表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
二章 小さな村 サリエラ編
54/137

依頼達成

猫探しを始めて2日目。

悪い予感が見事に的中して一日目は何の手掛かりもつかめずほっつき歩いて散歩をしただけになった。


いやー。なんか人探しとか生業にしてる人とかもいるらしいからね。


人探しならぬ、猫探しも難しくて然るべきことだったんだろうねー。


しかーし、そんな難解な問題も今はどうでもいいのであーる。


なぜって? どんな面倒な依頼でも、我が腹心の有能な変態に任せておけば万事解決する、はずだから。

……多分。だいじょうぶかな?

ちょっと不安なってきた。いや面倒だから行動には移さないけど。




だっていま、ごろ寝の真っ最中だし。

今世はというか前世もだけど母親と呼べる人はいないのでひたすらにベッドに潜り続けることができるのだ。僕の心をここまで虜にするなんて後にも先にもベッドさんとソフィーぐらいなものだよ。ぬくい。ぬくすぎるんですよベッドさん。


あ、そういえばベッドは自分で改良した。

『血液創造』でちゃちゃっとね。

綿とかとにかく柔らかくてよさそうな素材を詰め合わせてみたんですよ。

まあ、この程度の事、僕にかかれば朝飯前どころか朝飯を食べる動作すら見せずに出来るぐらい容易いことだったよ。



金銭問題も盗賊から巻き上げて換金したお金がまだ残ってるので暫くは安定して惰眠を貪れるし。



今までも森の中で割と楽な自給自足生活を送っていたけど、仕事ぼうけんしゃを始めても時間とか計画とか自由に立てられる。

これ、冒険者の特権だよねー。

常に危険に身を置く代わりにいつでも有休をとれて好きな時間に働けるホワイトな職業だよねー。(錯覚)



だからその冒険者の特権を十全に使い僕らはこの自堕落生活を満喫しているのさ。

すばらしきかな睡眠タイム。

ぐぅ。


「お母さま、主様」

「サフィアおかえりー。なんか情報はー?」

「いいえ。これといっては」

「えー。このままだと依頼失敗じゃーん」

と言いつつごろ寝を続ける。

これぞ上司の鏡。(は?)


「主様、どうして猫探しの依頼を受けたのですか? まさかとは思いますが母様に頼まれて仕方なくー。とか猫が可愛いから。とかそういった安易な判断ではないですよね?」


「そ、そんなことないしー」

若干片言になっているとわかってるけどそれでも否定しておく。

サフィアは変態のくせにたまに鋭い。

変態のくせに。

変態のくせに(大事なことなので三回いったよ★)


「目が泳いでいますが」

「……最近なんかうるさいぞサフィア。変態のくせに(四回目)」

「主様に可憐な美少女となってもらうために手段を選んでいないだけです。それと私は断じて変態ではございません」


論破されていることを半ば理解しつつもそれでも反撃の糸口がないか模索する僕と変態のくせに(五回目)論破してくるサフィア。そんなくだらない言い合いををしているともぞもぞと布団が動いた。


「うみゅ……」

「サフィアがうるさいからソフィーが起きちゃったじゃないか」

「そうやっていつもいつも人のせいにするのはよくない癖だと思います」

「っく! あーいえばーこーいう。これが反抗期ってやつか」

「すぅー、すぅ……」


あれ?ソフィーが寝てるぞ?

僕のベッド。ではなく隣のベッドで。

ホワッツ?

じゃあさっき布団で動いたのっていったい?


「にゃー」

「猫!」

「猫ですね」

布団から顔を出したのは猫だった。それもどこかで見たことがあるような……

うーーん?


「依頼の猫じゃありませんか?」

「――! それだ!」

ベットから這い出して以来の紙に書かれている猫と改めて見比べる。

するとなんということでしょう。


体長もプレートに書かれている名前も何もかもが一致しているじゃあーりませんか。

でもなんで布団の中に? ……まあいっか。うん。取り敢えず善は急げだ。

「サフィア、冒険者ギルドに報告よろしく!」

「畏まりました」


うん。頼みは聞いてくれるんだよなあ。この娘。

これで僕たちはなんの不安もなく惰眠を貪ることが継続できるというわけで。


……あれ? 冒険者にはなったけど、もしかして結界の中にいたときとやってること大して変わってない?


まさかね。そんなわけないよね。

いやホントに。ホント、ホント?

まあ、ソフィーは楽しそうだし。これでいっか!

というわけでそのまま一夜をソフィーと寝て過ごしまーした。


その後ソフィーに何か知らないか聴いてみた結果。

猫はソフィーが空間魔法の派生スキル『感知』で見つけたらしい。


『感知』は探知と空間魔法を組み合わせたソフィーの派生スキル。


『感知』は探知と違い空間を指定し、場所まで把握できる。

そんなとんでもスキルがあったのなら、僕達より早く猫を見つけていたのは然るべきことですわな。


あれ? じゃあなんでそのことを僕に報告してくれなかったんだろ?


疑問に思ってソフィーに目を向けてみると愛らしい笑みで返されました。

……まさか反応を観察するためとか?

いやいやいやそん、そそんな、まさかな。


翌朝。どうしても気になってソフィーに訊いてみたら、猫ちゃんが可愛くて手放せなくて、捕まえたのが夜だったこともあり、そのままベットに連れ込んだという事らしい。(決してエロイ意味じゃないよ)


こうして波乱に満ちた僕らの初依頼は見事達成という形で終焉を迎えましたとさ。

めでたしめでたし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ