10 初めての確定申告
人生初の確定申告に行ってきた。会場は地元の市役所。数カ所に分けられた申告会場のなかでも比較的すいている場所だ。
当日はあいにくの雨。今年は暖冬と言われていたにもかかわらず、その日に限って気温が低くてやたら寒かった!
前の職場では、事務的手続きはすべて総務がやってくれたので税務申告など寝耳に水だ。
怖い顔をした税務署の職員さんに給料やら使ったお金について「納税は国民の義務なんだから、さっさと必要な書類を出しやがれ!」とあれこれ調べ上げられる――勝手にそんなイメージを作り上げていたわたし(実際はそんなことはありません)。
昨年数年ぶりに働きはじめたけど、フルタイムでもないので収入は雀の涙程度。どれだけ税金をとられているのかピンとこない。とりあえず確定申告のマニュアル本を購入して必要なものをチェックしてみた。
・給与所得の源泉徴収票
・医療費控除の明細書(手作りでOK)
・生命保険、地震保険等の控除証明書
・マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証や健康保険証等)
・印鑑
・金融機関の口座番号を確認できるもの
箇条書きにしてファイルや封筒にまとめてみたけど紛失したら困るものばかり。郵便で控除証明書とか届いた時点で、「確定申告に使うもの」と意識して保管することをオススメしたい。
比較的空いている会場でも、受付する際に約一時間待ちと言われてた。係の職員から整理券ファイルを受け取ると、受付時間がちゃんと明記されている。時間と受付にきたという証明なんだ……。待っているだけだと暇なので、それとなく周囲を観察してみる。ほとんど六十代以上のシニア世代だ。男女問わず、夫婦一緒に申告に来ている人たちもいた。
「確定申告って世帯主だけがやればいいってわけじゃないのか」
自営業の人ではまたちがうのだろうけど、夫婦のどちらが主導権を握っているか、書類の管理を行っているかにもよるようだ。
それと待ちきれずに席を立つ人が多かった。トイレならば仕方ないけど、そのトイレタイムも長すぎると厄介なのだ。ようやく順番がやってきて係の人が再三呼び出しても本人がいないというケースが何度もあった。
受付で一時間待ちと言われて「家に帰って一時間くらいしたらまた来る」「ちょっと買い物してから戻る」というのもOK。開業医院の受付と同じパターンだ。
そうやって時間をやり過ごして、ようやく本題の申告作業へ。受付番号を呼ばれて、「4と書かれている机にどうぞ」と案内された
言われるままに座ると、担当者らしい三十代くらいの女性がノートPCに座り、わたしを待ち構えていた。
必要な書類を提示すると、女性はPCのマウスで画面をスクロール、クリック、必要なときは数字を入力。
「還付金を振り込むための金融機関の口座番号がわかるものを教えてください」
すかさず通帳を差し出すわたし。病院と同じで、一時間順番を待って申告手続きそのものは十分程度で済んだ。知人に話したところ、待ち時間としては短いほうだと言われた。都市部の会場では、混雑するうえ受け答えが曖昧で時間がかかる申告者もいるらしい。
せっかく稼いだ自分のお金なので、どれくらい税金をとられているか、払い戻してもらえるかは把握しておきたい(安月給だけど)。
余談だけど、わたしの買った確定申告の本には「副業をしている人の申告」方法もきちんと書かれていた。原稿料という収入を記入したり、その収入を得るための必要経費も申告すれば節税につながるとアドバイスが……夢見ている原稿料にも税金がかかるんだなぁとリアルな側面を思い知る。けれど、税金のことは賞金や原稿料がもらえる生活になってから考えることにしよう。
今年も新しい体験と挑戦で脳みそに刺激を与えていきたい。小説のネタになれば尚よし。早速、わたしは令和3年の確定申告に向けて身構えている。




