04 大腸ポリープ
先日、父が内視鏡で大腸ポリープを切除した。
私はあくまで付き添いだ。本来は母ひとりで十分なのだが病院へ車を運転する人間が私しかいなかった(両親とも車の運転免許を持っていない)。高齢の両親ふたりを置き去りにするわけにもいかず最後まで検査に付き添うことになった。
以前、胆のうを摘出していることもあって、父は消化器系の検査を小まめに受けている。半年前の内視鏡検査で大腸にポリープがあるのもわかっていたが、わけあってそのとき切除できなかった。
シニア世代は血液がドロドロ化している人も多く、父も例外ではない。かかりつけの医者から血液がサラサラになる薬を処方してもらっている。血液のサラサラ化=血液の凝固作用の低下→大出血に繋がってしまうのだ。
そのため一定期間サラサラ薬の服薬を休まないと手術を受けられない。
日頃、父が日曜大工を楽しんでいる際、道具で指を切ったりすると止血までに少し時間がかかる。それも普段服用する薬の影響だと言われていた。
今回はひとつのポリープを取り除くために、5日間休薬期間を設け前日から検査食、下剤まで用いて準備をしていた。
2度内視鏡検査を受けなければならないので父も気の毒なのだが、付き添う家族も苦労した。
父の内視鏡検査はこれで5回か、6回目。記録を確認していないので正確なことは言えないが、どういう手順なのかすっかり覚えてしまった。
それに検査を受ける前日から食べる検査食。3食別のメニューで患者が満足できるように味もしっかりついている。消化がいいようにしっかり熱が通っていて液体ものが多い。
親子丼風おじや、ミネストローネスープ、カレー……香りは本物だ!
市販のレトルトカレーのように鍋の熱湯で5分袋を温めればOK(電子レンジでもあたため可)。
こういった検査食を開発されている方には本当に感謝したい。
食べるだけ食べて翌日の朝から下剤を飲み始めることになる。原液を水で薄めて飲む液体タイプ。その量、約2リットル。これを午前6時から飲みはじめ、9時を過ぎるころに飲みきらなければならない。
食事をとらずに朝から排泄するばかりなので脱水症状に陥らないためにも水分補給もする。大腸の内視鏡検査を経験した方はご存知だと思うが、検査当日の昼までが一番ハードだろう。
その甲斐あって、無事にポリープは切除することができた。ポリープにも色々な形があるので形状によって取り除くのが難しい場合もあるそうだ。半年前に比べて父のポリープは形が変化し腸の壁面に張り付くように平べったくなっていたらしい。
取り除いたポリープは病理検査にまわされた。
結果は7月の問診に担当医から教えてもらえることになっている。
それにしても、医学の進歩って目覚ましい。ポリープの切除も日帰りでできる時代。まれに切除後の出血が多すぎて入院するケースもあるようだが、ほとんどは1時間安静にした後帰宅できるという。
事実、父も私たちと一緒に夕方には自宅へ帰ってこられた。
食事も消化のいいものならば夕飯からOKと言われていたので、うどんを用意。
切除後2~3日は消化のいいものをとること(病院から、消化のいい食材・悪い食材とリストアップしたプリントをもらった)。
他に1週間はスポーツなど控えるようにプリントに書かれていた。ちなみに布団の上げ下ろし動作もNGだ。そういうわけで、食事と運動の制限があり食事の内容は私と母で吟味することになった。
丸3日間……父はもちろん私と母も神経をすり減らした。食事に関しては昔から文句ひとつ言わないので、作り手としてはありがたい。食卓で家族みんなが同じメニューを食べられるって当たりまえのようで、とても幸せなことだと思う。
もし、消化器系のポリープが見つかったときは放置しないでほしい。お医者様や家族と相談して治療することをお勧めしたい。