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転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
一章 禁忌の森の吸血鬼
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ドラゴンさんのその後②

そんなわけで現在。俺はできるだけ森の低空を飛び回りながら70年前に見かけた人間を探していた。

翼を休めることなくはためかせ捜索を続けていると一人の人間が視界に入った。

「ぐうぉおお!」

獣のように咆哮している少年は今まさにゴブリンの群れを壊滅させたようだった。

不意に少年の目がこちらを向いた。

ーーやべぇ!

呑気に構えていた俺だったがこんなドラゴンを見た子供がどんな風になるかは想像に難しくない。

ひょっとしたらわんわん泣き出してしまうかもしれない。


そうなる前に会話しようと『念話』を使い少年へ意識を向けたところで「ガキン」と硬質な音を立てて腹に何かが触れるのを感じた。


音のなったほうを見やれば先端が鋭くとがった槍。そして目前の少年が掌を上に向けていることから誰がやったかは明らかだ。


あいつ俺に攻撃してきやがったよ!

あんな子供がドラゴンである俺に何の躊躇いもなく攻撃してきた事実に一瞬動揺したが考えてみれば自分に効くわけがない貧弱な攻撃だったので特に気にせず『念話』で少年に話しかけることにした。

『少年よ。聞こえるか』

何度も木を人に見立てて練習してきた俺は既に会話デッキをいくつか持っている。

そして俺が目指すべきキャラは『威厳のある高貴なドラゴン』だ。

理由? カッコいいからに決まっているであろうが!

どうだ! この話し方カッコいいだろお?



少年は軽く目を見開ききょろきょろと辺りを見回すと首をかしげて考えるそぶりを見せた後、再び俺に手を振り上げた。


『ちょっと待たんかい! 我の声が聞こえんのか! 貴様の目の前にいるドラゴンこそが貴様の脳内に直接話しかけているのだぞ!』

慌てた声で静止の声を上げる俺だがそれでも少年の攻撃は止まらなかった。

何度も何度も槍を連射してきて、効かないことがわかると木に登りジャンプして剣を振るってくる。

もちろん俺には効かないが。


しかし俺を攻撃する為にかなり高い木に登り真っ逆さまに落ちたというのに少年はピンピンしている。

しかも何が楽しいのかその顔には笑みが張り付いている。

効かないとわかっていながらも少年は攻撃手段を変えて攻撃し続けてくる。



うーーむ。もしかしてこいつヤバい奴か?……

関わらないほうがいい気がしてきた。

殺すのはちょっと気が引けるので即時撤退を図ろうと身を動かした俺に少年が初めて口を開いた。

「9いえWFKJさおいえWん」

しかし言ってることがさっぱりわからない。

……うん? オレ頑張って念話手に入れたけどこの世界の言語知らねーじゃん。

同郷の日本人と話すことが楽しみ過ぎてすっかり頭から抜けてたわ。


まさかの新たなる壁出現に落胆している俺に相も変わらず攻撃を続けてくる少年くんはちょっとうざたかった。


人が落ち込んでるところに向かってくる殺意はなんか自分を否定されてるようでむかつくものだ。

そんなわけでちょーっと魔が差した俺は『竜の息吹(ドラゴンブレス)』を少年の目の前に放ってやった。

それだけで地にどでかいクレーターを作り上げて周囲の木々は根ごと吹き飛ばされた。


あっ。木が少年に命中してるわ。なんか口開けてポカンとしてるし。ざまあみろや。

少年の呆然とした顔を見てスッとした俺は気分爽快に再び日本人の捜索を始めるためにその場を後にした。

そういえば新たなる壁、言語習得も目指さないとだな!



設定資料集的ななにかのとこに挿絵的なものあります。

よかったらご覧ください。

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