表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生ヒロインに国を荒らされました。それでも悪役令嬢(わたし)は生きてます。  作者: 古芭白あきら
番外編『赤き魔女のフレチェリカ』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/75

7. 黒の凱旋


 苦戦を強いられていた私達の戦局は一気に好転した。


 ユーヤのお陰でスターデンメイアの王都を奪還できたのは重畳ね。

 アシュレインの連中が大きな顔をするのは気に食わなかったけど。


 あいつらユーヤに全て任せて自分達は何もしていない癖に、どうしてあんなに威張り散らしているのかしら?


 ユーヤと(くつわ)を並べているのは私達なのよ。


 あんた達のその態度が信用を失墜させているというのに全く学ばない連中である。


 だけど、国内には『魔族』による爪痕(つめあと)が多数残されていて、まだまだ情勢は予断を許さないけれど、これで人類側も一息つけると言ったところでしょう。


 奪還したスターデンメイアの王都は破壊されていて、すぐに復興は無理だったけれど、きっと昔の様に活気のある街に戻ると私は信じている。


 兵達も自分達の戦いが王都奪還という結果に結びつき、廃墟同然の王都でありながら、街の各地で明るい笑い声が聞こえてきた。



「アシュレイン王国から凱旋の帰還要請がきたんだって?」

「ああ、そうなんだが……」



 アシュレイン王家は不祥事続きの上に王太子妃の件もあって、国内外でその信用を失っている。スターデンメイアを奪還した象徴としてユーヤに凱旋して欲しいのだと容易に想像できるわ。


 ユーヤもそれは分かっていて、奴らにいいように扱われるのは(しゃく)なよう。


 その気持ちは分からないでもないわね。だけど今のスターデンメイアは『魔王』を倒しに魔族領へ攻め込む余力がない。恐らく暫くは国の立て直しが優先されると思う。



 だから……



「次は『魔王』との決戦だからな。英気を養っておくのも必要だろう」

「そうそう。戦い続きだったんだし、美味しいものでも食べて体を休めてきなさい」



 ユーヤもずっと戦い詰めだったし、少しは休んでもいいと思うのよね。それに、凱旋して民意を味方に付けておけば王家や貴族もユーヤに迂闊(うかつ)なことはできないと思うの。



「『魔王』を倒せばアシュレイン王家にとってユーヤは邪魔な存在になるからな」

「ええ、ここで王都の民を味方にしておいた方が後々の為よ」



 アシュレインの奴らは絶対にユーヤを亡き者にしようとするでしょう。だけど、そんな真似はさせないし、もしそんな状況になっても私がユーヤを必ず守る。



「俺達でスターデンメイアを完全に取り戻しておく」

「次にユーヤと向かう戦場は『魔王』討伐ね」



 こうして私達はユーヤをアシュレイン王国に送り出した。



 だけど、私はユーヤを行かせるべきではなかったと後で酷く後悔することになった……




 ユーヤがアシュレイン王国へ凱旋してから、私とゴーガンはスターデンメイア国内を安定させる為に尽力した。


 主に『魔族』の残党やまだまだ多数出現する『魔獣』を討伐しに東奔西走する毎日だ。



 そうやって1ヶ月が経ち、2ヶ月が経ち……



「どうしてユーヤは帰ってこないの!?」

「いや、どーしてって俺に聞かれてもな……」



 幾ら待ってもユーヤは帰ってこなかった。



「ゴーガンはユーヤが心配じゃないの?」

「心配は心配だが……今の俺達には何もできんだろ」



 うーっと睨み付けてやったけど、確かにゴーガンの言う通りなのよね。


 スターデンメイアはまだ国内に多数の『魔族』や『魔獣』が徘徊しているわ。主力である私達が抜けるなんてできない。



「スターデンメイアの首脳陣もアシュレインに問い合わせ中らしい。今は耐えろ」

「う、うん……」



 正直に言って納得はできない。

 でも、今の私達は目の前の問題に対処するので精一杯なのだ。



「さっさと国内の『魔族』どもを駆逐しちまおう」

「ゴーガン?」

「そうすりゃユーヤを迎えに行く余裕も生まれるだろ?」



 私はあっと声を上げた。



「そんときゃ俺も付き合ってやる」

「ありがとうゴーガン!」



 よーし!

 全ての懸念を処理したらアシュレイン王国までユーヤを迎えに行くんだから!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ゴーガンさんほんまええ人や( ´∀` )
[一言] ゴーガンはいい男だなあ
[良い点] フレチェリカさんとゴーガンさんはユーヤさんと「仲間」で「友達」だったんですね。 あぁ……でも、この頃にはユーヤさんは魔王を倒しても帰れないと知って絶望してた……ってことかぁ(;´・ω・)辛…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ