転生後:日常(…?)4
「…リネシア姉様…」
あれは父様の親友でいらっしゃる…ヴェミス様、だっけ?
体を強張らせた私の手を姉様が握る。
「…任せて、な?」
「…はい。」
震える足に力を入れて、できるだけしっかりと立つ。
これまでの体験で…人が恐いから。
私は時々パニックになる。
「これはこれは。リネシア様にリーナ様。」
「ヴェミス様、お久しぶりでございますわ。」
笑顔を貼り付け、綺麗に見える様に一礼。
「ヴェミス様、父がお世話になっております。
…こちらにいらっしゃるのは珍しいのではありませんか?」
「あぁ、そうですね。少し仕事の用がありまして。
そうそう、おめでとうございます。
では失礼いたします。」
おめでとうございます…?
意味深な一言を残して彼は立ち去って行った。
姉様と2人、顔を見合わせて首を傾げる。
「何かあったのか?」
「…わかりませんわ。」
突然父様の部屋のドアが開き、父様が物凄い勢いで出てきた。
「おい、アイツどこ行った!?」
「あちらに」
姉様と2人で指をさせば父様はその方向へ叫びながら走っていった。
「どういう事だ!説明しろ!!」
父様…威厳も何もなくなってるよ。
開いたままの扉から母様が顔を出した。
「あらリネシア!どうしたの?」
-30分後-
「という訳で、使えない部屋があったり
足りなかったら受け入れる事になると思う。」
…そんな事聞いてない。
「わかったわ。
…リーナ、何人なら受け入れても大丈夫かしら?」
「…6人、なら。」
会わない様に避ければ何とかなる、はず。
「本当にか?無理はしなくていいよ。」
私の顔を心配そうに見てくる2人に罪悪感が少しだけつのる。
それにいつまでも我が儘はいえないし。
「…姉様が信じてくれないなんて…」
そう言えば姉様は言葉を詰まらせた。
「それは、だな…」
「まぁまぁ、いいじゃない。リーナの意地なんだから」
母様は笑いながら私の頭を撫でた。
母様にはお見通しか。
「…母様、そういえば何かございましたの?」
先程の父様の様子とか…只事ではない、よね。
「…あったわね。
何でも爵位が上がるそうよ。
父様が宰相に任命されたんですって。」
私と姉様はその言葉を聞いて固まった。
結論:環境がいきなり変わると知らされるとかなり混乱する




