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クレハのしごき

「オエェェェェ・・・」

 

俺は今猛烈に吐いている。クレハさんもといヒスイさんの兄にボコられた。

 

「何やってる!早く立て!」

 

こんなシゴキ受けるなんて・・・

 

俯いたまま弱っているとクレハさんは流石に心配になったのか近寄って来た。

 

今!!

 

クレハさんが俺の顔を覗こうと腰を落とした瞬間に顎めがけて拳を振り上げる。

 

「おっと・・・!」

 

「チッ!外したか・・・」

 

「中々やるな。良い作戦だ。」

 

だが、簡単に避けられてしまった。

 

あの体勢から避けるとかどんな反射神経してんだよ・・・ だが、この程度の攻撃で諦めるようなら最初からやっていない。

 

俺は何度も何度も同じ手を使った。

 

しかし、そのどれもこれもが全て完璧に防がれてしまう。

 

「基礎的な身体能力は悪くない。ただ反射神経がな・・・」

 

それは自覚があるから何も反論ができない。

 

「よし、今から外で鍛えるぞ。」

 

「へ?」

 

外に出た俺たちは10mくらい離れて対面している。

 

「よし。フン!」

 

「うわぁ!」

 

急に石を投げて来た。

 

まさかこれを全部避けろと?無理じゃね? そう思ってるとどんどん石が迫ってくる。あっ、これはヤバいな。

 

とりあえず避けないと死ぬかも知れんし取り敢えず投げ返してみるか。

 

ビュン!!! ズドンっ!と 投げた石は後ろの木を抉ってさらに飛んでいく。

 

オイオイオイオイ・・・俺の射出レベルの威力じゃねぇか!

 

「おー思ったより威力でたな。でもお前なら大丈夫そうだ。」

 

あれで大丈夫そうなわけないだろ。基準がわかんねぇよクソ。

 

それから2時間程ずっと特訓していたのだが遂に限界が来たようだ。

 

足がもつれて転んでしまったのだ。

 

もう動けん・・・体力の限界ってまだ投げる気かよ。

 

「シャドウウルフ!」

 

ギリギリ防げたけど一撃で破壊された・・・

 

何とか防御できたもののそのまま倒れ込んでしまう。

 

「随分やられてるね。大丈夫?」

 

ヒスイさんが覗き込んで声をかけてくる。

 

「ダメそうです。」

 

でもここ数日でだいぶ集積された。このエネルギーを利用して変換しよう。

 

「よし、やるか。」

 

「今度は何が出るかな!」

 

「何やるの?」

 

そっかヒスイさんに見せるのは初めてか。

 

「俺のスキルです。前に言ったように《集積・変換》で貯めたエネルギーを固有スキルに変換できるんです。」

 

説明もそこそこに早速やってみよう。

 

『今まで集積したエネルギーを変換しますか?』

 

はいをタップし変換する。

 

『集積したエネルギーを固有スキル《操血》に変換しました』

 

「操血って血を操るのか。」

 

取り敢えず《操血》をタップして説明を見る。

 

『体外、体内での血液の操作を可能とする。体外で操作した血液は体内に還元する事はできない。』

 

「これまた使い勝手の悪い・・・」

 

まあ無いよりマシだな。

 

「さっきのシャドウウルフ見せてくれない?」

 

「えっ?あ、はいどうぞ。」

 

「凄い・・・」

 

ヒスイさんの目がキラキラ輝いている。

 

「はぁ、もふもふだぁ〜!」

 

「えぇ・・・」

 

「可愛いなぁ〜」

 

ヒスイさんが突然豹変したので困惑していると。

 

「ごめんなさい。私動物大好きなのでつい・・・」

 

「いやまあ別にいいですよ。」

 

でもあの変わり様は少し驚いたな。

 

「シャドウウルフのストックがまさかのところで一つ減ったな。」

 

まぁ完全複製しなければストック減らないから良いけど。

 

「うちのお兄ちゃんがすみません・・・」

 

「いえ気にしないでください。それにとても為になってます。」

 

実際かなり強くなった気がする。

 

その後も何度かクレハさんとの模擬戦を繰り返してようやく一区切りついた。

 

うん、普通に死ねるこれ。足もうガッタガタで動かねぇもん。そもそも何で俺が引力発生させてから後出しで動いて避けれるんだよおかしいだろ。そんな事を考えながら眠りについた。明日からまた死ぬほどボコされるんだろうなぁ・・・

 

寝てすぐに起こされた感覚だなぁ。でも朝日登って無いんだよなぁ・・・

 

「今日は俺との訓練は無しだ。好きに鍛えると良い。」

 

クレハさん曰くあまりキツいことを毎日しても辛いだけで意味がないそうな。だから1日2日おきに自由に鍛えて良いそうだ。

 

「んじゃ早速新しいスキル試すかな。」

 

まずは自分の血を操ってみる。

 

「おぉ!浮いた!」

 

これを薄く鋭く回転させて・・・

 

「そぉい!」

 

木に投げつけてみても傷一つつけられずにペチャッという音と共に血が形を失った。

 

「うーん・・・発想は悪くなかったと思うけどなぁ。」

 

あ、そうだ!外殻を硬化させて回転させれば良いんだ。

 

ギュルルルルルと音を立てそうなほど高速回転させた血液の輪を放り投げる。

 

「そぉれ!」

 

すると血液の輪は木を抉り真ん中辺りまで食い込んだ。

 

「やりぃ!成功だ!ってかちょっと待て・・・」

 

この技はとんでもない威力だ。名前どうしようかな。《血削》で良いかな。

 

次は血液を右腕に纏い鋭く硬化させた。

 

「《血刀》って感じかな。」

 

内側で血液を高速循環させて威力を底上げした血液の刀。スパッと木を両断できた。うーむ中々楽しいな。でも下手したら血液失って死ぬかもだから一回出した血液をなるべく使い回して実験しないと。

 

血刀を解除し槍の形にする。

 

「《血槍》かな。」

 

思いっきり投げる勢いを増すために血液を噴射させる。

 

これはアリ・・・だな。

 

結構血を流した為かクラクラして来たからこの辺で終わりにしよう。

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