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ころがる四角形

「お姉さまあれを見て。平坦な道を四角形が転がっているわ」

「おかしいわ、お姉さま。自発的には何も転がらないから平坦なのではなくて?」

「ええ。でも、実際に目の前では四角形が転がっているの。とても不思議。私の目の前に伸びる道はやっぱり平坦で、四角形は四角形以外の何物でもないの。きっときっと、この四角形は創造主の使者に違いないわ」

「彼の使いだったら、その四角形はとどまっておくべきだわ」

「ええ、お姉さま。創造主はこの世の理を作った方。彼がその理を壊すだなんて。そんなことしたら、この世は鈍色に落ちていくわ。だからこそ、この四角形は彼の使いなのよ」

「私にはこの世界がどんな色なのかわからないの。そもそも、色の体験がないのよ」

「ふふふ。でもお姉さまは色を聞き分けることができる。その感覚、私には理解できないわ。きっとそれは四角形も同じ。とどまっているか動いているかの感覚なんて、ありっこないのよ」

「その四角形は、一体世界が何色だと認識しているのか。気になって仕方がないわ」

「ええ、お姉さま。でも私たちにはそれを知る術がないの。だって、意思を伝えることができないのだから」

「そうね。仕方ないわ」

「ふふっ。さあ、私たちも帰りましょ、お姉さま」

「ええ、お姉さま。二人だけの家へ」

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