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ウサミとリーチ

先ずは、魔法屋で魔法を買おうか。

戦う技能が、無属性魔法しかないしな。


扉を開けると、本や巻物が多数陳列されている。

それと数人の冒険者が、巻物や本を手にとって話をしたり、買うか悩んでいるようだ。


どれが使えるのかわからないので、キョロキョロと見渡していると、エプロンをきた猫科の獣人女性が「何かお探しでしょうか?」と聞いてきた。


うむ、可愛い。くりくりした目と小柄ながら、立派なものをたずさえてらっしゃる。いかんいかん、「無属性魔法を探しています」と伝えると、テッテッテとお店の商品を持ってきて、「こちらが、お店にある無属性魔法です」ニコニコしながら魔法の説明をしてくれた。


魔力弾(ブリット)】【ガード(障壁)】【束縛(チェイン)】【纏い(カバー)】の4つで今覚えれるのは、ブリットしかないけれども、説明する姿も可愛いので、全部買ってしまおう。


長々と猫の人から、説明を受けていると他の客から視線を感じるので、名残惜しいが撤退!


ふぅ、、客の一人から凄まじい目付きで睨まれた。こわっ!!


多分プレイヤーだろうけど、なんか怖いひと多いな。


魔法屋から少し距離をとりつつ、気を取り直してさっそく魔法を覚えよう。


覚えられるのは【魔力弾(ブリット)】だよな、『使用可能レベル1 必須INT 4』ギリギリだな。


えーっと、ブリットの魔導書を読むと、文字が浮き上がり体に吸い込まれ本が消滅する。


おお、使い方がわかる!なにこれ!凄い!

ステータスを確認すると、魔法欄にブリットと新しく記載されていた。後でさっそく試そう。


武器屋も覗くが、画家の装備可能武器が筆とパレットしか装備できないので、当たり前だが置いておらず、武器屋のおっさんにも冷やかしは帰れと怒られた。ぐぬぬ・・・理不尽!!


まぁ、武器初期装備のままでいいか…防具も。

どうせレベル1だしまた今度でいいや。


あとは画家なんだから絵を描かないとお話にならないでしょうと道具屋に寄る。


道具屋には日用品やら、薬の見本が陳列されており、おばあちゃんが店員をしているようで、のんびり編み物をしている。


棚の端しにスケッチブックが置いてあったので、一緒に木炭とヤスリ、練り消し、絵の具5色をテーブルにのせる。

その他におばあちゃん店員に旅に必要な物一式教えて下さいと、伝えるとおばあちゃん店員は、あらあらと奥に引っ込み、息子さん?なのか小太りのおっさんが代わりに用件を聞いてくれた。


テントと寝袋、火打石、炭、ランタン、小さいナイフ、傷薬の塗り薬と虫除けと獣避けも一緒に買う。まとめて買うので端数をおまけしてくれて、ピッタリ8万ゴール支払う。


雑談混じりに良い景色が見える場所を教えてもらい、いよいよ門をくぐり、外に出陣だ!



…………。


…………。


…………。


…………。


…………。



ちょっとこのゲームなめてました。

門の外はプレイヤーの戦場でした。


俺と同じ初心者とおぼしき人たちが、湧いたうさぎ(てき)を、追いかけ回し、リポップしたら即戦闘という風景があちこちで行われている。


うーむ…さすが最高峰VRMMOと言うだけはあるようで、土曜の昼過ぎだからってこの稼働率は高いよなー。


……とりあえず道から外れ、森のような場所の手前まで歩いていくと、草むらに佇むうさぎを一匹見つける。

ではでは、鑑定でしらべますか!


スキル発動!


鑑定!!!


「【ミニラビッツ】野生のミニラビッツ」


としか表示されない…鑑定もレベル依存なのかな?…うーむ。


とりあえず次は魔法を使ってみるか。


右手に力を貯めると感覚的にエネルギーが集まるのがわかる。

手をかざし、呪文を唱える。


「力の根源たる魔力の砲撃…魔力弾(ブリット)!!」


魔法の詠唱を口に出す事に羞恥心がでるが、我慢しながら唱えると、右手から無色の何かの塊が飛び出し、狙い先のウサギに吸い込まれるように当たるとウサギははね飛ばされ、HPバーが表示されゲージの半分まで減っている。


ウサギが起き上がり、走って突撃して来るので、もう一度詠唱をし至近距離でブリットをあてると、ウサギはまた吹き飛びながら、HPバーが消滅し体が光に包まれ消え、跡には何も残されていない。


倒し終わると視界の隅にあるログに【ラビッツの毛皮獲得】と表示された。初戦利品!!倒すとエフェクトを出しながら消えるのかなるほど、ゲームっぽいけど、これなら忌避感は少なくてすむな。


辺りを見渡すと、ちらほらウサギが見受けられるので、練習がてら、倒していく。


「ブリット!…筆パンチ!…の砲撃…ブリットォォ!」


ブリットはリキャスト(再詠唱)が短いので、連打は出来るが、画家のMPがそこまで多くないため、消費MPが5でも、多少の休みを挟みながらうさぎを狩る。暫くは楽に出来そうだな。



~三時間後~


ふぅ、たまにくる人でいて、時間かかったけれどもレベルが3に上がり、画家のアビリティで【観察】を覚えたのでステータスを確認する。


名前 ファルベ

種族 ヒューマン

ジョブ 画家 Lv3

称号 「新しく歩むもの」

STP 25

SKP 3


HP 50

MP 65

ST 35


STR 2 (+3)

DEX 8 (+3)

VIT 2 (+3)

AGI 6 (+3)

INT 7 (+3)

MND 8 (+3)

CHR 10 (+3)


装備一覧


武器 古びた筆

サブ武器 古びたパレット

頭 なし

服 初期民族衣装

腕 祝福の腕輪

腰 なし

脚 初期民族衣装

足 初期民族靴


アクセサリー

なし


スキル

無属性魔法スキルlv2、魔力操作スキルlv1、記憶術lv1、鑑定lv1、芸術lv1、信用lv1、奇運lv1


ジョブアビリティ

作画 観察


取得魔法

魔力弾(ブリット)


お、魔法スキルも上がった!ラッキー!

ステータスポイントはまだとっておこう。

ジョブアビリティは…。


[【観察】対象が良く見える。]

…まぁ…うん、画家のアビリティだしなー。


せっかくアビリティも覚えたことだし、ウサギの絵でも書くか。


リポップしたウサギに近づき・・・アビリティ発動!!【観察】!!


くわっと!!目力を集中すると、ウサギの毛や表情が良く見える。



…いや、これいるのか?


まぁ、いいけどさ…それよりウサギだ。

人がくる方を背を向け、外からウサギが見にくい位置に移動する。


ウサギはこちらを警戒し、動かずこちらを凝視しているので、スケッチブックと木炭を取り出し、ジョブアビリティ【作画】発動!!!


……特になにもおこらないな?…まさかの手動で書くのか?…俺は学生時代美術2だったんだけど!?


と、とりあえず、ウサギの輪郭から書き移す。

うーん、なんか気持ち書きやすい気がするし、気持ちちゃんと描けてる気がする。


10分ほどそのまま書き続けていたら、ウサギも慣れたのか、草を食べ始めた。


一人書き続けるのも暇なので、イイヨーイイヨー!君可愛いねぇ!ウサミちゃんこっち向いて、動かないで!!など独り言を言い、謎キャラになりきって書き続ける。


途中効果時間過ぎたのか、線がぶれ始めたので、アビリティをまた使い書き続け、一時間かけてウサギのデッサンを完成させた。


【ラビッツのデッサン図】

[品質2 素人の描いたミニラビッツのデッサン図。価値はない。]


これはひどい!!と一人ツボにはまっていると、ウサミちゃんが矢に貫かれて死亡した。


「ウサミィィ!!!」


と叫びながら駆け寄るが、エフェクトが消え何も残らなかった。


矢が飛んできた方向を見ると、エルフ男性があわあわしながら声をかけてくる。


「あぁ、あのウサギはあなたのでしたか?申し訳ない」

「いや…大丈夫です…あのウサギの絵を描いていただけなので…」


まあ、本当に絵を描いてただけで、別に戦闘もしてないので占有権なんてものはないしね。


少し長めの髪をしたイケメンエルフさんは、申し訳なさそうに再び謝ってくれたので、ウサミは初めてのモデルだし、思い出に何か作れないかなと思い交渉をしてみた。


「いえ、本当に大丈夫です。…もし良ければ、先程のウサギのドロップアイテムを売ってくれませんか?」

「え?…良いですけど…相場は良くわからないんですよね、今日始めたばかりで…」


おお、同じですねー、軽く雑談と交えて話を進めた結果、自分が持っていた毛皮をウサミの毛皮と交換してもらい、ついでにフレンド登録もしてもらった。


エルフ男性は、リーチという名前で俺と同じく今日からシクスタを始めたらしい。

ジョブは狩人と魔法使いの間の魔弓師らしく、本人もよくはわかってないようだ。

俺も自分のジョブを紹介して、画家もよくわからないと伝えると同じですね!と笑ってくれた。イケメンだなー。


リーチ君はやはり人が多くて狩れないので、移動していたらこんな場所まできたようだ。


パーティーに誘われたが、きりが良いので俺は戻ると伝えて、リーチ君はそれじゃーレベルを上げたら私も上がりますと言って別れた。


いやー!なんだかんだでリアル数時間はやってるね、こっちも夕方になるし、街に帰ったら俺も一旦上がろう。




祝福の腕輪について。

レベル1ごとにステータスがAll+1される腕輪。

レベル30までステータスも上がるので、最終的All+30になる壊れ装備。


ただしレベル30以降では、特化した装備が多数あるので、

あくまで、低レベル向けの壊れ装備。

隠しステータスで、経験値獲得ボーナス(小)もついている。



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