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第20話: 「夢か現実か!?異世界全土を支配した経済魔王の正体!」


「ふぅ…これで異世界全土を支配したってわけか」


香織はオフィスの窓から見下ろしながら、深い息を吐き出した。今や彼女の手によって、異世界の全ての国が経済的に支配されている。悪徳貴族は次々に淘汰され、王族ですら香織のアドバイスに従うしかなくなった。


そしてその影響力の拡大により、いつしか「経済魔王」と呼ばれるようになっていた。


「いやいや、魔王とか言われてもね。私、ただの経営コンサルタントなんだけど?」


香織は肩をすくめつつ、国王から送られた「魔王の名にふさわしい」という称号の書状を机の上に置いた。最初は冗談かと思っていたが、次第に異世界の全ての人々が、彼女を恐れ、敬意を込めて「経済魔王」と呼ぶようになった。


「まぁ、魔法じゃなくて経済で世界を支配してるんだから、合ってるっちゃ合ってるかも?」


香織は一人でニヤニヤしながら、自分の帝国の拡大を振り返る。最初は悪徳貴族に腹が立っただけで始めたことが、こんな大事になるなんて思ってもみなかった。


「ホント、ブラック企業の経験がこんな形で役立つなんてね。あの時の辛さが、ここで報われるとは…」


異世界に転移してからの苦労と成功が、まるで走馬灯のように頭の中に巡る。しかし、香織は次の一手を考え始めた。


「さて、次はどうしようかな?世界支配しちゃったし、やることなくなっちゃったかも?」


香織は机に頬杖をつきながら、思わずぼんやりとした目で未来を見つめる。すべてを手に入れた今、次に目指すものが見つからない。世界の経済は完全に彼女の手中にあり、もはや挑戦するものが何もない。


しかし、突然、オフィスのドアがバンッと開かれた。


「香織様!大変です!」


部下が駆け込んでくると、香織はあくびをかみ殺しながら返事をする。


「どうしたの?こんな平和な日に大変なことなんてある?」


「それが…魔王軍が…」


「えっ、また魔王?私だけで十分でしょ?もうひとりいたらバランス崩れるって!」


部下は焦った顔で続けた。


「いえ、その…魔王が現れたんです!本物の、経済じゃなくて、魔法の魔王が!」


「……は?」


突然の展開に、香織は頭を抱えた。魔王だなんて、異世界ファンタジーっぽいけど、いまさら本物の魔王が現れるなんて話、全然聞いてなかった。


「待って待って、私が異世界の経済を全部支配したと思ったら、今度は本物の魔王?そんなの聞いてないよ!また仕事増えるじゃん…」


香織はため息をつきながら立ち上がり、状況を整理する。


「まぁ、魔王といえど経済の力には勝てないでしょ?最悪、魔王軍も企業化してしまえばいいし」


香織は魔王軍を経済的に買収しようとする計画を早速練り始めた。どんな相手でも経済で解決できると信じている彼女には、恐れるものなどなかった。


そして、香織が再び頭をフル回転させて作戦を考えているその瞬間――突然、意識がぼんやりとし始め、まるで何かに引き込まれるような感覚が襲ってきた。


「……え?」


香織は目をこすりながら、辺りを見回すが、突然景色が揺れ始め、オフィスが消え去っていく。彼女は驚きとともに立ち尽くし、気がついたときには見知らぬ場所に立っていた。


「ここ、どこ?何が起きたの?」


香織はゆっくりと目を開けると、そこは異世界のオフィスではなく――彼女が元いた、現実の世界の自分のデスクだった。


「……うそ……夢?」


パソコンの画面には、未処理のエクセルファイルが開かれ、書類の山が机の上に散乱していた。香織は一瞬呆然としていたが、やがて苦笑いを浮かべる。


「ははは、なんだこれ…全部夢だったの?」


彼女は椅子に座り直し、ため息をついた。


「そうか、異世界で会社作って国を支配して、経済魔王とか呼ばれてたの、ぜーんぶ夢だったのね。ブラック企業での仕事のストレスが異世界妄想に走らせたってわけか」


香織は肩をすくめながら、机の上の未処理の書類に目を戻した。


「結局、現実はこんなもんか。でも…もし本当に異世界に転移したら、今度はもっと楽しくやってやるんだから!」


そう言いながら、香織はエクセルに手を伸ばし、現実の仕事に戻るのだった。


fin

安定の夢オチ


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