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モブたちの苦悩

作者: シキラ

ある世界において、「自分がモブである」ことを理解したら、同時にメタ視点が手に入る

但し、

・自分や誰かが酷い目にあったり、死んだりしても感情が動かなくなる

・つまり倫理観は死ぬ

・しかしそう振る舞うことはできず、例えば家族が死んでも(あー死んじゃったな)と思いながら声を上げて泣く

・物語に本来の役割以上の影響を与えることは絶対にできず、やろうとしても様々な理由で絶対に失敗する


これは、そんなモブたちが世界を跨ぐチャットで慰め合う話

グン=ジィン:無駄に無駄のない無駄な動きが多すぎる。俺アレより弱い設定なの?


Ms.テリー:軍人さんおつかれー。今度はどうしたの?


ですです:どんな動きだよwww二丁拳銃してかっこよくターンしながら周りの敵を一掃?


グン=ジィン:exactly(その通りでございます).それと拳銃を上に投げてキャッチしてた。軍人よりパフォーマーの方が向いてるんじゃねえの?だがしかし俺は奴よりとても弱い。パフォーマンスで倒される。世の中クソ。


ですです:おおん…涙拭けよ


スクロル:哀れな子よ…


Ms.テリー:いや、スクロルも相当だろ。配置場所が無敵アイテム設置場所の向こう側って。みんなで並んでるんだっけ?


スクロル:三途の川、みんなで渡れば怖くないってね!俺以外誰も気づいてなくて「こんだけいれば楽勝で倒せるぜ!」って言ってるけど。


運動部員:待って初耳。悲惨度が爆上がりじゃねーか。


スクロル:ね。でもみんなが目の前で無敵アイテム獲得した主人公を見て絶望する顔が観れると思うから、そこだけは楽しみ。


運動部員:オッケーいつものサイコパスクロルね了解。


ふぁん太:これだからスクロルに同情できねえんだよなー。運動部員の方はどうだ?


運動部員:まあこっちは変わんないな。お前人外か?っていう奴らが増えたくらい。スポーツの範囲内でやってはいるが、明らかに人間離れしてるんだよなぁ。個性も極強だし。あれ、普通に社会に出たら絶対にやってけねえだろ。


グン=ジィン:世が世なら魔女裁判沙汰だよなソレ。ふぁん太はどんな感じだ?


ふぁん太:やーこっちももう変わらずよ。雇い主がとうとう天空のダンジョンにまで商売しに行こうとしてるくらい。マジで毎回毎回1人で行くの何なの?何で勇者も毎度毎度変に思わんの?いや他の同僚もだけど。


カイケン:分かる。何でみんな何も気づかないんだろうな。こっちもさ、ある喫茶店の店員が明らかに追ってる怪盗なのに、警部達みんな気づかねえの。他の事件では凄く有能なのに、怪盗絡みになるとみんなポンコツ化するんだよ。よく見ろ怪盗の話題になる度にその店員明らかに目ぇ泳がせてるだろ!


チャーティー:それな。女生徒1人にみんなで群がったり、それに嫉妬してとんでもなく低レベルな嫌がらせしたり、マジお前ら何なの?成績も良いし、その生徒に関わりさえしなければみんな優秀なのにさぁ…ツラ…ツラ…お前ら名家に生まれて一から十まで立派な教育を受けてきただろうよ…


カイケン:そうなんだよ…若くして警部になった能力は伊達じゃないんだよ…


Msテリー:うーん悲惨。俺のとこはそんな事ないからなー。まあ命日は確実に近いだろうけど。


運動部員:テリーさんのとこはまだ主人公らしき人は現れないの?


Msテリー:おう。それっぽい警察関係の奴が1人いるって言ったろ?さっきそいつも死んだんだ。だからもう誰か分かんねえ。犯人も分かんねえ。


ふぁん太:え、死んだのか。俺絶対そいつだと思ってたんだが。


ホライゾン:俺も。


ですです:俺も。その点こっちは分かりやすくて良いな。明らかに運も咄嗟の閃きも良い奴がいるから。まあ絶対俺は助からないけどね!


ホライゾン:俺らみたいな立ち位置の奴は100%死ぬからなぁ


チャーティー:ですですはどうなんだよ?今どのくらい生き残ってる?


ですです:まだ半分くらい残ってる。運営がそこまで一気に死なせないからな。まあ、それもこれからのゲーム次第だけど。


カイケン:ホライゾンは?謎はどれくらい解けてる?


ホライゾン:俺は全然解けてない。主人公っぽい奴は多少状況が分かったっぽいけど、接点もないしなぁ。ですですのトコみたいに娯楽としてやってるわけでもないのに、どーしてあんなに十人十色オンリーワンの殺し方してくるんだろうな?オバケの考えてることも分かんねーや。


グン=ジィン:お前らも大変だな…












チャット

「モブ」たちが物語に関わっていないときに行えるチャット。脳内で行われる。原理不明だが、異世界の「モブ」たちと繋がる。

全員、他の人たちからいろいろなことを教わっており、その世界にない筈の知識もある。


グン=ジィン

今回真っ先に愚痴った。普段は軍人をしている。実はパフォーマンスが好き(?)な上司は特殊部隊上がりで、その世界でまともに戦える者は少ない。


スクロル

横スクロール系ゲームの世界の雑魚敵。お先真っ暗その1。


運動部員

スポーツ物語の世界のモブ部員。他校には化け物がいっぱいで諦めモード。


ふぁん太

ファンタジー世界である商人に雇われている。雇い主が人間じゃない疑惑を抱いている。


カイケン

怪盗物語の世界で警察官をしている。実は怪盗の話題で挙動不審になる店員(本人)を見て愉悦している。


チャーティー

学園恋愛物語の世界で教師をしている。メインキャラたちの行動に胃壁を削られている。


Ms.テリー

推理物語の世界で事件に巻き込まれた。自分が死ぬのはいいけど主人公(探偵役)は知りたい。お先真っ暗その2。


ですです

デスゲーム物語の世界でゲームの参加者。実は主人公だと思っている人は主人公の親友で、親友が死ぬ事で覚醒するタイプの主人公。お先真っ暗その3。


ホライゾン

ホラー物語の世界でオバケ(マイルドな表現)の標的の1人となった。こんな感じだが、死体を見るたびにパニックになっている(当然内心は冷めている)。お先真っ暗その4。





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