『禁忌の森』ってなに?
「おめでとうございます! お三方とも。今日から晴れてCランクの冒険者です。これはこのギルド始まって以来の快挙ですよ!」
「主様ならばこのぐらい当然のことです。」
「いえーい」
「わーー」
「……反応薄!? Cランクって熟練とかベテランといわれるレベルで上級冒険者の一歩手前なんですよ!?」
受付嬢のお姉さんがツッコミを入れてくるけど仕方がない。
Cランク? 片腹痛いね!
別世界にいる異世界チートさんたちはSランクで英雄とか救世主だとかイレギュラーだとか言われてんのぞ。
それにくらべればCランクなんて黄身のない卵かけご飯みたいなもんでしょ。
「Bランク以上の方が多いように見受けられますが、手を上げて喜ぶほどのことなのでしょうか?」
サフィアも僕と同じ考えに至ったようで疑問を漏らしている。
あれ? 変態と思考が同じ僕ってもしかしてヤバい?
「凄いですよ! この年齢でCランクに到達することなんて聞いたことがないですよ! それにこのギルドにBランク以上の人たちが多いのは『禁忌の森』から侵攻してきた魔物達を倒すために都市から派遣された人たちが滞在しているからですし!」
「……『禁忌の森』ってなに?」
「えぇ。なんでそんなことも知らないんですか。禁忌の森というのはですね。簡単にいえば結界で閉ざされている魔境のことです。いえ…… だったといったほうが正しいですか」
そこで受付嬢さんは軽く息を吐きどこか納得のいかなそうな顔をする。
「長い間結界により封じられていたのに突然それが消えたんですよ。帝国がなんらかの意図があって実行したみたいですけど、その結界を解いた帝国から緘口令が敷かれてるので詳細は謎に包まれてるんですよ」
「ほー」
「んー?」
「はあ」
受付嬢さんの説明に三者三葉に声を上げる僕達。
うん。僕らは難しい政治の話とかはよくわからないんだけども、まあ取り合えず『禁忌の森』とかいう危険地帯がこの近くにあってそれの封印が解けちゃったもんだから村の防衛と魔物から取れる希少な素材を求めて高ランク冒険者たち押し寄せて来たと。
話の内容が難しいからかソフィーは頭に?を浮かべて首を傾けている。そんな仕草も可愛い。お持ち帰りしたい。
で、問題はサフィア。なんで見た目的には一番大人であるはずのお前がボケーっとしてるのかね。
ふむ。僕の家計は頭が小学生レベルで止まっているようですね。
……ベースが悪いからなんてことはないと信じとこう。
話は変わるけど森に結界ってなんかデジャブ感じるんよねー。
なんでだろ?
その時僕の優秀で聡明過ぎる頭脳が答えを導き出した。
すなわち『禁忌の森』=僕らの住んでいたところ
という完璧すぎる推測を。
『禁忌の森』、ね。
どことなく厨二的でなんかちょっとカッコいいかも……
先週、先々週含めて投稿しました。
来週から週二投稿に戻ります。