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転生したら…… 始祖の吸血鬼!?  作者: RAKE
四章 ライガ獣王国 王都編
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ヨナ・ハガン

あけましておめでとうございます。

今年も始祖吸をよろしくお願いします。

今年の抱負は、始祖吸を年内に完結させることです。


吸血鬼「ま、たぶんむrー」

男の娘「……」

↑ジト目ヨナさん。

吸血鬼「善処します。って作者ゆってた!!」

「オラ。さっさと歩けうすのろが!」

目の前で起こる運命。

それは簡単には変えられず、抗えない。

それが幼い頃のボクが漠然と理解した事柄だった。


だってそうだろう。

自分の母親が暴力を受けているのにそれを傍観することしかできなかったのだから。



でもこの理不尽にも見える暴力は国によっては合法なのだという。

他ならぬ虐待している当人から聴いた話だ。


それを聞いた幼い頃のボクは家にあった書物から情報を得て、知った。

自分の母親が『エルフ』という世界の害悪とされ、蔑まれている。

それが世界共通の認識である生物だということを。


衝撃だった。これから自分がどうなるのかという不安、自分はこうなって当然なのかもしれないという諦め。


それが当時の所感。

そこからは生を実感しないままに現世に留まっていた。


転機が訪れたのは公爵と名乗る祖父が現れてから。

エルフという身体面のステータスが低い種族。


長らく体を酷使され、虐待を受け続けた末。

気付けば息絶えていた母親の最後を見取り埋葬してくれたかと思うと、なぜかボクは奴の元から引き取られて、いつの間にかに公爵家の一員になっていた。


そこからは父と会うこともなく自分のお付きのメイドやおじい達と幸せな日々を送った。


……でも万事がうまくいったわけではない。

ボクの母がエルフだということが上層部にばれればいつ命を狙われてもおかしくなかったんだから。


おじいが皆から慕われている人徳者だからボクの事も目にかけてくれる。

でも父により僕がエルフの子供であるという事実が漏洩したら?

その時ボクはどうなってしまうかわからない。

それにボクはどうしても父を許せなかった。


父に付き従う貴族の年功者たちは、エルフを頑なに嫌悪しているけど、強い母は震えるボクの事を気遣ってくれたこともあったから。


廃人のようになって、枯れ果ててしまうまでは断固としてボクへの暴力を阻止して、庇ってくれたから。

ボクは弱いままの自分に嫌気が差して、おじい達の立場を脅かす可能性がある自分が憎くて、気づいたら家を飛び出していた。


アイツを倒せる力を求めて、修行の旅に出た。

ボクには生まれつき魔力がなかったから強くなれるかは半信半疑だったけれど、やれるだけやってみようと思った。


その後、おじいから聞いた話で獣王国ではエルフへの差別は少なく、父とその部下達が狂った加虐趣味を持っていただけだと聞かされたのは我ながら、皮肉な話だったなあ。


おじい曰く、獣王国ではそれが常識で、いくら自分の息子とはいえ、父が嘘を教えてまでボクを縛っているとは思わなかったんだとか。


でも、その家出のおかげでフィーちゃんと会うことができたんだよね……

そういう意味では不幸中の幸い、いや僥倖ですらあったかも。


仮にフィーちゃんのように前世の記憶を持ったまま、生まれ変わったとしてもきっと、ボクはまたフィーちゃんに会いに行くね。


修行の旅の途中、人間の女の子と間違われることが多くて苦労、憤慨することになったのは予想外だったけど。


遺伝のせいか、獣人ともエルフとも取れない何とも言えない外見になってしまってたんだよね。

耳も大して尖っているわけでもなく、獣人特有の尻尾や耳があるわけでもない。

仮にもエルフの血が遺伝しているのに、突然変異で魔力すらなかったからね。



「ごめんなさい、ゆるしてください、もうしません」

「ブハ、グワッはハハハ。お前、それでも男かよ。それ以前に仮にも俺の息子だっていうのに何とも情けねえ。生まれつき魔力もねえんだからな。これもあの木偶が母親のせいなのかねぇ」


耳に媚びりつく汚い声、それを取り除くために、なにより自分自身がこの男に縛られず、自由に生きるためにそんな気概と意思を持ってボクの修行兼、流浪の旅は始まった。

そして、辿り着いた獣王国最奥の小さな村。

その平原で、空から降ってきたその人と、ボクは運命の出会いを果たした。

本編で語り切れなかった部分を少しだけ紹介。


ヨナの父

ゴライアス・ハガン(獣闘仕団 『峨朗』団長)


ヨナの祖父

〇〇〇〇・ハガン(公爵家現当主)〇になってるのは単に名前が決まってないだけです。結構めんどくさいし、これ以降出す予定もないので……


公爵家 ゴライアス・ハガンの息子

ヨナ・ハガン

父は『峨朗』団長として既に自立していたため、住居は長らく別だった。

10歳ごろに、息子の暴虐に感づいたおじいちゃんに引き取られて公爵家としての暮らしを得る。


追記

獣闘師団は幾つも部隊が存在し、その中でもかなり上位の立ち位置にあるのがヨナの父が団長を務める『峨朗』。中には王都で、獣王の勅命を受けて行動する近衛精鋭部隊も存在する。

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