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転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
三章 紅と蒼の戦姫 誕生編
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閑話 邪眼を学ぶ吸血鬼

最近、男の娘と出会って、百合ハーレムを作る夢が霞みを帯び、落胆&精神崩壊気味のクローフィーです。

そんなわけで今日は気を紛らわしに、平原を抜けて、森、というよりかは山にやって来ました。


勿論。僕の精神を不安定にしてくる男の娘は年相応の寝顔で睡眠中です。

つまり深夜です。

え? 吸血衝動が暴走するんじゃないかって?

バカをいっちゃいけない。

『禁忌の森』での経験を踏まえ、予めお昼にヨナの血を飲んで、衝動を満たしてから来ましたとも。


まあ、時を止められる守護霊を持った吸血鬼と同じで、夜はそれでも最っ高にハイってやつだぁ。なんだけれども。


で、なぜ僕がそんな危険を侵してまで夜に出歩いているのかと言えば……

邪眼を学ぶためでございます。

サリエラにいた頃、ギルマスから僕にもなんらかの魔法が使えることが確定した。


が、普通の人は基本的に感覚で魔法を使う。

ギルマスの話によれば本人の性格や精神状態によって自分の中で『なんとなくこの魔法が使える』と分かるそうだ。


魔法は『スキル』と違って才能や努力ではなく気が付いたら身についているもの、そういった認識らしい。


しかし僕の場合は自分の中で長い間『血液創造』等によるスキルを介した魔法の使い方をしていたせいで自分の内から魔法を使うという感覚が掴めないし分からない。


落胆する気持ちもあるけれど裏を返せばこれはチャンスだ。

自分の中でうまく魔法を使う感覚を掴むことが出来れば、自分が使いたい魔法をある程度選択できる。

そして僕が使いたいのは邪眼。


長くなったけれど、結局今日、僕が山に何をしに来たのかと言えば……

「あれが邪眼か」

『吸血鬼化』で羽を展開させ、木の根に上り、とある魔物を観察する。

それはギルマスが魔法を教えてくれた時にいっていたシュガルという魔物。


一応トカゲの仲間らしいんだけど、全くそうは見えない。

だって色が緑色だからね。

天敵から身を守るために木々と同じ色をしているらしいけど、あれはトカゲというより大きなカメレオンだね。


まあ、仮にも冒険者ギルドに魔物と認定されていることからわかる通り、その大きさは2~3メートルと巨大だけど。


基本的に人間を襲う事はないんだけど、縄張り意識が強くて、自らの領域(なわばり)に侵入してきた敵には容赦なくその巨体で体当たりをかますそう。


ただ頭がいいのは自分が敵いそうもない敵にはその色彩で徹底して木々に溶け込むこと。


長々と説明してしまったけれど、シュガルの一番の特徴は別にある。

ここまで言ったらもうわかるよね?

そう。今僕が最も欲している魔力(じゃがん)をシュガルは有しているんだ。



「おおー」

思わず声が漏れる。

僕の気配を感知したのかシュガルが木々に溶け込み消えていくけれど、その能力の一端はしっかりと目に焼き付けた。


とても、とてもロマンに溢れる光景だった。

あまりに神々しいその光景に目を奪われて時を忘れて見入ってしまった。


僕が目撃したことを話そう。

シュガルの縄張りに群れからはぐれたと思われるコボルトがやってきたんだ。

それを見たシュガルは微動だにすることもなく、その黄金色の瞳を輝かせたんだ。


するとまず足が石のように、否、石になって動かなくなった。

パニックに陥ったコボルトが倒れ、ガウガウと吠えたけれど、次の瞬間には一瞬にしてその体が石と化したんだ。


手も、足も、体すら微動だにさせず、ただその眼で見やるだけで戦闘が終わる。

いや、これはもはや戦闘ですらない。

蹂躙という言葉でも表現できない。


ただ、ただその者の視界に入るだけで生命が尽きる。

命が散ってしまう。


これが、これこそが邪眼!

世の全ての中二病が一度は使ってみたいと願ってやまない暴虐の化身(ちから)

マンガやアニメで起こっていたことが、今実際に事象として目の前で行われた。

その事実に胸が、どうしようもないほど胸が高鳴った。



――――――――――――――

しばらくシュガルの邪眼を観察してみて分かったことがある。

シュガルの使う『石化』の邪眼は視界に入れた箇所のみ発動している。

ゲームのように実際に攻撃範囲とかが出ているわけではないけれど実際に確かめたから間違いない。


シュガルに馬乗りになって、頭をひっつかみ、その視界に木を映してみたら、その部分だけが石になっていたからね。


ということはだ。癪ではあるけれど、ギルマスの言っていたことは本当という事になる。

自分がきちんと視たものしか、邪眼の効果範囲にならないのだろう。


地味に落ち込んだけど、悪い事ばかりじゃない。

なぜって?

邪眼を使うコツが把握できたからね。


要は目に魔力を集中させればいいのだ。

魔力は血液と同じで全身を巡っているわけだけど、血液と全く違うのは意識して一部分に集めることが出来ること。


魔力を込めた拳を使えばそこに魔法を発動させ、自分自身は魔法と同列の存在と化すことで、燃える鉄拳のようなものも再現できる。


ならば、目に魔力を集め、頭の中でなにか起きろと念じることで、事実的な邪眼覚醒イメージトレーニングが出来るのだ。


より邪眼を強力に発動させるには片目を閉じる、ないしは隠すことが効果的だ。

普段生活する分には両目の方が使いやすいかもしれないけれど、魔力を使う分には、分散させるよりも一カ所に集めた方が必然的に強力になるからね。


興奮して勢いのままに片目を隠してカッコつけていたら偶然に……

いや冗談、冗談ですよ。嘘いいました。


そんなことしてないから。

闇夜に紛れて片目を隠し、神の領域に至らんとしている僕…… 

カッコいい!


なんて考えてなかったから。

ないからな!

これにて3章は完結になります。

4章は大分長いです。

ちなみにこの回もなろうオリジナルになります。

年内、は間に合わないかもしれないですがそのうちこの作品に関わる重大発表があります。

章完結記念に評価やブクマもよろしくな!(闇バ○ラ)


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