未知を知る遺跡②
乳酸菌、あなた疲れているのよ。
徐に扉を閉めるミザリさん。
「何あれ?本当に何あれ?え?え?」
口調が元に戻っているので、かなり予想外なんだろうなーあのモンスターは。アルさんも隣で頭を抱えて考えている。
俺とイザベラはとりあえず二人が落ち着くのを少し離れて待つ。
約10分ほどかかったがアルさんが俺にメッセージを送ってくる。
『このダンジョンのフロアボスが巨大なケサランパサランがなんて情報はなかったからね…これは、イザベラさんのユニーククエストが関係しているじゃないかな。今後のユニーククエスト攻略にイザベラさんのレベルが足りてないのかもしれない。だから、経験値を多く貰えるケサランパサランがボスとなっているんじゃないかな。』
なるほど。なら倒さないと駄目だよな。
アルさんの内容に納得していると、
「あんのモコモコ野郎を倒すにゃ!きっと良いものが出てくるにゃ!よし!いくにゃぁぁああ!」
バンッ!!と再び扉を開けるミザリさん。
「それじゃ、皆気を付けろよ!いくぞ!!」
アルさんも意気揚々と部屋にはって行くので、俺とイザベラも後を追う。
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アルさんが近づき、アビリティでヘイトを高め巨大ケサランパサランと対峙する。
「【威風堂々】お前の相手は私だ!!」
俺とイザベラはアルさんに防御魔法を重ねがけをする。ミザリさんはモンスターの背後に回り込み殴り付ける。
「にゃにゃにゃーー!!」
クリアは俺が覚えていない新しい魔法念動刃を使い攻撃を加えている。
俺もブリットを撃ったりしながら援護するが、魔法防御力が高いのか思ったより火力がでない。
ミザリさんの攻撃もものともしていない。……あの厚い毛が打撃やブリットの攻撃力を減少させているのかもしれない。
アルさんとクリアの斬撃は効いているように見えるが巨大ケサランパサランのHPは多く後々が不利になりそうだ。
何かできないか考えていると、急にパッ!とアイデアが閃く。
「ミザリさんこっちに戻ってきてください!」
「にゃ?なんにゃ!?今忙しいにゃ!」
「もしかしたら攻撃を強化出来るかもしれません!」
「わかったにゃー!アル!たのむぅぅ!!にゃ!!」
前線から飛び抜けて俺の前にきたミザリさんの拳に纏いをかける。
「にゃ?これでなぐるにゃ?」
「まだです!!」
先ほど覚えたスキル【魔色混合】を使う。
「指定色 赤! 情景は炎!!」
するとミザリさんの拳に纏った魔力が赤く染まり燃えるような色に染まる。
「にゃ!?にゃーー!?手が燃えてるにゃ!!にゃーー!でも熱くないにゃ?ほんのり暖かいにゃ。」
「それで効果があるかましれません。」
「わかったにゃっ!いってくるにゃー!!」
ミザリさんは駆けていき巨大ケサランパサランに肉薄し、ドッドッド!!と連撃を浴びせると怯み逃げるよう動く。
「おっしゃー!!いけるにゃ!!」
(良かった。カバーに炎の効果がついたようだ。毛玉は火に弱いよな!)
俺はマナポーションを飲んでから、次にチェインを発動させる。
「力の根源たる魔力の鎖よ、敵を縛り拘束せよ!束縛!からの指定色 灰 素材鉄!」
(さっきもそうだかMPの使用量が跳ね上がるな、そうそう乱発は出来なさそうだ。)
すると巨大ケサランパサランに絡み付く魔力の鎖の色が鈍い灰色に変わり、強度が増して拘束する時間も伸びる。
その隙にアルさんが自身の防御力を無視して攻撃の体制にはいり連撃を浴びせる。そしてチェインが切れると防御体制に切り替える。
(アドリブで対応できるのか、やっぱすごいなー。)
攻撃力が増したパーティーで、HPを約5割ほど削ると、巨大ケサランパサランが突然高速回転して無差別範囲攻撃に転じる。
細い針がパーティーメンバー全員に降りかかり被弾する。
俺は急いでクリアを俺の背後に戻しポーションを振りかける。
イザベラにも初級ポーションを飲ませて回復させる。
前衛二人にもポーションで凌いでもらっているとまた高速回転して針の雨を降らす。
アルさんは止めようとして手を伸ばすが、回転が速すぎるためか手が弾かれている。
俺はパレットで頭と胸を守り、イザベラとクリアは俺の後ろに居たのでなんとか軽症だが、このままだと前衛二人はジリ貧だ。
イザベラが【祈り】を捧げると癒しの風が吹きパーティーメンバーを徐々に回復する。
俺はどうにかしないと!と思うが焦りせいで思考が纏まらない。
せめていつ回転するか解れば、束縛で回転始めを止めれるかもしれないが、毛玉をみても挙動が全くわからない…………。
思考が錯綜する……。
そこにミリアの言葉を思い出す。
【まだファル兄には生き物なんて無謀だよ!!同じ種類の生き物でも全く同じ生き物はいないから、よく観察して隅々まで見なきゃ駄目なんだよ!?動きの仕草や表情、雰囲気なんかも大事なんだよ!】
アビリティ【観察】を発動!!
よく見ろ!よく見ろ!!何かしらあるはずだ。
目に力を集中させる。
巨大ケサランパサランの頭頂部の一部の毛がピンと伸びる。一呼吸後、高速回転を始める巨大ケサランパサラン。
また針の雨を受けるが俺は見るのを止めない!
(今のは…………。)
前衛二人は早く敵のHPを削る為手を緩められない。
イザベラも懸命に皆を守るため回復を頑張っている。
俺も出来ることを……!
また頭頂部の一部の毛がピンと………。
「クリア!!」と俺が叫び、一呼吸後に高速回転し始める前にクリアのチェインで回転を強制的に止める。
「よくやった!次もいけるか!?」
「ナイスぅーにゃ!」
「はい!回転は止めます!」
俺とクリアが交互にチェインを使いながら、リキャストを管理し回転に対処する。
そして…………十数分後。
「とどぉめぇーーーにゃっ!!」
ミザリさんが手に気力を纏め、武技を打ち放ち巨体が跳ねる。
巨大ケサランパサランは内から破裂するように爆発し跡形もなく消える。
超大量の経験値と大量のアイテムが入り喜ぶも束の間、イザベラは倒れ意識を飛ばす。
「やったな!おい!どうした!?」
「イエーイ!にゃーーー!!ダイジョブかにゃー!?」
「イ、イザベラァァァア!?」
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約5分ほど安静に寝かせているとイザベラが頭を押さえながら起きあがったので、俺は小休憩で巨大ケサランパサランからのドロップアイテム話をしていた二人に声をかけると寄ってくる。
「多分大幅にレベルが上がる際の急激な負荷だろうね。」
「起きなかったらGMコールするところだったにゃ。」
「本当によかった…………。横で急に倒れるからビックリしたよ。」
イザベラは体を動かし確認をするが問題は無さそうだ。
「イザベラ、本当に大丈夫か?」
「は、はい!」
「そうか……顔がまだ赤いね……。まだ無理は駄目だよ」
イザベラがなんかモジモジしてるけど……まぁいいか?
イザベラに状況を報告をする為にステータスを表示させる。
ファルべ job 画家 Lv30
イザベラ job 修道士 Lv30
アルフィード job 王国騎士/甲冑士 Lv30/15
ミザリ job 格闘家/行商人 Lv30/15
このダンジョンのレベル上限まで上がっている事を告げるとビックリしている。まぁ、そうだよな……俺もビックリしたよレベルアップが止まらなくて。
「多分俺達も外に出たら結構なレベルが上がりそうだな。」
「んだにゃ。3つは上がるにゃ!」
おー……本当にどんだけーー!!なモンスターだったようだ。
「五層のフロアボスなのに強かったな。ファルベ君よく高速回転のタイミングわかったな?俺は挙動がよく解らなかったが……。」
「あ、それあちしも気になる!!」
画家のジョブアビリティの【観察】の事を話す。
「ほぁー、そんなアビリティあるのにゃーん、画家って少ないから知らなかったにゃ。でもジョブアビリティじゃ覚えられそうにないにゃー。」
「多分だが、似たようなスキルが何かはあるはずだ。」
「スキルって色々ありますよね。」
「あっ!さっきの手に掛けた魔法!!あれはなんにゃ?強化魔法にゃ?」
「さっき覚えた【魔色混合】で魔力に炎の意味を持たせてみました」
「にゃー?そんな簡単に使えるのにゃ?」
「んー、多分センスっていうスキルのせいですかね?なにか出来ないか考えていたら急に……こうパッ!と思い付いた感じです。」
「おいおい………なんだそのスキルは?」
自分のスキル構成がのっているステータスを見せると二人は唖然としている。
「なんにゃ?これ?知らないものがちらほらあるにゃよ?」
「うーん………………この奇運とかも初めてみるな。幸運や悪運は見たことはあるが…………。」
二人の結論としては、俺はあまり他人にスキル構成を教えない方が良いらしい。
イザベラも落ち着きを取り戻したので、回復アイテムを分配をして、俺達は再度最下層を目指し進む。
これ以上書くときっと誤字る!!orz
駄目でした!!切腹!!!




