許しください。




