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酷すぎる投稿ペースで生きてます。
私、栗原ユウカは生粋の日本人だ。
というのも、今私は地球ではないところにいる。
学校で昼休みが終わり、さあ5時限目が始まるから先生が来るまでだべってよう!という時に教室の床が魔法陣のようなものに覆われ、気づいた時には豪華な建物の中にいた。
……ああ、なんてベタな召喚なんだろうってランカちゃんは言っていた。彼女はよくこんな感じの小説を読んでいたものだ。
召喚された後、なんだか王女様みたいな人が長々と説明していた気がしたが、私は頭に入って来なかった。
クラスメイトの大半が、王女様に見蕩れたようにぼうっとした表情で、うんうんと頷いていた。
あれは絶対におかしい。私は直感的にそう思った。
ランカちゃんも特に何も無さそうだったけど、私と同じように異変は察知していたようで、お城の中でも度々こっそり会って話をすることは多かった。
そしてこっちに来てから5日後に、私は城を逃げ出した。
ランカちゃんにも黙って出てきたものだから、それはもう物凄く慌てて、心配もしているだろうけど、そんなものは気にしない。
あの空気には耐えられなかった。王女様が現れた途端、皆が人形のようになってしまうような、あの空気に。
逃げて逃げて逃げた。お城からできるだけ離れられるように。
川を超えて、森を超えて、村を超えて……
そして辿り着いたのがこの街だった。
見かけは結構発展してそう、ギルドもあるのを確認した。この街に一旦いよう、そう思った矢先に領主に拉致される事件が起こった。
こういうのは若干ランカちゃんの小説で知識はあった。実際読んだのは『勇者のパーティにいる可愛い女の子が、悪徳領主に連れ去られそうになるのをやっつける』みたいなものだったが。
とかく、私がやられたのは事実ではあるが、隙をついてまたお城のように逃げてやろう、そう思っていた。
「女、お前異世界の者だろう?」
そう言われるまでは