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ギルドのチンピラの次に書いてみたかったテーマです。

この街の領主の長男であるハルトはクソ貴族として有名である。


ある者は言う。ハルトは見た目の良い女性は無理矢理連れ込み、あるいは奴隷を買い、家の地下で殴る蹴るや性的暴行を加えている、と。


またある者は言う。ハルトは悪魔の生まれ変わりであり、領民よりも自分が一番で領主になったら税を底上げして民を食いつぶす、と。


そしてまた1人、ハルトの餌食となる女がいた____




「……おい、そこのお前」

フードを被った人は自分だと気付かずハルトの乗る馬車を通り過ぎようとした、

「おい!フードを被ってるお前だ!止まれ!」


「!?は、はい?」

「礼儀がなっていない、俺はこの町の次期領主だぞ……いや、いい。お前、俺の所に来るが良い。今なら側室にしてやっても良いぞ?」


そう言って下卑た笑いをハルトは浮かべ、女の腕を掴み、フードを取った。


「ッ!嫌ッ!止めて!」

「チッ、抵抗しやがるな……おい!お前らこいつを抑えろ!気絶させればいい!」

「「ハッ」」


ハルトの声と共に横に付いていた兵士が女を取り押さえにかかった。


「ッ……止めてって言ってるでしょ!」


しかし女も負けずとハルトの顎を狙って上に蹴りあげ、そのまま距離を取った、が、兵士の槍が女の首に掠った。

その瞬間


「……え、何?力が……抜け……て」


「俺の兵士は皆武器に麻痺毒を付けている。残念だったな。じゃあ、おやすみだ。……おい、こいつを連れていくぞ。」

「「ハッ」」


兵士達は手際よく女を馬車へ入れ、ハルトと共に屋敷へ行ってしまった。


「クソっ、また助けられなかった!」

「あの子の事は忘れるしかないわ……」

「門番はクソハルトの事を知らせなかったのか!?」

「今日はそのクソハルトのとこの兵士だ」

「あんなのが領主になったら私たちおしまいよ」


町はまたハルトの酷い噂話で持ち切りになった。




「……あれ、ここは」

「やっと起きたか、女。」

「アンタ……っ、何よ、これ!」

「暴れると思ったんでな、拘束させてもらっている。」

「……何のつもり?私の事好き勝手にするの?」

「……ほう、やはり俺のことを知らないか。」

「ええ!ひっとつも知らないわ!アンタの名前もね!」

「俺はハルトと言うが、お前は何処から来た。」

「……隣町よ」


「嘘だ。隣町程度の距離では俺のことを知らないはずはない。」

「ッ……!」

「どうした?速く本当の事を言わなければ俺の機嫌を損ねるぞ?」

「…………」


「今度はだんまりか、ならば単刀直入に聞こう。」




「女、お前異世界の者だろう?」

さあて次の更新はいつになるだろうか(遠い目)

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