8 後悔の選択
おぁぁー…、伏線だけ張りまくっていくスタイルが辛い…。
俺は次の日から小説の製作に取り組んだ。
俺は前の人生で「PEAPLE OF BOOKS」という本によりデビューをした。その後も何十と言う本を書いたが、やはり俺の代表作がそれであると言うことが覆されることはなかった。
今回も取り敢えずはそれと全く同じ内容の本を書き、応募した。
そこまでは思いの外早く終わり、その日中に済ませることができた。
これは嬉しい誤算だった。
明日からはアルバイトを探しに行こう。こんな小さな子供でも雇ってくれるところなどあるかは分からないが…。
「サリー、手伝います。」
「あら、本当?ありがとう。じゃあ、そのお皿を食卓テーブルへ運んでくれるかしら?」
「勿論です、サリー。」
夜になり、俺は貸して貰っている部屋からリビングへ行き、夕食を作る手伝いをしていた。
…手伝いと言っても、もうほとんど出来てしまっていたから、皿を運ぶくらいだったのだが。
「そういえば、ヴィンセントは今何処にいるんですか?」
「まだクラブが終わっていないみたいなの。もう肌寒い時期だからマフラーくらいしていけば良いのに、彼はいつもそれをしないのよね。夜になったら気温は下がって、とても寒いはずなのに…。」
今はもう日本で言うところの秋で、いくら北大西洋海流と偏西風の影響により高緯度にしては温暖である西岸海洋性気候の区域だとしても、やはりとても寒いのだ。俺はもうコートまで来ている。
「周りの子もマフラーはまだしていませんからね。きっと恥ずかしいのでしょう。こっそり鞄に入れておいては?」
「ふふ、良い考えね。善処するわ。…さ、夕御飯にしましょ!」
「ジェイムズとヴィンセントを待たなくて良いのですか?」
「いいわよ、帰ってくるの遅いもの。もう7時だし、あなたもお腹すいているでしょう?」
「…ええ、空いています。」
「ふふ、じゃあ食べましょ!」
「はい、そうします。」
彼らを待つべきかと考えたが、小説のために頭を沢山使ってやはりお腹が空いていた。
早く食べたい。
でも、ここで「いただきます。」と言ってさっさと食べることが出来るほど英国は甘くない。
そう、英国はバリバリのキリスト教である。
つまり、どういうことか?
…金持ちの間では、当然のように黙祷のような時間があるのである。
もちろん、しない家もあるし、今はそういった家が多いのかもしれない。
でも、この家では未だその伝統が残っていた。
そう、だから…。
(あー、早く食べたいマジでもう無理お腹すいて死にそう、I am so hungry….)
ということを考えながらサリーがさ、いただきましょ!と言うまで黙って手を組んでいなければいけないのだ。
ああ、つらい…。
「さ、食べましょ!」
「yes、mam!」
俺は断食とか向いていないかもしれない。というか絶対向いていない。
俺は勢いよく食事に食いつき、そして見事に腹を壊したのだった。
翌日、俺はインターネットで子供でも雇ってもらえるアルバイトがないか探していた。
…やはり無い。
仕方ない、直接行って聞いてみるか。
そう考えて、俺は思い腰をあげたのだった。
…ここで俺は、後に何故この選択をしたのかと悔やむことになる。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
イギリスに本当にそういう文化があるかどうかは分かりません。私の行ったhostfamilyのところではありませんでした。
この後めっちゃシリアス続くので、少しだけギャグ入れたかったんです…。その為だけに使ったネタでした…。
あっ、そうそう、黙祷みたいなあの謎な時間はあるかないか別としても、「いただきます」とか「ごちそうさま」は本当に無いんですよ。
食べる前に「Let's eat」って言うことはあるんですけどね。
あと、すみません、この後試験なので、しばらく書きません。
次は4月3日に投稿する予定ですので、よろしくお願いします。