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転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
四章 ライガ獣王国 王都編
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勇者とビーストエルフと吸血鬼

前回までのあらすじ。

ただものではない雰囲気を漂わせる勇者が現れた。


どうする?


1、無視☆

2、会話する。(コミュ障なので困難を極める)

3、超速ダッシュで逃走する。

4、動作のみで対応する。

5、弟子一号ヨナに任せる。

6、おっそろしく速い手刀を打ち込む。


とりあえず今取れる選択肢を上げてみはしたけど、1の何もしないは怪しまれるので愚策。

6はただのネタだから除外。



2はというとまあそれができたら苦労しないよね。はい。却下!

3はというと一時しのぎにはなるけど後で面倒なことになりそう。なるべくこの手段はとりたくない。

4はというと可能だけど疲れる。


ならば僕の取れる選択肢は一つだけ!

そう5の弟子一号に任せるだけよ。

高みの見物というこうじゃないか!

はーっはっは!


というわけで目配りで会話をヨナに促しておく。

すると了解といった感じにうなずいてくれた。


くっ。さすがヨナ!

普段からかわれてるけどこういう時は頼りになるぅ。

そこに痺れる憧れるぅ!(言わないと気が済まない病気)


その『ボクがいないとなにもできないんだから。フィーちゃんは』みたいな顔を辞めていただけるともっと憧れるぅ、よ!



「話ならボクが聞くよ。フィーちゃんはちょっと人見知りでね」

「あらそう。けれど私はあなたとじゃなくてそこの吸血鬼さんと話がしたいのだけど」


なぜかズイズイと僕に詰め寄ってこようとする勇者をヨナが片手で制止、というか物理的に通せんぼしている。

なにこの状況、どうなってるの、ベジー〇風に言えば『わけがわからないよ!』


「じゃあヨナさん。そこの吸血鬼さんは私、いえ、人にとって味方? それとも敵?」

「種族として興味本位で近寄ったんだ。フィーちゃんはフィーちゃんだよ。ボクが守るべき人」


僕に対して嵐のごとく質問を投げかけてくる勇者にヨナが挑発するように辛辣で真っ当な言葉を浴びせる。



「あなたには何も聞いてないわよ! そこどきなさいってば『世界の害悪』!」

「いやだね。フィーちゃんにとって害にしかならなそうな人。近づかせるわけにはいかない」


痺れを切らしたようにこちらに近寄ろうとしてくる勇者をヨナが止める。


……止めてくれてよかった。

さっきの勇者の言葉で自分でも気づかない内に魔力波が漏れ出てた。


認められないし許せないかな。エルフが世界の害悪だなんて。

ましてや僕の身近な人にそんな侮辱めいた言葉を放つだなんてさ。




しばらくヨナと論理間の欠片もないセクハラクズ女との口争いが続き、やがて溜息を吐きながら後ろに下がった勇者が腰に提げていた剣に手を掛けた。


「あまり手荒なマネはしたくなかったのだけど仕方ないわね」

ヨナもそれを宣戦布告と受け取ったのかファイティングポーズを取る。


わ、わー。

異世界は物騒だなー。(現実逃避)

現実逃避している場合じゃあないか。


このセクハラ女の実力なら僕がさっき放ってしまった魔力波にも気づいてるはず。


そうなってくるとこのセクハラ女が戦闘態勢に入るまで怒り心頭なのは僕のさっきの魔力波でこちらを敵として認識したからかもしれない。


つまり、今ヨナとセクハラ女が戦おうとしているのは結構な割合で僕も関与しているわけで。



……いやコミュ障にこの状況を打破するのは無理でしょ。

思い浮かんだセリフなんて『僕のために争わないで!』ぐらい。

うん。これで解決するわけないわな!


ドラマじゃないし。

そんな甘い雰囲気じゃないし。

そもそも僕敵認定されてるし。


こうなれば出来ることは一つ。

諦観して成り行きを見守る事でしょ!



二人が間合いを詰めて戦闘に移行しようとした刹那―!



「お客様。店内での喧嘩は他のお客様のご迷惑になりますので」

なんと、ここ数日宿に滞在していて僕が口下手なことを知っている店員さんが注意を促す形で二人の動きが止まった。

ヨナも勇者も分が悪いと判断したのか両者戦闘態勢を解き黙りこくっている。


しばらく沈黙が続いた後、勇者は構えを解くとまた出直すと言葉を残して立ち去って行った。


……うん。

事件解決!


ありがとう店員Aさん。この恩は忘れるまで忘れないよ。

僕は疲れたしこの空気にも耐えられないから寝室に戻って寝てくるぜ!


「フィーちゃん。店員さんへのお礼は?」

と思ったらヨナに服の首辺りを掴まれて僕の睡眠タイムへの移行を妨げられました。


え、えー。

まあ確かに必要ですよねー。

……よ、ヨナ代わりにお願い!

「そんなキラキラした眼で見つめてもダメ! ボクも一緒にいてあげるから」


「あ、あり、ありがぁうござ……ました」

「……はい。大丈夫ですよ。まだ小さいのにお礼言えて偉いですねー」


恥ずか死んで意識跳びそうになりました。

あ、これ倒れるわ。


精神の疲弊故か崩れ落ちそうになったところをヨナが支えてくれた。

「はいはい。大丈夫ですか。フィーちゃん。お礼いえてえらいえらいですよー」

……っふ。馬鹿めヨナ。僕はもう疲れ切っているからからかわれても擦り減る精神がないんだぜ。


くたくたになった体をヨナに支えてもらいながら寝室に移動してやっと安心。

ふかふかな感触が身体を受け止めぽわぽわする。

ああー。温いなぁ。

疲れた後に温まるお布団、温いなぁぁ。


しあわしぇ~。(IQ3)


ちなみにベットは吸血創造で綿やらなにやらふわふわなものを詰め込んで既に改良済み。睡眠同好会に所属していた僕が眠りを追求しないわけないじゃないか。

✳︎本編とは全く関係ありません。飛ばしていいよ。

今期のアニメはTS物が三つもあるんです。全部最高ですよ。是非見てあげて下さい。妖巫女のキス、ご馳走様でした。TSものではないですが個人的にはすぐ死ぬ吸血鬼の話もおすすめ。最強のギャグアニメです。万事屋見てた人はたぶんハマると思います。

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