1 やり直しの人生
…パチリ。
あまりにも眩しいその朝日に俺は目を覚ました。
そして、その先に広がる光景は俺の実家の天井。
…あれ?俺は…一人暮らしをしていた筈だ。実家にもここしばらく帰っていない。なのに何故ここにいる?
そこまで考えて、ぼんやりとしていた意識が一気に覚醒したのを感じた。
そうだ、何を言っているんだ、俺は!俺はあのとき、トラックに轢かれて死んだはずじゃないか!俺はバッと体を持ち上げる。そしてようやく違和感に気づく。
…体が、妙に軽い。というか…小さい?
俺は掌を見る。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
小さい。あまりにも、小さすぎる。なんだ?これは。まだ10歳にすら満ちていないのではないかと思うほどに小さい。
「な、なんだ?これ!!なんだよ!!えっ、だって俺、大体もう25歳だって越えてるのにっ!えっ、何、なに!?」
俺はそりゃぁもう大混乱だった。あとから考えればあそこまて乱れなくてもよかったのではないかと思うほどに乱れた。
そこで当然のように現れたのは俺の母親で。
「なに!?どうしたの!?大声だして!!」
「…ぇ。かあ、さん…?母さん!?わかっ!!えっ、どうしたの?何があったの?突然変異!?わかっ!若っ!」
「…は?何いってんの?つーか何やってんの?あんた。突然叫び声が聞こえるからビックリしたわ。寝惚けてたの?さっさと降りてきなさいよ。日曜日だからっていつまでもゴロゴロしないで。もう8時よ?」
母さんは少し不愉快そうな表情でそう捲し立てた後、さっさと一階に戻っていってしまった。
「…一体、どうなっているんだ?」
俺はいまだ大混乱の中にいた。
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