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転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
一章 禁忌の森の吸血鬼
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朝は眠い

仕方なくサフィアに渡された服に着替えて食事処へと移動する。


ちなみにサフィアに渡された服は胸元に交差する血剣が描かれたゆったりとした白い服。あとはフリルのついた深紅のスカートといったかんじ。


僕としてはジャージとかパーカー。ファンタジー気分を堪能したいときに使うローブ一着で十分なのだがサフィアがメイドの真似事を始めてから口うるさくなったため最近はあまり袖を通せていない。


まあ、かといって服の事だけで、『僕は元男』だと告白する勇気までは持ち合わせてないので愚痴を言ってもしかたがないのだが。

これがコミュ障の悲しい性、か……


僕の家も結構人数が増えたので大テーブルを使って食事をとっている。

ソフィーと二人で暮らしてた時はワンルームだったのでベットで食べたりしてた。

ちなみに汚れたベットはソフィーの風魔法でバラバラにして森に不法投棄してた。

たまにそれを食べてる魔物がいた。正気か! って思ったよ。どんな胃をしてたらベットを消化できるんだか。


一番時間をかけて作った自信作の椅子に腰を掛けてご飯が運ばれてくるのを待つ。

今日のメニューはなんだろうか? ……っていうかお腹すいた。


昔は鍛錬や魔物討伐に明け暮れていたのだが、最近はもうめんどくさくなってきて体がなまらない程度にしか行ってない。

限界まで強くなろうとした結果。限界が来ちゃったてこと。

この森の魔物を倒してもほとんど経験値っぽいのは入ってきてる感じがしないしそれでもステータスを上げるために何千、何万の魔物を倒すのは、まあめんどすぎる。

この森には僕たちの脅威になる魔物はもういないわけだし、そんなことより寝たい。



一日のほとんどの時間を寝て過ごすかソフィーといちゃつくかのどっちかである。

惰眠をむさぼるのは楽しいことなんだなって異世界に来て学んだことでもある。

娯楽というものが欠如している森は退屈なのである。

もっともふつうの人間ならおそらくだがこの森に一日もいれば息絶えるのだが。


吸血鬼は食事をあまり必要としない。

『血』を飲めば空腹はなくなるし喉の渇きもきれいさっぱり消え失せる。

しかも栄養満点。常時健康体でいられると来た。

そのため食事はいらないとまでいっていい。

けれど元人間だったときの名残なのか、ふと食べ物を口に入れたくなることがあるのだ。


今がまさにその状態。それに加えてちょっと惰眠をむさぼるのに夢中になりすぎて18時間くらい寝てたこともあり非常にお腹が減っているのだ。


「ごはんまだー」

キッチンに向かってどっちが子供だかわからないようなことを口にすると

「もうすこしお待ちください」

とサフィアが返してきた。

さっきまで僕の部屋にいたのに仕事が速いなと思いご飯ができるまで二度寝しようと机にうつ伏せになると誰かが横で寝ていた。


よく見ると、そこにはあどけない寝顔で寝間着のまま「すうすう」とかわいい寝息を立てているソフィーがいた。

起こしてないジャン!

と心の中でツッコミを入れて――


突然ドカンと大きな音を立てて扉が開いた。

ノクスが眠たそうに眼をこすりながら着席した。

ノクスも僕達の子供だ。

サフィアと同じく赤髪に赤い瞳だが目つきは鷹のように鋭い。

目にかからない程度に切り揃えてある髪に筋肉質な体。

まあ、この人戦闘狂だから性格が顔にも表れているのかもしれない。


普段はうるさくわめきちらすノクスだが朝は実に静かだ。眠たそうに瞳を細めている。いや完全に寝てるな。


……なんでこう家の人間はみんなして朝弱いんだろう。

なんてどうでもいい疑問を浮かべて。

それ僕のせいじゃね? って自分の中で最悪な結論が出たところで。

「朝食ができました」。

と声が掛かりサフィアが皿を手渡してくれた。









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