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【プロットタイプ】髪に触れろ。傷に触れるな。

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

気遣いの鬼ではあるんだよ。

諭羅ぐらい、気遣ってくれてるんだよ。

鏡花が前髪を弄っている。左右に割いたり、余分にカールをさせたり、兎に角目に掛からない努力をしていた。夏、血行が良くなって、前髪が目に掛る様になったからだろう。

前には行き過ぎた行為をしていた為、今は大分マシに想える。

「髪、切って来い」

流石に目の前で、文具用の鋏で切り落とすのは肝が冷える。

「でも一ヶ月前……。分かったよぉ!! もうっ!! お目目に掛かるの嫌だし、切って来ます!!」

俺の無言の圧力に負けたのか、本当に邪魔に思っていたのかは分からない。しかし髪を切る事にしたらしい。

其れから帰って来た後の事。シャワーを浴びた後の事。ただまったりと床に臀を付けて、スマホを弄る鏡花がいた。本日の切れ味が気になって、徐に鏡花の髪に触れた。

上から辿って下に。風呂上がり故に湿気っている。毛量の多い、犬の毛の柔らかはそのままであったが、毛先に向かうに連れて少し痩せた様に想える。

毛先をむんずと掴む。やはり毛先に向かうに連れて、細くなった気がする。

「少し痩せたか」

「あぁ分かる? 梳かれちゃったんだよね〜。なんで美容院の人って髪を梳きたがるのかな〜。今の人も、前の人も、そのまた前の人もそうだった。

確かに毛量多いって言われて、小学生の頃には男子達から『お前モジャモジャだから、脇毛も凄いんだろ。見せてみろよ』とか言われたけどさ〜。

あ、思い返したらイライラしてきた」

――切り揃った髪が好きなんだ。ほら、ふわふわのファンデブラシみたいでしょ?

そんな事を、毛先を弄りながら前に言っていた。丁度冬の、髪を切った後だった。

そう思うと、こうしてざんばらに斬られてしまった事が、髪だけでなく、お前の心まで傷付ける行為に他ならないのでは無いかと思ってしまう。

「なんだよぉ。ざんばら嫌い?」

「いや。ただお前……」

切り揃った髪が好きなんだ。ファンデブラシみたいでしょ? 日本人形と同じ髪型。

流石に言えなかった。このまま口に出したら、そのまま地雷を踏み抜く行為な気がして。触れてはならない事象な気がして。

鏡花が振り返る。顔には何とも複雑そうな表情が張り付いていた。泣く訳でも、怒る訳でもない。ただ強い哀愁が張り付いていた。

「心配しなくても夏だからすぐに伸びるよ。冬の二倍の速度で。何、今度は躊躇いなく斬られに行くよ」

彼奴が美容院に行きたがらない理由が今、分かった気がした。何かしらの出来事があって、自分の気付かぬうちに、ざんばらにされてしまうから。毛先を削がれてしまうから。

俺は此奴の髪にとっての戦犯なのかも知れない。

「おいおい。そんな顔するなよ。何時もみたいに腰周りに臀乗せて、わさわさ掻き回せよ」

「……とんだ被虐趣味じゃねぇか」

だが今は其の気遣いに甘んじる事にした。『髪に触れろ』『切り傷に触れるな』、ただそれだけを求められている気がした。

髪が伸びてきたのは本当。

目に掛かってきて、『鬱陶しい!!』と思ってるのも本当。

ただ、『この絶妙な状態をキープしたい』というところまで読み取れてません。


※『前髪だけ切るのと、前髪と後髪カットする値段一緒だから、賭けなんだよね〜』

だから少し『(。・з・)ンモォォ』みたいな感じ。


そこまで読めないよ。観察力のある瑠衣だって。

だって後ろ髪の毛先弄ってないもーん。

弄ってたらまた違うのかも知れないけどさー。


だから『(目に掛かって痒そうだから)切って来いよ』と助言をしたつもりなんです。

まぁただ、助言したつもりが、余計な一言になってしまったと言う話。


割とよくある話だよね〜。

良かれと思って言った事が、最悪の事態になるの。


でも鏡花の心情的には『切る事決めたの自分だし』、『前髪邪魔なのは本当だし』、『よく聞こえて無いまま「うん」って言っちゃったし』ってのが本音。

だから『君が気にする事ないよ〜』というノリでこの口調。


ただあんまり気にするもんだから(無表情な瑠衣が『そんな顔』するぐらい)、ちょっと同調して、気が落ちてしまっただけ。

だから早く戻って欲しくもありそう。


このまま湿度高い会話してたら多分、崩壊してたと思います。

だから最後の瑠衣の返答は大正解。


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