3 過去
すみません。かなり長くなっちゃいました…。
ちなみにこれには、私自身の実話がかなり入っていて、とても白熱して書きました(笑)
沢山書いたので、文字の間違えているところとかあったら教えてほしいです!
俺は状況把握のために母の待つ一階へ降りることにした。
リビングの扉を開けると母さんの作った朝御飯の匂いがふわりと漂ってきて、俺は少しだけ涙が出てきた。
何故か?
そうだな…説明するには、俺の過去を話さなくてはいけない。
過去というほどのものでもないけれど。
俺は札幌で生まれ、札幌で育った。
そして普通の公立の小学校に通い、中学生では生徒会に入り、ランクは常にAにし、定期テストでは学年一位を取り続けた。
高校は北海道で一番良いと言われている東西南北の北に入学し、そこでもトップであり続けた。
けれど。あるとき、俺は気づいた。
俺の夢は何だろう?
俺はなんのためにここまで頑張ってきたのだろう?
どれだけ考えてもわからなかった。
母さんに言われたから生徒会に入って、勉強を頑張って北校に行って。
そこに俺の望んだ未来はあったのだろうか?俺の意思はあったのだろうか?
俺は…一生親の敷いたレールの上を歩き続けるのか?
そんなの…絶対に嫌だ。
だから俺は、まず始めに夢を探すことにした。
友達に聞いてみたら、勉強が好きだから弁護士になりたい、生物学に興味があるから医者になりたい、という人が多かった。
俺にとっての興味があることや、好きなこと。それは、読書だった。
小学生の頃から好きで、ずっとずっと溜め続けていた。部屋の本の数は1000を越えている。
俺は作家になることにした。
でも、どんなことにも練習というのは必要で。
それを今までの経験から知っていたからこそ、俺は今まで勉強のために使っていた時間の3分の2を物書きに使うことにした。
でも、思っていたい以上に難しくて、沢山の本を参考にしていた。
そのとき気づいた。
俺は、イギリスやアメリカを舞台に使っている本が多いと。
俺は、イギリスで作家になりたい。
それに気づいたときからはもう早かった。家庭教師をやめて英会話を学びたいと母さんと父さんに伝え、英会話を始めた。
本当に難しかった。
英語と言ってもテストで使うものとはかなり違うし、訛りもついてしまう。もともと英語のリスニングとスピーキングが苦手な俺には本当に大変だった。
でも、何もかもが将来の自分の夢のためだと思ったら本当に耐えれたし、楽しかった。
そして大学の進学先を北大からイギリスのケンブリッジ大学に変えた。
そこまでは問題なかったのだ。
問題なのは、そこからだったのだ。
そう、母親と意見が思いきりぶつかったのだ。
「日本からでるなんて許さないから!!勝手に決めないで!母さんのいう通りにしていれば間違いなんてないから!大体日本よりも平和な国なんてないのよ?日本に慣れてしまっているあなたにイギリスで生活なんて出来るわけないじゃない!それに作家ですって?バカ言わないで!そんなもので食べていけるわけが無いでしょう!イギリスには母さんも父さんもいないのよ?飢えて死ぬだけよ!」
「ごめん、母さん。でも、俺はイギリスに行って作家になりたい。ごめん。悪いとは思ってる。今まで沢山俺のために金と手間をかけてくれて本当にありがとう。でも、俺は俺の歩みたいと思った道を歩む。…絶対に。俺は、イギリスにいく。作家になる。…死んだって悔いはない。一度だけ、一度だけでいいんだ。やらせてくれ。もしも駄目だと言うのなら、…おれは。
俺は、母さんとも父さんとも縁を切っても構わないと思っている。
本当にごめん。…ごめん。」
「…分かったわ、もういい。…出ていって。二度と顔も見たくないわ…。父さんには私から伝えておいてあげる。私の息子は死にましたってね!!」
「…ごめんね、母さん。今まで、本当にありがとう。もしも俺が成功したのなら、もう一度あってほしい。」
「…いやよ。…さっさと、出ていってちょうだい。」
「…ごめん、ありがとう。」
俺には貯金があった。200万という貯金が。小学生のころからずっとため続けてきたのだ。
大丈夫、俺ならできる。俺ならできる。俺なら…できる。
俺はイギリスにいってすぐに永住権を手に入れた。そしてすぐには大学に入学せず、作家になった。気づけば世界的に有名な作家になっていて、必然的に金はジャラジャラ入ってくる。その金でおれは大学に入学した。もちろん入試は首席合格だった。当然だ。だって、俺だから。
そしておれは、そこで彼女に出会う。
俺が生涯、いのちを掛けて守りたいと願う人…そう、桜井三奈に。
ここまで読んでくださってありがとうございました。