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霊感中年中岡真由香の事件簿?  作者: ミズモリ
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霊感中年中岡真由香の事件簿?(2)

真由香「こんな夜中に真由香でーす! お読み下さいお願いします! 宜しくお願い致します!<(_ _*)>」


 えー……もう真由香に任せちゃおうかな(・・;)

 前書きも後書きも……いや、まずは私も、宜しくお願い致します<(_ _*)>

三    


 ここは休憩室。

 

 色んな部門の従業員が、おしゃべりしたり、スマホを弄っていたり、本を読んだり、机の上に頭を突っ伏し眠っていたり、思い思いに過ごしている。


 真由香達は開いている長テーブルの一角に座った。


「スマホ弄ってる人多いわねえ」


 友人が休憩室を見回して言った。


「うん。フリーWi-Fiに繋ぐなんて怖いことよく出来るよね」


 と、言いつつ真由香もポケットから自分のスマホを取り出し電源を入れた。


「いや、ちょっと、いくら勤め先とは言えフリーWi-Fi使う気?」


 スマホの電源を入れた真由香を見て、友人が焦る。


「大丈夫、自分の持ちギガ使うから、それにゲームとかは広告の出ないオフラインゲームしか入れてないから」


 すると友人が首を傾げる。


「じゃ、どうするの?」


 そんな友人を見て、真由香は「ふふっ」と笑った。


「みーちゃんにL○NEするのよ」


 みーちゃん。とは二人の共通の友人である。

 

 昔、命に関わる原因不明の大病を患い後遺症が残ってから、10年以上の回復に努めたが、色々事情があって、まだまだ外には出られない半病人な気の毒な友人である。


「なんで、みーちゃんに? 普段は休憩中でもスマホの電源切りっぱなしなのに。それに、今、みーちゃんにL○NEしても既読は付かないと思うけど」


 L○NEアプリを開きかけて、ピタリと動きをとめる真由香。


「なんでよ!?」


 すると友人はこともなげに、


「普段からまともに連絡してないからこんなことになるのよ。知らないの? 浜ちゃんも松ちゃんも知ってるのに」


 反論出来ない真由香である。


 学生時代の友人達とは誕生日のとき以外はまともに連絡を取らないのだ。


 時々、みーちゃんからグループL○NEに連絡が入っても忙しさにかまけて、L○NEアプリを開けもしない。


「みーちゃんのスマホ急に壊れちゃったらしくってね。今、引き継ぎを必死でやってるところだそうよ」 


 (あー……みーちゃんは前に契約してた携帯会社のショップが最悪で、データは一つも引き継ぎ出来ないとか教えられてたんだったわ)


 だからおそらく、今回のスマホデータ引き継ぎが彼女に取って初めての引き継ぎになる。


「私もみーちゃんから話聞いて、別の携帯会社に変えて良かったわ。でも、私達が住んでる市の携帯ショップって基本客に対して態度が悪いらしいわよ。どこの携帯会社も。ね」


 言われてみれば、真由香の契約している携帯会社のショップも客に対して態度が悪い。


 同じ接客業だからこそ解る。

 あの態度は客をバカにしている。と……。


「特に○○○○携帯会社には失望したわね。みーちゃんの話聞いてゾッとしたわ」


 友人が自分で自分を抱きしめる。


 かなり以前の話だが、○○○○携帯会社の本社からアンケートの電話があったそうだ。


「みーちゃんは今より具合悪かった時期だから、うっかり、知らない電話番号なのに対応しちゃったのよね」

 

 友人は強く強く自分の体を抱きしめる。


「怖いわよね。このご時世に何考えてるのかしら、その携帯会社」


 しかも、携帯ショップに確認の電話を入れると。


「本社のすることはこちらには解りませんから」


 と、比較的感じの良い店員が、そう告げて来たそうだ。


(みーちゃんが自力で調べた電話番号も本物だったみたいだけど)


 自力で検索して調べた電話番号も……。


「おそらく、お客様が調べた電話番号で合っていると思います。こちらで調べても同じ結果しか出ないはずですので」


 と、比較的まともな店員でさえその対応なのだ。ショップで調べようともしない。

 

 無駄なことでも省かれると、お客は不安になるものなのだ。


 直営の携帯ショップからしてそれである。


 本社の質も低いとしか思いようがない。 


「で? どうしてみーちゃんにL○NEしようなんて思ったのよ?」


 友人は漸く自分を抱きしめることをやめて聞いて来た。


「ちょっと……ね。確めたいことが

あってね」


 目の前の友人がL○NEに既読は付かないと言うのならば、そうだろうが。


「取り敢えず。連絡だけはしてみるね」 


 言って真由香はL○NEアプリを開く目の前の友人もポケットからスマホを取り出しL○NEアプリを開くと、

その中のグループL○NEアカウントを見る。


「えーと、『みーちゃん久しぶり。今、時間ある?』」


 

真由香は文字を入力してから送信する。 


「…………」


 ――それから数分。


「既読、付かないね」


 友人が、ポツリと言った。


「そうだね……付かないね――ってなんであんたの分も付かないのよ?」


 真由香は、キッと友人を見る。


「私は既読付かないアプリ入れてるから」


 友人はあっさりと答えた。


「何そのアプリ? 聞いたことないわ」 


 真由香の反論に、友人はL○NEアプリを閉じてGoo○lep○ayアプリを開いて、真由香に見せた。


「まーちゃんはAn○roidじゃないから知らないんだと思うよ?」 


 友人のスマホの画面には、『既読回避するー』アプリなるものが、映し出されていた。



 結局、休憩の間中(あいだじゅう)待ってみたが、誰からの既読も付かなかった。


「じゃ、私そろそろ行くねー」


 と、一言残し、友人は本屋部門に去って行った。


 友人よりも僅かながら多く休憩時間が残っていた真由香だが、諦めてスマホの電源を切ると、自分の持ち場にトボトボと歩いて行く。


(あーあ、どうしようかなあ……お師匠様も夜まで連絡取れないし……みーちゃん。大丈夫かなあ)


 真由香の予想だと、みーちゃんは、現在、かなり具合の悪い状態に陥っているのではないかと推理する。

 

(でも、家電(いえでん)(固定電話)に電話したら誰かご家族出てくれるかなあ?)


 おそらく、誰も出ないだろう。

 

(あーあ、みーちゃんのお母さんの電話番号聞いておけば良かったなあ)


 真由香に取っても、このような事態は初めてなのだ。


 対処のやり方が解らない。

 

 しかし、一つだけ安心なこともある。


(みーちゃんに、命の危険が迫っているほどの状況じゃないってことは解る……みーちゃんが以前死にかけたときには、ご家族から電話がかかってきたもの) 


 しかし、真由香のこの考えは甘いのだと(のち)に師匠に叱られることになる。


『どうして、電話してでも私に繋がなかったのですか!?』


 と――


 真由香の師匠は知っていた。

 

 命の危機が迫っている人間の家族は、パニックに陥って、しばしば当人の友人等に連絡をし忘れることがあるのだと。


 死線をくぐり抜けた人間の家族の胸のうち

 死線をさ迷っている人間の家族の胸のうち


 そんなものを真由香の師匠は知っていて。真由香は知らなかった。

 と言うか、真由香は想像も出来なかったのだから……。


 人間。歳を取ると頭が固くなるのか、それとも元々想像力が少し足りないのか。


 真由香にはどうすることも出来ないまま、終業時間となったのだった。

真由香「お読み頂きありがとうございます! あたしはとっっても嬉しいでーす! 次話も宜しくお願い致します! ブクマにポイントもお願い致しまーす!<(_ _*)>」


 宜しくお願い致します<(_ _*)>(次からは前書き後書き真由香に任せます)

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