プロローグ
中学生の頃に友人と描いていたリレー漫画が元ネタなので、書いているとイラストを描きたくなってきます。
絵もストーリーもめちゃくちゃだったけど当時は楽しくて、大学ノートを20冊は消費したかと思います(笑)
今でも友人とはキャラクターを引用してオリジナル作品を作りあって楽しんでいます。
時間はかかりますがじわじわ話を進めていこうと思っているので、長い目で生温かく覗いていっていただければ幸いです。
感想等あれば絶賛でも罵倒でもやる気が出ますのでどうぞよろしくおねがいします。
『……ソノ血肉、我ニ寄越セ……』
ユラリ、と実体のないナニカが揺れる。
そのナニカに対峙する人影。
「嫌……」
俯く純白髪の少女は、か細い声でこたえる。
ゆっくりと顏を上げ、揺れる赤いナニカに向かい叫んだ。
「嫌よ!」
『寄越セ!』
途端、もの凄い速さで赤い腕が少女に伸びた。が、その腕は少女に届くことなく、バチッ、という嫌な音と共に弾けた。
「嫌がってんだろ?」
少女とナニカの間に立ち塞がる少年がいた。
少女とよく似たその少年は、銃に見立てた右手をナニカに向ける。
「女の子には優しくしないと……」
少女とは真逆の漆黒の髪を揺らし
「モテないよ?」
おどけたようにそう言った。
『フザケルナアアァアァァァ!』
激昂したナニカは次々に攻撃を繰り出す。
少年はじりじりと後退しつつも、その全ての攻撃を両手で弾いた。
一際速い、鞭のようにしなる腕が伸び、紙一重でそれを躱す。
躱された赤い腕は、そのまま少女へと向かった。
____刹那、少女は一枚の札を手にし、小さく呟いた。
【召喚___】
少女の持つ札が、透明な光に包まれシルエットが変わっていく。
【__閃守!】
少女が扇型の武器を振るい、その一閃で赤い腕が弾き飛んだ。
『ギャアアアァアアァアァァァアァァアアァッァアアァ!』
赤色がゆらゆらと激しく揺れ、耳を劈くような悲鳴が上がる。
「お願い!」
「はいよ~っと」
少女が新たな札を投げ、少年は軽い調子で受け取ると構えた。
瞬間、少年の手の中が輝き、札は小瓶のそれへと形を変える。
【召喚___吸引瓶!】
少年が叫び、小瓶のコルクを抜くと、赤い弾けた欠片と揺れる躰が吸い込まれた。
〚 封印! 〛