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兎とクリスマス

作者: 烈火
掲載日:2011/03/21

この小説は『星になった女の子』の書き直しをしたことで感化され創作しました

『星になった女の子』のような雰囲気の作品が好きな方にお薦めです。逆もしかりですので、未読の方は読んでいただけるとうれしいです^^

注意としては、設定の一部に根拠のないものがあるのと、最初から書き直しをしたために誤字があるかもしれない点です。後者の誤字は時間があるときに直していきたいと考えています


それは寒い寒い日だった、俺の部屋がまるで冷蔵庫のなかのように感じられる

「なんでこういう寒い日に限って、ストーブ壊れるんだよ」

愚痴をこぼすと白い息が出る、寒いなら厚着をしたり毛布を被るとかすればいいと思うかもしれんが、俺の部屋の扉が壊れていて、風通し抜群の今の状態を見たら無駄な努力だと思い直すだろう

扉が壊れたのは隣に住んでいる女の旦那が、酔っ払って間違えて俺の扉をぶっ壊したのが原因だ

「なんで夫婦喧嘩で扉壊すんだよ、てか間違えんなよ」

愚痴を言っても扉が直るわけじゃないが、そうでもしないとやってられない。幸いな事にヤのつく仕事してそうな強面の旦那は、見た目よりもいい人なのか、扉の修理代は払ってくれるそうだ。ならばなぜ修理が終わるまでどこかのホテルとかに行かないかだが、それには簡単な理由がある・・・・そう金がない

「くそう寒すぎる」

だからといってヤのつきそうな男に、金がないので修理終わるまでのホテル代を請求できるかって言われたら、誰だって無理だろう

「仕方ねえし、コンビニいくか」

俺は周りに落ちている服をとり、適当に選んで着る。お金がなくても入れ24時間空いている上寒さも凌げるコンビニ、そこにしか俺は希望がなかった

「おお」

外に出るときにあるはずのない扉をさわろうとしたが、当然手は空を切り、その空虚感は無視して冬空に輝く星や月を見上げる。凄く綺麗で憂鬱な気持ちが少しなくなる

「よっとっと」

軽快に錆だらけの階段を下りて、歩道に出る。歩道には人は誰も居ない、それを確認し今の気持ちをごまかすために、口笛をふきながらスキップする、正直誰かが見たら痛い光景だが、今は無理にでもテンションをあげたかった

「ん?」

しばらく進むと、体操座りした女がうつむいている。道が暗くてさっきは気づかなかったのだろう。スキップしているのはたぶんうつむいているから、ばれていないだろう。俺は女の前を気づかれないように通り過ぎようとする

「ねえ」

何か聞こえた気がしたが気のせいだろう

「ねえってば」

俺は気にせず前に行こうとするのだが、足が何かにつかまれていて動かない、仕方なく後ろをみると女が俺の脚にしがみついている、白いタートルニットに白いマフラーと全身白く、まるで兎のように感じた。ただ兎だと思ったのは、その目が泣いた後だからか赤かったのも理由だ

「俺に用?」

「他に誰もいないじゃん」

確かにさきほどからこの女以外は誰もいない、ということは俺に話しかけてきたのだろう。それは分かるのだがこんなところに座ってる女に関わるなんて、厄介ごとに巻き込まれそうでいやだったから無視していたのだが

「暇でしょ?デートしよ」

そうやら俺の耳は不調をきたしているらしい、何やらデートを申しこまれたきがするのだが、というかこの女、電灯から少し遠いせいで見にくいが、お世辞抜きでかわいかった。だがその程度でうろたえる俺ではない

「顔赤いね、私とデートしたくなった?」

「えっと、すまんデートを申し込まれたきがしたが、違うよな?」

「耳遠いの?何回も言ってるじゃないですかおじいさん」

「そうなんじゃよばあさん」

思わずノッてしまったが、それに女は受けたのか吹き出す

「結構ノリいいじゃん、ノリいい人好きだよ」

よいしょって言葉が聞こえそうな感じで起き上がり、座っていたところをはたくと、女は握手を求めているのか、自己紹介しながら手を差し出す

「私は|白野宇佐美≪しろのうさみ≫よろしくね、えっと君は?」

「俺は|小野寺修≪おのでらしゅう≫だ、デートとか言ってたが本気か?てか兎みたいなやつだと思ったが、名前も兎っぽいな」

「じゃあ兎って呼んでもいいよ、デートは本気だよ君暇そうだしちょうどいいもん」

初対面なのにはっきりと言う女ではあるが、顔は悪くない、俺のような男を誘うとは物好きだと思いながらも、一応嘘でも格好をつけてみる、ていうか自分を兎呼ばわりされて怒らないのか

「暇じゃねえよ、今から彼女に会いに行くんだよ」

「嘘だね、だってデートならそんなださい格好なわけないし、それに今日はクリスマスだよ?もっと普通は気合いれるでしょ」

クリスマス・・・・。そう俺が憂鬱なのは何も部屋の扉が壊されたりしただけじゃない、クリスマスという恋人のいるやつなら、最高にハッピーな日に一人でいることも理由なのだ

「お前それは言っちゃいけないよ、嘘だと思ったなら余計にな、そうだよクリスマスなのにどうせ俺は淋しく一人ぼっちだよ」

「だ・か・ら私とデートしようよ」

これが小悪魔というやつだろうか、からかうように俺を見て笑う。このやろうめ

「格好は白い兎だが、怪しい誘いを持ちかける悪魔にしかみえんな」

「なにおう、まあ気持ちは分かるけどね。安心してよ本当にただデートしたいだけだし」

嘘をついてはいないと・・・・思う。ただ怪しいのは確かだ

「どこ行くの?」

「兎話を進めるな、まあ暇なのは確かだしな、仕方ねえボランティアだ」

なんだかんだで相手は美人だ、まあ性格は変だが。悪い気はしない俺は行き先を変更してレストランに向かうことにした。

「そうだ、人気のないところ連れて行くとかだったら、殴るから」

「さらっと怖いこと言うな、安心しろ以前俺がアルバイトしてた店だ」

「へぇ、何がおすすめ?」

「エスカルゴ」

何となく印象に残っていたものを口に出したのだが、兎は凄く嫌そうな顔をする。かくいう俺も見た目的に嫌いだった。

「まあ俺も嫌いだけどな、見た目グロいし」

てっきり自分が嫌いなのにおすすめするなとか、文句言われる事を予想していたのだが、予想外にも兎は同意を示し何度も相槌をうつ

「だよね、元がかたつむりとか考えるだけで、うえっ」

「たしかにな」

少し遠いが店が近づいて来ていた、深緑色のマフラーをしっかりと首元に絞めなおす。兎はあまり寒くないのか平気そうでうらやましい

「もしかしてあの店?」

少しずつ近づいていくとライトアップされて、雰囲気のよいカップルの客いっぱいの店内が見えるほどに近づいていた。正解だったので頷くと、予想よりもよかったのか感心したようだ

「結構良い店知ってるんだね、へぇ~」

店のことを褒められているだけなのに、自分の事を褒められているようで満更でもない気持ちだった。店の扉をあけると暖かい店内の空気に包まれる。お金がないのだがこの店の主人とは仲が良いのでただで食べられると知っていたのも、ここにきた理由だ

ちなみになぜこの店ではなくコンビニに行こうとしていたのかは、簡単に言うとカップルに人気で一人では入るのがためらわれるからだ

「いらっしゃい、あれ修君?久しぶりだね」

「お久しぶりです|幸恵≪さちえ≫さん」

入るとすぐにこの店の主人である幸恵さんが俺に気づいた、アルバイト終了後はあまり顔を出さなかったが、相変わらず幸恵さんは元気そうで安心した

「そっちの子は彼女?修君にはもったいないぐらい可愛いわね」

彼女かという質問に胸の辺りが傷む、それで顔をしかめてしまったが、すぐに兎が返事をしたのでごまかせただろう

「いえ彼女ではないです、白野宇佐美です。よろしく幸恵さん」

「あら?そうなんだ?よろしくね宇佐美さん」

同意を得るように幸恵さんが目を合わせてくる、俺はそれに頷き返事をする

「幸恵さん相変わらずお客さん一杯ですね、席空いてますか?」

「ええ、カウンターが二つ空いてるから大丈夫よ」

ちょうど二つしか空いていなかったのか、危なかったと肝を冷やすが、兎のあきれたと言う言葉が聞こえそうな表情には、苦笑いするしかなかった

「忙しそうですし、手伝いましょうか?」

「気にしないで、そんな事より宇佐美さんと話しなさい」

「はい」

弟をしかる姉のように人からは見られるのだろう、それが俺にとってはいやだが。変えられないのは事実なので、あまり仕事中に引き止めては悪いと、二人でカウンターの方に向かう

「ねえアルバイトの理由ってさ幸恵さんでしょ?」

図星だった、俺は少し恥ずかしさもあったが、その通りなのですぐにこたえる

「まあな」

俺があっけなく答えたのが意外なのか少し驚いたようだった

「じゃあさ何でクリスマスなのに誘わないの?」

「もう告白して振られたよ」

少しの沈黙があって、申し訳なさそうに手をあわせる

「そうなんだ・・・・ごめん」

「いいさ気にするな」

調理師の免許を取って自分の店を立ち上げ、笑顔一杯で毎日働く幸恵さんを俺は尊敬したし好きになった

わざわざアルバイトまでして近づいたけど、でも告白は失敗。まあ当然の理由があるのだが

「幸恵さん既婚者なのに告白しちゃったんだよ、知らなくてさ結婚してるの」

「え?ええ!!?」

突然耳元で大声出されるのって嫌だな、まじで耳がキンキンする。店内の人は何事かとこちらを見るが兎がすぐになんでもないと言って、何度も謝ると、お客さん達は気にするなというように手を振ってくれる

「もういきなりビックリさせないでよ」

「お前の声が一番ビックリしたわ」

「ごめん」

妙に落ち込んでいるので、俺も気にしてないと手を振る

「でもさ何で知らなかったの?」

「幸恵さんの旦那さんて外国に料理の勉強しに行ってるんだよ、それで二年ほど帰って来ないらしくてさずっと一人で店やってるから、結婚してるなんて分かんないよ。料理で邪魔になるから指輪もはめてないしさ」

「なるほどねぇ、無意識に人妻口説いたんだ」

「それをいうな」

確か俺が告白したとき幸恵さんは、しばらく何を言われたのか分からないって顔をしていた。それで急に二階の自分の部屋の方に行っちゃったから、俺は何が起きるのかと心臓バクバクだった、戻ってきた幸恵さんの手には結婚指輪と、結婚式での写真。その時俺の初恋は終わった

「うわぁ」

俺の初恋失敗談を聞かされて、兎は心底俺を同情した目で見る。笑われた方が幾分かマシかもしれない

「旦那さんてどんな人?」

「めちゃくちゃカッコいい、どこのモデルって感じ。料理もやばいらしい」

正直に言って写真を見て俺は完敗どころか、不戦敗に持ち込んだ。あんなイケメン勝てるわけがない

「どんまいだよ修」

兎に背中を優しく叩かれる、さっきまで他人だったのに良い奴だなこいつ。俺は涙が出そうになるのを堪えていると、幸恵さんがメニューを持ってきた。よほど忙しいのか結構時間がたっている

「ごめんね、はいメニュー。そういえばさっき宇佐美さん大声出してどうしたの?」

俺は本当のことを話すとは思えないが、一応兎に目で訴えかける。本当のことは言うなと、それを理解したのか兎は一回頷き理由を話しだす

「修が私のこと好きだっていってきたので」

「おい俺vそんなこと言っ!」

全部言う前に口をふさがれる、耳元で口裏を合わせろという言葉。確かに俺が本当のことを言わないように釘を刺したのだから、文句を言える立場ではないかもしれんが

「あらあら仲いいのね、もしかして晴れてカップルなの?」

どうやら幸恵さんの目には俺が口を抑えられている光景は、仲のよいカップルにみえるらしい。

「そうなんですよ~ねぇ修」

「・・・・・あっ、ああ」

俺は必死に笑いながら同意する、まあ今更幸恵さんに勘違いされても困らないんだけどね、それを考えるとますます落ち込みそうになる

「えっと修君、二人ともおすすめいい?」

メニューにはおすすめなんてないのだが、常連客やアルバイトをしていた俺には少しボリュームとかを多くしたおすすめを頼む権利がある、幸恵さんが選ぶ料理は外れがなかった俺は迷いなく頷く

「じゃあ少し待っててね」

「はい」

厨房に幸恵さんが入っていくのを確認し、兎の方を見る

「ごめん、理由特に思いつかなくって」

「まあ仕方ないさ、お前こそ勘違いされて嫌だろ、お互い様だ」

「別に嫌じゃないけど、修みたいに好きだった人に勘違いされるのはやっぱきついね」

最初に会ったときは変な女だと思ったのに、一緒にいるうちに少しずつ兎の優しいところが分かってきたので、素直に言葉がでた

「お前優しいな、ありがと。ほんとに大丈夫だから」

「別に優しく・・・・ないし。まあ修が大丈夫っていうならいいけどね」

俺に優しいと言われて、照れているのか分からないが、うつむく兎。その姿は最初に会ったときの体操座りした、泣いた跡のある姿にだぶった

「そういえばさ、なんで泣いてたんだ?」

兎ははっと顔を上げて、くちびるをかみしめ泣きそうになりながら、言おうか言わないか迷っているようだった

「別に無理して話さないくてもいいから、そんな顔すんなよ」

俺はそれ以上その痛々しい顔を見たくなくて、そう小さな声で呟く

「ごめんね、修のことは一杯聞いたのに、私の事は何も話せなくて」

「いいって」

並々ならぬ事情があるのだろう、俺はそれ以上聞かずに料理が来るのを待った。その間は気まずくならないように俺は部屋の扉が壊れた話とかをしていた、時折兎は笑ってくれたが、やはりどこか上の空だった気がする

「おまたせ~」

そんな気まずい二人の空間に奴がやって来た、ちなみに幸恵さんのことではない。奴とは幸恵さんの手に載せられた、いくつかの丸い窪みがある熱々の鉄板に置かれた、円形の物体だ。それの名前を一般的にはこう言うエスカルゴ!!

「「えっ?」」

二人ではもってしまった恥ずかしさ以上に、さっきのシリアス空間以上に、その存在感に俺たちは固まってしまった。そんな俺たちに気づかずに幸恵さんは、鉄板を目の前に置く

「冷めないうちに食べてね~」

今日のおすすめが何かと聞かなかった俺も悪いが、あんなにも動揺しているときにいちいち気が回るわけが無い、かといって出された物が苦手という理由で捨てさせるのか?目の前で俺たちが食べだすのを待っている笑顔の幸恵さんに、幸恵さんはもう一通りの仕事が終わっているのだろう、俺たちの感想を待っているのだ

「どうしたの?冷めちゃうよ?」

それに俺は今日金を持ってきていない、幸恵さんのことだきっとこの料理を食べずに捨てても俺の頼みを聞いて無料にしてくれるだろう。だが・・・だがしかしかといって、食べずに捨てさせて金払わないって最低どころの話じゃない、俺と兎のどちらかが食べれればよかったのだが。

「いっ、いただきます」

俺は恐怖で口が開かないのを無理やりにこじ開ける、隣の兎は手に持ったフォークが震えてうまく取れないようだった、俺はその戦友の姿を横目で見ながら、恐怖の対象を口に含むのだった


俺と兎は幸恵さんに見送られながら外に出た、外は相変わらず寒いが、今の二人にはそれ以上のものが心を占めていた。

「なあ兎」

「なに?」

二人の記憶には先ほど食べたエスカルゴしかない、あまりにも凄すぎたせいで簡単には忘れられないはず

「凄かったなエスカルゴ」

「うん」

俺と兎は顔をあわせて同時に叫ぶ

「「美味かった~!!!!」」

街中に響く声、周りに誰もいないし気にしない気にしない。そうエスカルゴは美味かったのだ、冗談ではなく、正直見た目でアウトだと思ったのだが、もう一度食べようと決心するほどよかった

「俺エスカルゴを今日から尊敬するわ」

「分かる分かる、あの見た目からは想像つかない美味さだったよね、私もまた食べたい」

少し前まではエスカルゴに批判しまっくてたのに、それを考えると今の大絶賛ぶりに吹き出してしまう

兎もつられたのか一緒に笑う、一緒に肩をたたきながら。まるで何年も連れ添った恋人みたいに近い距離でだ、距離を意識すると急に恥ずかしくなって、顔が赤くなる

「あれ顔赤くない?もしかして部屋にいるとき寒すぎて風邪ひいてた?」

おでこに兎の手が当てられる、ひんやりとした手のひらは気持ちよかったが、顔が近くなるので余計に恥ずかしくなって、さらに顔が熱くなる

「本当に熱いよ、どれどれ」

俺よりも頭一つ小さい兎は、つま先立ちをして俺のおでこに自分のおでこをあわせる。狙っているのなら凄いが天然でやっているのだろう

「ばかっ顔近いって」

「ん?んん?もしかして照れてるの?へぇ結構初心なんだね修」

からかうようにまた顔を近づけてくる、俺はびっくりして下がろうとするがつまづいてしまう

「うわっ」

「きゃっ」

兎は前かがみになっていたせいか、タイミングよく俺の上に倒れてくる。コンクリートに真正面から倒れるのは危ないので、体で受け止める。思った以上に小さな体が倒れてきた

「いってぇ、兎びっくりするだろうが」

「ごっごめん」

慌てて立ち上がる兎は電灯から遠いのに月明かりで真っ赤なのが、はっきりとみえた。人を恥ずかしくさせてからかう奴なので、もっとけろっとしていそうだったため、俺は意外に感じた

俺も立ち上がり、上着を脱いで汚れたところを払う、その間兎はせわしなく俺の方を見たりしていた

「怪我ないか?」

「えっ!?ああうん大丈夫みたい」

「そっか」

さっきの俺との立場がまるっきり変わってしまっていた、俺はいたずら半分にさっきの兎みたいに顔を近づける

「うわ!!わわっ」

面白いほど反応する、なるほどからかう面白さが分かったかもしれない、とりあえず本当に怪我はなさそうだった。しかし、まるで別人みたいに物静かでやりづらい

「デートって言ったけど、他行きたいとこあるか?」

聞こえていないのか、手をうちわみたいにして仰いでいる。今は冬だぞ・・・・

「お~い、聞こえてるか~?」

「ひゃう!?」

体をびくっとさせて、兎は目をぱちくりさせて俺を見て、ようやくさっきの質問を思い出したのか、慌てて答える

「うっう~ん公園とかどう?」

少し調子戻ってきたのか、さっきよりも声が大きくなってきた

「ていうか修、転ぶとか恥ずかしいじゃん」

「おう、悪い」

すっかり調子が戻ったようなので、俺は一安心する。さっきみたいな感じだとあんまり心臓によくないからな、変に意識してしまうし

「公園っていうと、あああそこがいいな」

俺は結構散歩が好きで、よくおじさんみたいって言われるが、散歩はいいものだうん、まあとりあえず俺は散歩好きなので公園の穴場とか知ってるのだ

「どこかあてがあるの?」

「夜でしかもクリスマスならな、まあ期待していいぞ」

俺は兎が期待ではなく不安そうな顔をしているのに、若干不満だったが、公園につけばその顔が感動に変わるのを知っているので、迷い無く進む。兎は幸恵さんの店に行くときも思ったが、歩くのが遅い。だからいつもなら10分で着く距離を15分かけて歩いた

「どうだ凄いだろ」

公園に近づくにつれて、強い光が見えてくるから、なんとなくイルミネーションがあるのは察していただろうが、雪と光のコラボレーションの予想以上の美しさに、兎は言葉も出せないようだった

「きれ~やばいねこれ」

運がいいことに人はほとんどいなかった、そのおかげで目の前には幻想的な光景しかなかった

「だろ?俺のお気に入りの場所なんだよ、イルミネーションなくてもこの公園は色々四季を楽しめるところだぞ」

「へぇ」

俺の言葉も上の空か・・・・。大層気に入ったのか兎は公園を走り回っている、これだけ喜んでくれたのなら連れてきて正解だったなと、俺は思いながら近くのベンチに座る

「ねえ修走り回ると景色が動いて凄いんだよ」

「ああ、だろうな」

「だろうなって、ほら行くよ」

ベンチから腕を引かれて立たされ、一緒に公園を走る。兎は本当に楽しそうに笑う、俺は景色よりもその顔ばかり見てしまっていた、その視線に気づいた兎は顔を赤くしたが、また力強く俺を引っ張りながら走りだす

「おい兎そろそろ疲れただろ」

俺のほうが息が上がったきがするが、それは必死に隠していると、兎が俺の手を急に離す

「全然!!おっ、いいもの発見」

突然兎は綺麗な雪のところにしゃがみ、何かをしはじめた

「おい何してんだって・・・・うおっ」

兎が振り向いた直後、わりと大きめな白いものが跳んでくる

「へっへ~隙ありだよ~」

「このやろ~」

俺は危うくそれを避けるが、次々と投げられる雪球の一つに当たってしまう、してやったりという顔の兎に、こちらも雪を探すが、残念ながら公園の利用客のためにか通路となっている俺の近くには、雪はほとんどない

「ちょっ兎、卑怯だぞ」

一方的な攻撃に俺はたまらず兎から離れる

「こら逃げるな~」

兎が追いかけてくるが、俺はほかに雪がたまってる場所に行き、急いで雪球を作る。振り向くとさすがに疲れたのか兎が息を整えて立ち止まっている、チャンスだと思い俺は投げた

「ひゃっ」

クリーンヒットだった・・・・・。顔に当たってしまった雪球をうらみながら俺は兎に駆け寄る。手加減をすればよかったのだが、俺もつい本気になってしまった

「すまん兎顔大丈夫か、ぐはっ!」

兎は顔を隠していた手にさわる瞬間、隠していた雪球を俺の顔に至近距離で当ててきたのだ。俺は呆然としてしまったが、兎の作戦にひっかかったことを理解して、笑いがこぼれた

「いってぇな・・・・完敗だよ」

顔が雪だらけで冷たかったが、兎の得意げな顔に苦笑するしかない。だが作戦とはいえ顔に当たったのは事実、俺は兎の顔についた雪を払ってやる

「これね、小学校の時女子に雪球当ててた男子に仕返ししたときの方法なんだ、あの時は顔じゃなかったけど」

「俺はいじめっ子と同じかよ」

思わず文句を言ってしまうが、冗談の文句なのに兎は真剣な表情で首を振る

「違うよ、むしろ修にデート強要させてるの私だもん、いじめっ子は私のほう」

「別に強要されてないぞ?好きで付き合ってるんだし」

俺は本当に迷惑ではないと思ったし、強要されてる気は少しもなかったが、その返事になぜか悲しそうに目を伏せる

「ボランティア・・・・だもんね」

「まだその言葉覚えてたのか、今は違うぞ。お前がいいなら・・・・また付き合ってもいい」

俺は勇気を振り絞って正直な気持ちを言う、今感じてる親しみが恋愛感情かどうかは置いといて、一緒にいて楽しいのは本当だし、次の機会があればいいとも思う

「ありがと、凄くうれしい。でもごめん」

「え?」

俺は断られるとは思ってなかった、さっきまでの楽しそうな顔は嘘だったのだろうか、別に告白とかしたわけではないのに

「誤解しないでね、修といた時間はすっごく楽しかった。たぶん今までの人生で一番」

一番という言葉はうれしいが、それならば何故次の約束を拒否されたかが分からない、俺の困惑の表情に兎は申し訳なさそうだった

「私が今から言う事は独り言です、もし誰か聞いていても忘れてください」

兎が急に言い出し意味を理解する前に、体を寒さではない何かで震わせながら語りだした。予感めいたものがあった、俺は次に兎が話すことを聞きたくない

「白野宇佐美は難病にかかっています、昨日担当の先生から手術をするか聞かれました。手術の成功する確立は20%・・・・。失敗すれば寿命1年だそうです、成功すれば定期的な検査を続ければ結構生きられるそうです、早めに手術すれば成功したときに生きられる時間が増えるそうです、手術しなければ生きれて3年」

淡々とした口調には何の感情もないが、それ故に兎の言葉が嘘じゃないと分かる

「私は手術するべきかなぁ?」

誰に聞いたのかもしかしたら俺かもしれないし、自分自身の可能性もある。どちらにせよその質問する声は涙声だった、淡々とした口調で話せたことは奇跡なのかもしれない、兎の心は恐怖や不安で押しつぶされそうだったから・・・・・・

「俺は・・・」

「はい話は終わり!修は何も聞いてないし、今日は誰とも会ってない、デートもしてない」

拒絶の言葉、きっと兎はこのまま俺の前からいなくなろうとする。俺はそれを感じ取り、兎の手を掴んで抱き寄せる。恋愛感情かどうかとかどうでもいい、ただ兎の特別になりたかった。

「修ってあったかいね」

「お前は冷たいな、兎だからあったかそうなのに」

俺の冗談に兎は小さく笑う、俺の胸に顔を押し合えて、絶対に声を出さないようにして泣いた。俺は何も言えずに抱きしめるしかなかった。俺が体育座りした兎を見つけたときに、こいつは死への恐怖と戦っていた、だから泣いていたんだ。そして偶然通った俺に恐怖からは遠ざけて欲しかったのだろう、楽しかったら恐怖を忘れられるから・・・・・・・。

「ねえ修」

「ん?何だ」

俺は兎を抱きしめる感触だけを感じながら、すがるような声に耳を澄ます

「私に勇気を頂戴」

俺は兎の冬の寒さで冷たくなった唇に、言われたとおり勇気が届けられるようにと祈りながらキスをした

唇は緊張して震えてたけど、しばらくそのままでいると笑みの形に変わって、ゆっくりと離れていく

「ありがと修、私手術受けてみるよ。もし成功したら次はどんなところに連れてってくれるの?」

「まだまだ穴場の公園あるし、幸恵さんの店にエスカルゴまた食べに行こう、他にも一杯あるんだ兎に見せたいところ」

「うん、すっごく楽しみ」

兎は眩しすぎる笑顔を見せて、公園を出て行った。俺はそれを姿がみえなくなるまで見ていた

「あれ、涙でてるや。あんなかわいい子とキス出来たんだぞ?笑えよなあ、おい笑えって!!」

誰もいない公園で一人泣いている男、さぞかし滑稽だろうけど。俺は涙が次から次へと出てくるのをとめられなかった、俺は泣きつかれて自分の部屋に戻り、寒い部屋の中でまた泣きながら朝を待った


俺は結局一睡もできなかった、でも涙はもう止まっていた。兎こと白野宇佐美はどこかの病院にいるはずだから、俺は彼女を探す事にした

「はい、はい、分かりましたありがとうございます」

近くの病院に電話して兎を探すが、一向に見つからない。どんどん遠くの病院に電話していくが、まったくもって見つかる気配がない。手術するのにあまり離れるはずがないのだから近所だとは思うのだが

そして俺は一つの仮説にたどり着いた。兎は難病といっていたそれならば、ある程度施設がしっかりしていて、この家の近く。そして個人情報を守るために病院が兎を探しているといっても、入院していることを教えてくれないのではないだろうか

「この条件に当てはまるのは、ここだ!!」

俺は近所の地図を見て、大病院で近所という条件の場所を見つけた。俺の直感のようなものもここだと言っているような気がした

「おう兄ちゃん昨日は悪かったな、ところで扉やけど今日修理きてくれるらしいで」

外に出るとヤのつきそうな仕事してそうな旦那さんがいた、大きな体で道が防がれていて通れそうに無い

「すいません急いでいるので通してください、それと修理代の件ありがとうございます、あと奥さんとしっかり仲直りしてくださいね」

「おうすまんな今どくわ。それとけんかの件やけど安心しいや、昨日ばっちり仲直りしたわ。それより兄ちゃん慌ててどこ行くんや?」

会釈しながら横を通り、俺は後ろにいる旦那さんに返事をした

「昨日好きな奴ができたんで、そいつに会いに行くんです!!」

「そうか~頑張れよ~」

後ろの声援を聞きながら走り出す。絶対に兎の手術は成功する、それで俺が祝ってやるんだ一緒に

俺はそれだけを思いながら、明るくなりはじめたばかりの空を見上げた、今日は晴れそうだな


「ここか、ふぅ」

大きく息を吐く、ほとんどノンストップでここまで走ってきた。俺はあまり体力があるほうではないのだが、これが愛の力か。とか柄にもないことを考えながら、病院の中にはいる。

「すいま・・・せん、あの」

「大丈夫ですか?」

俺の息絶え絶えの様子に受付の係員は、心底心配そうに尋ねるが。それに答える時間はない

「白野宇佐美さんの・・・・手術時間と、病室・・教えてください」

なんとか言葉になったというかんじの言葉だが、係員は聞き取れたのか驚いている。だがすぐに涼しい顔になって、手元にある紙を見る。俺の予想は当たっていたらしい

「白野宇佐美様とはどういう間柄でしょう?」

意外にも係員の人は病院内に兎がいるのをあっさり認めた、そしてこの質問は結構大事だろう、俺は慎重に言葉を選びながら答える。

「恋人の予定だ」

「は?」

おっと言い方が悪かったようだ、俺は次はしっかりと聞き取れるように言い直す

「将来の旦那の予定だ」

「・・・・・・・・。お客様、正気ですか?」

思いっきりひかれているらしい、だが本気だった。あんなにも誰かといて心地良かったのは初めてだっただからずっと一緒にいたいと思った。あんだけ泣いていた兎と、もう会わなかったら一生後悔する

「頼む、俺はあいつの不安を少しでもなくしてやりたい!!」

周りが興味深そうに見てくるが、俺は係員の目しか見ていなかった。少しでも目をそらしたら教えてくれない気がしてた

「はあ、後で怒られるだろうなぁ・・・・・。分かったよ教えてあげる、ただし生半可な気持ちで今から会いに行こうとしてるなら、やめてね会うの」

そういってメモに病室と手術の開始時間を書いてくれた、手術までは一時間ほどあったが、もしもすぐにこの病院に行き着かなければ手遅れだっただろう

「ありがとう、全部が終わったら改めてお礼に来ます」

「期待せずに待ってるよ」

「いえ絶対来ます、兎・・・じゃなくて宇佐美さんと一緒に」

俺の言葉にニカっと笑って、係員の人は新しく来た人の受付に意識を移す。俺もメモに書かれた部屋に着く事を最優先に意識を集中させる

書かれた部屋番号は309で、三階だった。エレベーターにはたくさんの人が乗っていたので、俺は迷わず階段を駆け上がる、正直足が痛いが無視して進んだ

「はあっはあ」

息を乱しながら階段を上りきり、廊下に出る。車椅子の人が世間話している横を通り、扉につけられたプレートに目を通す、どうやら階段をのぼった正面の部屋は305らしい

「306、307、308・・・・・309。」

目的の部屋についたプレートにはしっかりと白野宇佐美の名前、俺は勇気を出して扉を開けた。白いスライド式の扉を開けると、そこには白い兎がぽつんと横たわっていた、兎は最初に会ったときみたいに涙で目が真っ赤だった

「え?・・・・修?」

「そうだ小野寺修だよ、兎」

「夢だよね?こんなに都合良いことあるわけないし、だってこの病室教えてないしさ」

「夢じゃねえよ、てかまた泣いてたのか?勇気足りなかったのかよ」

兎は赤い目を何度も何度もぬぐってからようやく顔をまたあげた、俺の顔をじーっと見てはまたぬぐってを繰り返す。3回ほど繰り返してからやっと、夢でないと理解したようだった

「どうやって?」

「そりゃお前、愛の力だよ」

「まじめに答えてよ!!」

俺は兎の声で一度黙ってから、俺が病院を探し当てた理由と、病室は係員に聞いた事を話した

「将来の旦那って本気?」

「大マジだけど?」

兎はこの病室に入ってから初めて笑った、俺はそれが見たくてここにきたんだ。兎みたいに真っ赤な目も嫌いじゃないけど、やっぱり笑って欲しかったんだ

「手術もうすぐなんだ、でも一人でいると怖くなって」

「親御さんとは話したのか?」

「うん、ふたりとも納得してくれたよ。」

兎はしっかりと勇気をもって自分の気持ちを言ったけれど、今日人生の残りを決める瞬間が来る。どれだけ心淋しくて、気持ちを奮い立たせるのが大変だったろう、俺にはきっと想像もできない恐怖

「一日どころか半日も一緒にいなかった人なのに、修は私に一杯勇気をくれた。私もっともっと生きたいって思えた。だってこの世界には私の知らないもの、見たことの無い景色、出会ったことの無い素敵な人たちが一杯いることが改めて分かったんだもん」

そこでいったん兎は話すのを止める

「知ってる?兎って淋しいと死んじゃうんだって、だからさ修にずっと一緒にいるって言ってもらえたら私もっと勇気が出ると思うんだ」

「そうらしいな・・・・・兎俺はずっと一緒にいるから、だから頑張ってこい」

「うん!」


手術の時間中、ずっと兎の両親と一緒だったが、きっと兎が何らかの事情を伝えたのか、意味ありげに俺を見てきたが、特に会話はせず時間だけがすぎるのを一緒に待った

「終わったのか!?」

兎の父親が手術中のランプが消えるのを見て立ち上がる、俺は情けないけれど足が震えて立ち上がれなかった。執刀医を務めただろう男が出てくる、一言二言小声で兎の両親に話すと、二人はその場で泣き崩れてしまう。

「どうなったんですか!?」

俺は動けない脚を恨めしく思いながら、執刀医に尋ねると、俺の方に近づいてきながらマスクを外し、言った

















「成功です」







「そう・・・・ですか、そうですか。よかった、本当に良かった」

俺は公園のときとは違う嬉し涙で、執刀医の顔が見えなくなる

「君は修君でいいのかな?」

俺は名乗った覚えがなかったし、兎の両親もなんだろうと不思議そうにこちらを見てくる

「手術中何度か心臓の鼓動が弱まったんだが、そのたびに君の名前を呼んでいたんだ、すると不思議な事に彼女の鼓動は強くなった。私も医者を長くやっているが、こんなことは初めてだ」

それだけ伝えると、よくやったという様に俺の肩を叩いて、執刀医は去っていった。


その後、手術室から出てきた兎は、結局また泣いた

「お父さんお母さん、心配かけてごめんね、私頑張るから」

力強い宣言に兎の両親は、何度も何度も頷く、母親に抱きしめられてくすぐったそうにしながらも、凄くうれしそうに微笑む。俺が見ているのに気づいてすぐ恥ずかしがって、慌てて母親を引き離していたのが面白かった

「修君・・・・・だったね、実は宇佐美は昨日病院を脱走してね。私達はもうこの子が帰ってこないんじゃないかと、凄く心配だった・・・・。」

兎の父親は涙ぐんでいたが、真剣な表情で俺に話しかけてきた、俺は緊張しながらもしっかりとその目を見つめ返し、静かに聞いた

「先生に手術の話をされた直後、この子は何度も怖いと言って震えてた、私達はかける言葉も見つからず病室を後にしたんだ、そして再び様子を見に行ったらもういなかったんだ」

自分の情けなさを憎そうに唇をかみ、血が垂れる。それが痛々しいが俺は何も口をはさめない

「修君は、宇佐美が病院に帰ってきたとき、何て言ったと思う?」

「・・・・・手術をうける?」

「いいや違う、生きたいっていったんだ、私達が見たこともない勇気にあふれた笑顔でね」

俺はなんとなくそうだと思っていたが、兎の父親の誇らしげな言葉が聞きたかったから、あえて言うことを変えた。親って言うのはこどもを自慢するのが好きだからな・・・・・。

「ありがとう修君、君が宇佐美を変えたんだ。」

「いいえ、兎が凄いんです。俺なら逃げちゃう恐怖に立ち向かって」

「「兎?」」

とっさにあだ名で呼んでしまった俺は、慌てて弁解しようとしたが兎のほうから助け舟がくる

「私の目泣きすぎて赤いでしょ?それに名前も兎みたいだからって、修がつけてくれたあだ名」

「そうだったのか、そういえばそうだな。修君はあだ名のセンスがあるなぁ」

がっはっはとすっかり元気に笑うのに、俺は怒られなくて良かったと胸をなでおろす

「私からもお礼を言わせて、宇佐美に一杯勇気をくれたんでしょ?ありがとう」

「いえ、そんな俺なんか大したことは」

「大したことだよ、修のおかげで手術受けれたも同然なんだし」

兎は、「ね」と同意を求めてくる、俺はかたくなに否定するのも悪い気がして頷く

「そういえば宇佐美、修君のこと手術中に何度も呼んだんだって?」

母親は兎のトラウマ物のネタでからかう、俺も今になって恥ずかしいようなうれしいような温かい気持ちになる。

「ちょっとお母さんやめてよ、まったくもう」

兎が慌てて怒るけど、俺と視線が合うと微笑んでくれる。

「私も修君なら安心だな!いつでも挨拶にきなさい」

父親のとんでもない発言に、思わず頷いてしまい、二人してまた赤くなる

「兎はもう淋しくないな」

「うん」

その後は精密検査等であまり兎とは会えない日々が続き、しばらくしてから兎からメールがきた

メールによると兎の寿命は少なくとも40年以上らしい、俺は正直うれしすぎて現実かどうか分からなくなりそうだが、今はこの幸せを享受しようと思ってる。

もしも俺の部屋が壊されたり、偶然兎の前を通らなかったり、色々な偶然が重ならなかったら俺は兎と出会えなかっただろう。俺はその偶然、いや必然に感謝している。

今日も俺はすっかり目が赤くなくなった兎と一緒に生きていく




クリスマスの日に起こった不思議な出会い、不運だった男と寂しがりの兎。この二人の話は始まったばかりだけど、その続きは機会があればね。







最後まで読んでくださってありがとうございます^^

修と兎の話は始まったばかりと小説内でも書きましたが、それは他の小説でも同じです。私がまた筆を取れば二人の話はまだまだ続きます。それこそ終わりがないほどに

楽しかったら笑ってください、悲しかったら泣いてください、少しでもあなたの心に何かを感じさせられたなら、それが一番の喜びです

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