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転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
二章 小さな村 サリエラ編
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おんぶされた人がおんぶして無自覚に酔っているようです

突然だけど、この世界って結構残酷だと思う。

戦争って結局は見解の違いや、差別、利益を求めて起こすもの。


その争いに巻き込まれて多くの人が死ぬ。

それを自軍のせいにしたくなくて、責任転換、敵軍にその刃を向けることで、感情を誤魔化してる。


それでも無駄な争いは辞めようと地球では大多数の国が戦争を終結した。

でもこちらの世界はどうだろう。


生まれながらのステータス、魔力、身分、種族。

たったそれだけで才能による差別が生まれ、不満を抱いた人間が変革をもたらそうと戦争を始める。


差別だけじゃない。

明確にステータスによる個としての差が生まれることで力のないものは強いものを妬み、羨み、力のあるものは自分の存在を誇示しようと弱きものを虐げる。


それの繰り返し。

地球みたいに原子爆弾やら兵器やらを取り上げても片付かないのだ。


だってこの世界無手でも容易に人を殺せるほどの力がある人が星の数ほどいるんだから。


現に僕もやろうと思えばできるし。

やらないけど。



魔法という異次元の力がありながら、文明が発達しないのはそうした争いが文明が開化したそばから同時に衰退させていくからなのかもしれない。


……なんて珍しく難しいことを考えてみました。

うん。やっぱり全世界の人間の思考を変えるなんて無理じゃない??


はぁ。

全世界の人間の脳波をいじって、『エルフは友達』みたいな洗脳でも掛けられれば話は速いのになー。


いくら僕の寿命が長いとはいえ、生涯かけても全世界の意識を変えるとか無理だと思うしなー。


あるとすれば、権力者と対話して革命を起こす、とか?


いや、我コミュ障ぞ。


そもそも見た目かわいいロりロり少女の僕がどうやって偉い人と繋がりを持てばいいんだし。


あれか、全世界に影響力を持つ人物でも探せばいいのか。




……そんな雲の上にいるような人とどうやってお近づきになればんいいんよ。

我コミュ障ぞ(大事なことなので二回言ったよ)


うがー。

逆に考えてみよう。

従わせて、柔従させることが不可能なら、僕たち以外の種族をすべて殺してしまえばいいのでは?


名案だ!

…………

……


そんなことしたら旅できないよねー。

崩壊した世界を回る旅とかそんな悲惨なことしとうないです。


闇系ダークヒーローの主人公みたいにダークフォース覚醒させてもどうにかなるもんじゃない、か。


マジで世界規模な話なわけだしー。

ドラゴンのところに着いたら要相談かな。



なんて考え事をしながら実家目指して駆けています。


サフィアが。

え? 僕はどうしてるかって?

そりゃあ、おぶってもらってるんですよ。

そのオブられている僕は眠りの妖精ソフィーをオブっているんですよ。


やめて、そんな奇怪なものを見るようなものを僕を見ないで。

違うから。

これは内の娘の親孝行だから。


断じて僕の馬車酔いがまだ抜けきっていなくて体調が悪いから。

なんて理由ではないから。


ほら、親孝行するのに理由はいらないっていうじゃん。

え、使い方が違う?



「妙ですね。主様」

「まあね」

駆けているさい、何も起こっていないわけでもない。

当たり前だけど、魔物がうじゃうじゃと襲ってくるわけだけど……


「マンティコアが見当たりません」


そう、『禁忌の森』の長い生活で飛躍的に上がっているサフィアのステータスで駆けているというのにここまで一匹もマンティコアに遭遇していない。


「十中八九、村を襲ったマンティコアはここから供給されていたんだろうね」

「そうだとすると、マンティコアを送り込んだ不逞の輩はとんでもない手練では」

「まあ、だから困ってるんだけど」


近くで魔法が発動すれば相当精度が良くても、ある程度の魔力波が発生するわけだけど、あの時、周囲に魔力の揺らぎなんて一ミリも感じなかった。


それはつまり、僕らに気付かれないほどの精度で何者かが、空間系の魔法を使っていたといことになる。


「ソフィーの魔力感知にも全く反応はなかったの」

「母様が読み取れない魔力なんて、忌々しいですね」

「待って、まって、なんで自然な感じで会話してるの? いつの間にソフィーは起きてたの!」

「最初から起きてたよ?」


動揺したままバッと振り返ると不思議といった感じに首を傾けるソフィーの姿が。

ええ?


「主様。母様は私が主様を抱き上げ― コホン。おんぶした時からお目覚めになっていましたよ。もしかすると主様、まだ馬車酔いが完全に―」


「あー! あーー! してません。僕は馬車で酔ってなんかいません。大丈夫だからソフィー。僕カッコいいお姉ちゃんだから」


必死に抗議― じゃなくてサフィアの嘘を指摘するも、ソフィーはわけがわからないといったかんじに目をぱちくりさせている。


「馬車酔いってなにー!」

そ、そこからか。

「母様。馬車酔いというものはですね―」

「馬、お馬さんと一緒に眠ることを指す言葉だよ!」

「へー」


間一髪、ソフィアの僕への尊敬を落とさずに済んだ。

「ではこれからも積極的に馬車を使ってお馬さんと寝る時間を取れるように計画いたしましょう」


辞めろサフィア! 純粋なソフィーにそんなこといったら―

「うん!」


ほらこうなった。

いや僕としては馬車で酔うことなんてないから全然いいんだけどさ。

……い、イイんだけど、さー。

は、ははははは。


わ、分かった。

認めよう。ボクが乗り物に弱いことは。

認めたうえで凌駕してやる。

乗り物酔いという災禍を克服して精神力をカンストさせてやるさ(やけ)


ソフィーは馬車酔いをお馬さんと眠る事だと思ってる。

……あれ、別に主人公にとって弊害なくない?

ある、はず。きっとあるよね、うん。(洗脳済み)

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― 新着の感想 ―
[一言] 強いステータスても馬車酔いを防げないですかw しかし自分の足で走った方が早いとかw
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