表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
四章 ライガ獣王国 王都編
94/137

勇者VS吸血鬼のハーレム候補

「勇者が出るらしいね」

「うん」


短い受けごたえ。

言葉のキャッチボールが起こらないまま会話が終了する。


いや、余計に話してハーレム候補の事(浮気)を知られたらやじゃん。


「相手の子は可愛いね?」

「うん……」

「もしかして、もしかしてだけど、僕に隠し事してたりしないよね。フィーちゃん?」

「別に」


笑みを浮かべながら、ヨナの瞳からハイライトが消える。

これはヨナが僕に対してやましいなにかを感じ取っている証拠だ。


この場合は無理に口を開くと墓穴を掘るのことになるので極力会話を短くして返すのがヤンデレの波動に目覚めたヨナに対抗する唯一の手段なのだ。


『さあいよいよやって参りました。この瞬間が。その巧みな剣さばきで、一般ブロックの頂点に輝いたシェイラさん。これに対するは絶対無敵で人間の中でも最強と謳われる聖王国の勇者『極光』の二つ名を持つサテラさん。誰もが注目する一般ブロックエキシビジョンマッチ。この頂点に輝き、最終闘争への切符を手にするのは一体どっちだー!』



僕らの気まずい? 雰囲気を吹き飛ばすかの如く響き渡る実況の声。

会場は満席に近く、予選と比べて如何に観客たちの期待度が高いのか、一目瞭然だ。

それもそのはず、今回の試合は一般ブロックの頂点に輝いた優勝者、僕のハーレム候補であるシェイラちゃんと名声が知れ渡りすぎていて、シード枠になっていたKY勇者との試合だ。



何かのスキルなのかコナフブキのような派手な演出と共に『勇者』と僕の『ハーレム候補』実況曰くシェイラちゃんが現れる。


予選では下ろされていなかった木造の渡橋を踏みしめていき会場にも緊張と興奮に満ちた雰囲気が流れる。


……なんか勇者がこちらを向いてパクパクと口を動かしてるんだけど。

ステータスのおかげか、耳を澄ませば聞こえなくはないけど、ろくでもないことの予感しかしないので取りあえず耳を塞いでおく。


わかりやすくげんなりしている勇者。

哀愁漂うその姿に憐みの念を抱かなくもないけど、宿屋での第一印象が最悪だったからプラマイゼロってことで。


舞台に二人が立つと会場から盛大なカウントダウンが始まる。

予選と落差凄くない?

え。僕あれにでるの。

ただでさえ大勢の視線が集まるのに、試合開始前にカウントダウンされるとかどんな羞恥プレイですか。耐えられないんですけど。帰っていいですか?


そうこう考えているうちにカウントが終わり試合が始まる。

……そして数秒後、会場が静まり返った。

うん。一瞬だったわ。

試合開始直後、勇者が一足跳びに間合いを詰めて剣を一閃させたかと思うとシェイラちゃんが吹き飛んだのだ。


で、そのまま気絶しちゃったみたいで戦闘不能である。

反応は出来てたように見えたけど短剣を充てるのが精一杯だったみたい。

でもなんか変なんだよね。


二人の魔力波に大した違いはなかったはずなんだけど、結果は一方的。

魔力波は大まかなステータスが反映されて漏れ出る瘴気みたいなものだから測れる実力はあくまで参考程度のものではあるけど、同レベルの魔力波であそこまで一方的な試合展開はおかしい。


うーん。考えられるとすればなにか強力なスキルとか?

『極光』の二つ名に関係してるのかもしれないけど、あくまで推測でしかないしなー。

うん。取り敢えず保留。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ