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第2話: 「改革の始まり?まずは現場視察から!」

「さて、どうするか…」


ゲンマール王国の首都に到着し、労働者たちの様子を見渡す香織。もうね、見た目がまずヤバい。全員ゾンビみたいに顔が真っ青で、目の下にはクマができてるし、歩くスピードも超スロー。どう見ても、体が悲鳴を上げてる感じだ。


「これ、マジでブラック企業以上じゃん…」


異世界に来てまでこんな現実を目の当たりにするとは。正直、少しは魔法でワクワクできるかと思ってたのに…異世界って言っても、地味に地獄みたいな場所なのか。


「おいおい、異世界ってもっとファンタジーな感じじゃないの?魔法でポンポン解決とかさ、ドラゴン退治とか、ないのかよ…!」


愚痴を言いつつも、香織は立ち上がる。せっかく「経営コンサルティング」というスキルを持ってるんだから、これを使って何とかしないと。


「んじゃ、まずは現場視察といこうか」


香織は労働者の一人に声をかけた。


「ちょっと聞きたいんだけど、今どんな仕事してるの?」


「勇者様…!す、すみません、今は王宮に納めるための石を運んでおりまして…」


その男は汗だくで、大きな岩を背負っていた。いやいや、ちょっと待て。石を人力で運ぶって、どう考えても時代錯誤だろ。


「え、あのさ…これって魔法とか使って運べないの?てか、もっと効率的な方法あるでしょ?」


「魔法は貴族様専用で、我々平民は使うことが禁じられております…」


「はぁ…なるほどね」


まさか魔法まで階級社会に縛られてるなんて、この世界、ちょっとダメすぎないか?香織は頭を抱えつつ、冷静に分析する。


「つまり、平民はひたすら労働に従事して、貴族がその成果を搾取する構図ね。ってことは、まずは労働環境の改善が必要だな」


香織は手近な木箱に腰を下ろし、即席のミーティングを始めた。


「じゃ、今日の議題はこれ!労働時間の短縮と、作業の効率化について!」


周囲にいた労働者たちがポカーンとした顔で香織を見つめる。え、何か私、変なこと言った?


「えっと…『勇者様』?労働時間を減らすってどういうことでしょうか?我々は毎日16時間働くのが普通ですけど…」


「16時間!?冗談でしょ!?何それ、どこの地獄?」


香織は思わず叫んだが、どうやら本気らしい。これもうブラック企業どころの話じゃないわ。


「いやいや、まず休憩を取らなきゃダメでしょ。効率悪すぎ!働いてる時間長いだけで、全然成果出てないんじゃないの?」


「た、確かに…最近、石を落として壊すことが多くて…その度に作業が遅れてしまっております…」


「ほら!それだよ!疲れてるからミスが増えるんだって!」


香織は頭を抱えながらも、さらにツッコむ。


「もうね、これじゃ全員ゾンビ労働者になる未来が見えるわけよ。とりあえず、まずは労働時間を半分にして、代わりに魔法とか他の効率的な方法で作業を進める方向でいこう!」


「そ、そんなことが…本当にできるんでしょうか?」


「大丈夫!経営コンサルタントってのは、こういう無駄を省くのが仕事だから!」


香織は自信満々に言い放つが、内心では「本当にできるのか?」と若干不安。でも、やるしかない。


「よし、明日からさっそく新しい作業スケジュールを作って、休憩時間も入れた改善案を出すから!」


「おお、さすが勇者様!」


…いや、だから勇者じゃないんだって。内心でツッコみつつも、香織は微笑んだ。


こうして、香織の異世界経営改革が本格的にスタートした。まずは労働環境の改善に取り組み、少しずつでもこの世界を変えていく。


「なんか…地味だけど、案外楽しいかも?」


そう思いながら、香織は次の課題に向けて動き出す。


次回!勇者(仮)香織、無能王子との初対決!?

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